2013年4月9日~14日まで、イタリアミラノで世界最大のデザインイベントミラノサローネが、開催されました。会期期間中は、天候が悪く雨模様の日が続きましたが、今年も世界中から大勢の来場者が集まりました。
ローフィエラミラノ
第52回目を迎えるサローネ国際家具見本市ローフィエラミラノ会場は、特に今年は、外国からの来場者数を大きく伸ばし、7割近くがイタリア以外の国の来場者で、この見本市がいかに世界的注目度が高くグローバルな見本市であるかを象徴しています。
家具業界の「お正月」は4月の1週間。この一週間のために我々は一年間働いて準備する。とこれに関わるデザイナーが言っているように世界中の家具デザイナーが競い合う展示会がこのミラノサローネです。
わずかに昨年を下回った国際家具見本市ローフィエラミラノ会場の来場者数は、初日だけを見た限りでは昨年を大きく上回る感じがありました。
今年はどの企業も例年より新作の発表も多く、昨年よりすばらしい活気のある会場構成で多くの来場者を楽しませていました。それは、COSMIT新代表クラウディオ・ルーティ氏の就任や、昨年までトルトーナ地区で展示会を開催していたポルトローナフラウグループがこの会場に復活したことが大きく影響しているのでしょうか。
また、国際家具見本市会場の運営会社コズミットは、外国からの来場者が昨年を上回る指数を出していましたが、やはり、アジア勢の来場者が多く、中国、インド勢の来場者は目を見張るものがありました。特に中国からの来場者は、名のあるブランド企業だけではなく、第2、第3のブランドを探して、自ら小さなブランド企業との交渉をするところを多く見かけました。
経済発展をとげた新興国がこれから求めるものは、やはり、豊かな空間なのでしょう。
全体では、サローネ国際家具見本市ローフィエラミラノ会場は昨年以上の盛り上がりでした。
ブレア地区
ミラノ市内の街の様子は、人通りはいつもの年と変わりはなく、多くの観光客がサローネに出展しているショップをめぐっていましたが、ほとんどの有名ブランドのショールームは、優良顧客を招くレセプションルームをローフィエラミラノ会場に移していたため、以前よりは活気がありませんでした。
そんな中、フリッツ・ハンセンのショールームは、毎年テーマをつけての展示会で今年もすばらしい展示でした。
トルトーナ地区
トルトーナ地区は、あいかわらず人通りは多くてにぎやかで、学生を中心とした若者が多く集まっていました。ですが、一時期のように出展企業が増加することはなく、反対に年々出展企業が少なくなり、今年は昨年よりさらに少なく、ちょっとさびしい街の様子でした。
昨年までトルトーナ地区に出展していたポルトローナフラウグループも、ローフィエラミラノに展示会場を移し、その影響があるようです。
スーパースタジオでは日本の企業「カネカ」のすばらしいインスタレーションが目を引きました。
そのちょっとさみしかったトルトーナ地区で圧倒的なインスタレーションを見せてくれてのがMOOOI
一昨年、この会場ではポルトローナフラウグループが4つのブランドのインスタレーションをやっていましたが、これほどの迫力はありませんでした。ひとつのブランドがこの広さで、今までに見たことがないインスタレーションを繰り広げて、来場者全員を魅了しました。
いままで、MOOOI(モーイ)というブランドを知らなかった人たちも、この日から決して忘れられないブランドとなったでしょう。それくらい迫力のあるインスタレーションでした。
ミラノサローネ2013の開催前は、苦境する経済状況の中で、来場者や出展企業の盛り上がりはどうなのかを懸念していましたが、蓋を開けてみれば、どの出展企業も近年にない活気あるインスタレーションを展開し、業界全体で長い不況から抜け出す勢いがありました。
(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2013.04.21)