福永紙工とイギリス在住の安積朋子さんとのプロジェクト『Onetosixteen』
フラットな印刷物を切り抜き折り曲げると、立体が生まれて周りに小さな空間が立ち上がる。そんな紙で作るジオラマの楽しみを、椅子とその背景のインテリアを通してお届けするのが 1:16 ミニ・ミュージアムです。かんたんに組み立てられる小さな紙模型で、世界の椅子とそれを取り巻くインテリアを楽しめます。
シリーズ001 Sussex chair / c. 1860
イギリスのアーツアンドクラフツを代表するウィリアム・モリスによるモリス商会から発売された『サセックス』シリーズの、アームチェアです。1860年代にウィリアム・モリスの住まいRed Houseのために作られた椅子は、リージェンシー様式をリ・デザインしたもので、デザイナーはフィリップ・ウェブだろうと推定されています。背景はヴィクトリア時代の室内の造作に、モリスの後年の柳の葉の壁紙を使いました。伐採できる大きな樹木が多く残っていなかった当時のイギリスでは、幅の狭い床板が主流だったようです。
難易度 ★ ★
組み立て時間 25分ぐらい
シリーズ002 Shaker chair / c.1820
18世紀にイギリスからアメリカに渡ったシェーカー教徒が自作したシェーカーチェアとそのインテリアです。椅子の原型はイギリス西部で作られていた伝統的な様式から装飾をそぎ落とし、究極に軽くシンプルになった姿です。質素で簡潔をモットーとするシェーカー教徒は、この椅子を壁のフックに掛けて床を掃除しました。同じフックに夜はろうそく灯りを掛けた、その一画を再現しています。まだ樹齢の高い木が伐採できた北アメリカでは、幅の広い床板がふんだんに使われていました。
難易度 ★
組み立て時間 15分ぐらい
(文:インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日:2015.03.12)