カール・ハンセン&サン社 協働から生まれたのがロッキングチェア 発表

 

 

カール・ハンセン&サン社と新進デザイナー、アンカー・バック
協働から生まれたロッキングチェア 発表

 

 

カール・ハンセン&サン社は、新進デザイナー、アンカー・バックとの協働により、今年発表された「AB001 ROCKING NEST CHAIR (以下Rocking Nest Chair)」を現在、フラッグシップ・ストアにて展示展開しています。異素材のコンビネーションや、精密な加工技術により組み合わされたジョイント部。座り心地だけでなく、是非細部の仕上げまで見ていただきたい椅子です。

カール・ハンセン&サン社と新進デザイナー、アンカー・バックの密接な協働は、一つの斬新なデザインを生み出しました。伝統的なフォルム、自然素材への愛着、そして培われた家具職人技術を出発点にデザインされたのは、新しいタイプのロッキングチェア。コンパクトで使用感に優れるロッキングチェアであるうえに折りたたみ可能となっています。


いち早くハンス J. ウェグナーの稀有な才能に着目した、カール・ハンセン&サン社。当時の社長であり、家具職人でもあったホルガー・ハンセン氏は1940年、新進デザイナーであったウェグナーとの協働を開始。それ以来、歴史に残る名作を次々と世に送り出してきました。同社の3代目の当主にあたる、クヌッド・エリック・ハンセン氏も父ホルガー・ハンセン氏の見極める目を継いでいるようです。ここ数年、デニッシュモダンの後継者として、その才能が注目されているデンマークの新進デザイナー、アンカー・バックとの協働にいち早く着手しました。

 

 


 
この協働から生まれたのがロッキングチェア、「Rocking Nest Chair」。アンカー・バックは、伝統的なロッキングチェアと、自分の新たな解釈を統合し、木材、皮革、キャンバス、そしてスチールをオーガニックに融合。誰もが座りたくなるようなフォルムをもつ、ロッキングチェアを完成させました。コンパクトで場所を取らないロッキングチェア。しかも折りたたむことができます。Rocking Nest Chairの発端は、母になったばかりのデザイナーの実妹。生まれたばかりの赤ちゃんを抱いたまま、心地よく座れる椅子として発案されました。知識や技術ばかりでなく、アンカー・バックの家族を思う気持ちもこのデザインに込められています。

「フォルムと機能は同等に重要なエレメント。さらに私は構造にも細心の注意を払っています。これらを極めたハンス J. ウェグナーは、常に私のお手本となる偉大なるデザイナーです。またウェグナー同様、私もシェーカー家具に見るシンプルなフォルムに大きな影響を受けてきました。」と、アンカー・バック氏は言います。Rocking Nest Chairは、使用されているすべての素材は、隠れることなく見えるようにデザインされています。「楕円形のキャンバス生地のシェルと座面のレザークッションのソフトさ、そして金属と木材を用いた軽快なフレーム。この異素材のコントラストにフォーカスしました。その結果たどり着いたのが、この浮いたようなフォルムです。折りたたみが可能になったのも、このシンプルな構造だからこそできました。」とアンカー・バック氏は続けます。

アンカー・バックは皮革、キャンバス、木材といった伝統的な素材を用いながらも、新しいロッキングチェアの創造を試みたのです。Rocking Nest Chairの軽量さとコンパクトさは、一般住宅をはじめ、様々な場所でスペースを無駄にすることなく使用することを可能にしています。

 

 

使用できるのは最高の素材だけ

異素材の組み合わせ、可動を要求されるコンポーネント。カジュアルな外観と相反し、Rocking Nest Chairの製作には、精密な加工技術が要求されます。さらにRocking Nest Chairは、従来のロッキングチェアと大きく異なります。まずは、座る部分となる柔らかいシェル。皮革またはキャンバスを使い、一つの独立した構造として形成されています。そして、構造材として使用された、ムクの木材とスチールの混合。接合部に美しい職人技術を見ることができます。異素材のコンビネーションが作り出す独特のフォルムが、距離を置いて見た時やそのプロフィールに顕著です。「デザインスタイルはもちろんのこと、サスティナビリティーを考慮した皮革、木材、キャンバスなど、使用している素材を取ってみても当社のコレクションに相応しいロッキングチェアだと思います。私どもは、環境を常に配慮した素材を使用することを企業指針としています。」とRocking Nest Chairに秘められた加工技術を高く評価するクヌッド・エリック・ハンセン氏。こうした伝統的な家具職人技術への敬意こそがアンカー・バックとカール・ハンセン&サン社の協働の基盤になっています。

 


 

 

「完璧に機能するロッキングチェアを製作するには、最高の素材と精密な加工をする職人技術が不可欠です。座って揺らす、ロッキングチェア。長くて強靭な繊維をもつ、最高品質の木材を使用しなければ、この機能を満たす椅子を作ることができません。縫い糸、接合用のダボ、そしてフレームを構成するスチールを留めるボルトに至るまで、使用されているあらゆる素材が、この椅子の使用感と品質に影響しています。磨く、切断する、縫う、組み立てると手間のかかる椅子ですが、出来上がった製品が喜んでもらえるものであれば、私たちは大満足です。」とクヌッド・エリック・ハンセン氏。

 

 

 

 

Rocking Nest Chairのシェルは、外側をキャンバス・内側に皮革を用いたコンビネーションシェル、または両面にキャンバスを用いたシェルの2種。クッションはいずれも皮革張りとなります。フレームはオーク材またはウォルナット材。木材とコンビネーションをなすスチールは、ブラックまたはホワイトのパウダーラッカー塗装仕上げとなります。伝統的なフラッグハリヤードが張地をしっかり装着する役割を担っています。

 

 

AB001 ROCKING NEST CHAIR
item:AB001 ROCKING NEST CHAIR
designer:ANKER BAK
year:2017
size: W62×D78×H81/SH45cm
 price:¥227,000~(税別)

 



カール・ハンセン&サン

カール・ハンセン&サンについて

カール・ハンセン&サンは創業100年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られています。また、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、モーエンス・コッホ、フリッツ・へニングセン、安藤忠雄、EOOSなど世界的に知られたデザイナーの家具の製作にも着手、すべての製品をデンマーク国内で製作しています。カール・ハンセン&サンのコレクションは、直営店のフラッグシップ・ストアおよび一流ディーラーを通して世界各国で販売されています。
https://www.carlhansen.jp/

 

 

 

(文:インテリア情報サイト編集部-5  /  更新日:2017.08.29)

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