博多曲物と波佐見焼、
2つの伝統工芸の特徴を活かしたひとつのカップ
厚くなく熱くない、日常使いに最適なクラフトカップ
Haori Cup 販売開始
博多曲物研究所(福岡県福岡市)は、長崎県の波佐見焼と福岡県の博多曲物を組み合わせたそれぞれ異なる2つの伝統工芸の特徴(機能)を活かした商品「Haori Cup(ハオリカップ)」国内で販売開始します。
「Haori Cup(ハオリカップ)」は、2015年にアメリカのクラウドファンディングサイトKickstarterで、伝統工芸の商品としては異例となる$118,310を集めたクラフトカップです。
波佐見焼は薄造りで美しい無地の白磁を得意とする産地です。手に持って光にかざすと指が透けるほど薄い磁器を量産できる技術力を持っています。しかし薄造りのカップは、液体の温度を指にダイレクトに伝えてしまうため、熱い飲み物が適さないことや、その対策のためにマグカップのような取っ手を付けて作ろうとすると変形してしまいます。
そのためカップに取っ手を付ける場合はカップそのものの肉厚を分厚くする必要があり、そもそも薄造りが成り立たないというジレンマがありました。
そこで、熱伝導率が低い木材(国産杉)を原料とする博多曲物を活用して、薄造りの磁器にぴったりなスリーブをつくれば、薄く軽量な波佐見焼の特徴と、熱を通しにくく結露など多少の水分も吸収してくれる博多曲物の特徴と、お互いの機能性を活かし合う、日常使いに最適なクラフトカップが出来上がりました。
和装も曲物も合わせは「左前」
Haori Cup のデザインは、磁器のうつわが曲物の羽織ものを着ているように見える佇まい、つまり「見立て」から生まれました。この曲物を和装に見立てるデザインは、実は曲物の歴史とも繋がっています。曲物は板状の木を曲げて、それぞれの先端部分を数センチ重ねるのですが、その際必ず左側(向かって右側)が上にくるように重ねます。
これは着物でいう「右前」にあたります。(向かって左側が上にくる重ね「左前」は和装の世界では縁起が悪いとされます)博多曲物は、福岡市東区にある日本三大八幡宮のひとつ「筥崎宮」の祭具として用いられてきた歴史があります。そんなハレの場に、縁起の悪い「左前」は好ましくないということで、昔から「右前」が仕様として定着しているという説もあり、長い歴史の中で、和装と曲物には精神的に深い繋がりがあるといえます。
Haori Cupの容量は7 -8分目でおよそ180cc(一合)入ります。フリーカップとしてデザインしているため、冷たい麦茶やビール、日本酒や焼酎はもちろん、温かい煎茶やコーヒー、お湯割りや白湯もお勧めです。特に白湯をいれる時には熱々の状態でHaori Cupに注ぐことで、熱が曲物のスリーブに伝わって、ほんのりと杉の香りを楽しむことができます。
曲物のスリーブは、手に熱を伝えにくいだけではなく、内部の飲料の保温/保冷効果もあり、素材の機能性をダイレクトに感じられる実用的なクラフトカップです。(カップとスリーブはそれぞれスタッキング可)
カラー : 白 / 緑 / 茶 / ピンク
曲物 : 無地
パッケージ
| オリジナル焼印
オリジナルロゴや家紋など、お好きなデザインの焼印を入れることができます。
① 麻の葉 麻の葉形を図案化した連続模様。麻は生長が速く丈夫なので、めでたい模様とされ、特に産着(うぶぎ)につける風習がある。
② 千鳥格子 千鳥が連なって飛んでいるように見える形の格子柄。起源は英国。日本では千利休が好んだとされている。
③ 毘沙門亀甲 毘沙門天の鎧(よろい)の鎖として描かれた柄。毘沙門天は財宝富貴を守る七福神にかぞえられる。
④ ヱ霞 霞または雲のかかった風景を日本的な感覚で図案化したもの。絵巻では時の推移や距離のある場所を暗示する。
⑤ 組亀甲 亀甲文様のひとつで、亀の甲羅に似ているのでこの名前がつけられた。 亀と同様に長寿を表す吉祥文様。
⑥ 青海波 大海原を表す文様で、海がもたらす幸を呼び寄せるとされる。元禄(1688 ~ 1704 )頃に流行。
⑦ 七宝繋ぎ 円を4 分の1ずつ重ねた連続文。有職( ゆうそく)文様の一種で古くは正倉院宝物の中の錦などにみられる。
⑧ 水引 淡路結び。鮑結びとも呼ばれ、一度結ぶとほどくことができないことから繰り返さない方が良いこと( 結婚式や葬式など)に使用される。
【商品概要】
Haori Cup(ハオリカップ)
価格:5,940円(税込)
素材:磁器
カラー:白 / 緑 / 茶 / ピンク
曲物:無地
高さ:80mm
容量:180cc
波佐見焼:一誠陶器
波佐見焼では「原型師」、「型屋」、「生地屋」、「窯屋」といったそれぞれ専門のプロフェッショナル達が水平分業型で製品を製造する方式が一般的でHaori Cupも複数の職人・工房によって製作される。
博多曲物:柴田徳商店
博多曲物では、原材料である杉や檜の丸太をある程度の厚みに製材する工程を製材所に依頼する以外は、曲物用に薄く板取する工程、曲げる工程、接着含め組み立てる工程、仕上げの工程、といった製造における全工程をひとつの工房でおこなうことが一般的。明治初期には年間で 3万個を超える量の曲物をつくっていた博多曲物も、大正/昭和/平成と時代の変化により工房は次々となくなっていき、現在では博多曲物を掲げる工房は残すところ2件だけとなっている。
Haori Cup はMAKUAKE のクラウドファンディングに参加!!
博多曲物研究室
http://magemono-lab.com/
(文:制作 PR-C_PR制作部-5 / 更新日:2017.12.13)