カール・ハンセン&サン社
コーア・クリントのデザイン革張りソファ 復刻
カール・ハンセン&サン社は、同社の名作コレクションに、デニッシュモダンの父として知られるコーア・クリントのデザインを新たに追加しました。高いサイドパネルとクロスする印象的な脚を持つ、クーぺ型の革張りソファ。デンマークを代表する巨匠デザイナーのビジョンを極めたデザインです。
機能主義の先駆者としてデニッシュモダンの誕生に大きな役割を果たしたコーア・クリント。デンマークデザイン界における功績は計り知れません。クリントが発表したフォーボーチェアは、まさにデニッシュモダンの幕開けを告げる歴史的なデザイン。この画期的なデザインをきっかけに、デンマークのデザインは世界各国へと広まっていきました。1930年にはすでにデニッシュモダンの方向性を明確に感知していたクリント。同年に発表した高いサイドパネルをフィーチャーした、このエレガントなソファにも顕著に表れています。当時のデンマーク首相トーバル・スタウニング(Thoval Stauning)のクリスチャンボー城内の執務室用に特別にデザインされました。カール・ハンセン&サン社は、このエレガントなソファを復刻、コーア・クリントのフォーボーチェア(1914年)、プロペラスツール(1930年)、サファリチェア(1933年)などと共に、歴史的な名作を集めた同社のコレクションに追加します。
「このソファは、1930年、40年代のデニッシュモダンを代表する家具として当社のコレクションに相応しい一点です。当社では1950年代、60年代の名作を中心に、デニッシュモダンの名作を復刻しコレクションしてきました。このクリントの代表作が追加されることで、よりデニッシュモダンの集大成と言えるコレクションに近づけたと思います。クリントは時代を見越した斬新なビジョンでデザイン界を牽引したデザイナーです。次世代のデンマークデザイナーに大きな影響を与えるばかりでなく、デニッシュモダンの黄金期を代表する数々の名作を残しています。デンマーク王立芸術アカデミーの家具科の創設にも関わり、教育者として自身のビジョンを多くのデザイナーに伝承しています。デザイナーとして教育者として、最もデンマークのデザイン界に影響力を与えた人物だと思います。」と、カール・ハンセン&サン社のCEOクヌッド・エリック・ハンセン(Knud Erik Hansen)。
よく検討された、実用的なデザイン
機能性に優れた家具をデザインするにあたり、基盤となる人体の測量を試みたコーア・クリント。機能主義的なデザインアプローチをアカデミックにデンマーク家具界に持ち込んだ最初のデザイナーです。
このソファもこうしたクリントのデザイン哲学から生まれたもの。オリジナルは3人掛け、のちに2人掛けのソファが追加されました。最高級の木材と皮革を用い、素材、質ともに高級感溢れるソファとなっています。そして革張り加工と彫刻的なフォルムにみる見事なクラフトマンシップ。これこそがまさにディテールにまで妥協することなくこだわった、クリントデザインの真髄だと言えます。 クリントは3人掛けのソファにクロスで接合した8本の脚を使用。座った時に脚が邪魔になることを防ぐほか、より立ち上がりやすくする役割りを果たしています。機能を考慮したこの美しい意匠は、ソファの大きな特徴ともなっています。サイドパネルをはじめとする全体の高さ、そしてボリューム感がこのソファの使用感を高め、より使用しやすくしています。1937年コペンハーゲン家具職人ギルド展に出品された時には、批評家から「成熟した表現力に溢れ、これこそがまさにモダン家具デザインである。」と最上級の評価を得ています。
カール・ハンセン&サン社では、2人掛けKK41180と3人掛けKK41181を復刻。素材はいずれもオーク材、ウォルナット材、またはブラック塗装のオーク材。張地は牛革または、山羊革。
2人掛けのサイズは、長さ134cm x 奥行き80cm x 高さ86cm。3人掛けは、長さ200cm x 奥行き80cm x 高さ86cm。座高はいずれも40cmとなっています。
カール・ハンセン&サンについて
カール・ハンセン&サンは創業100年を超える歴史のあるデンマーク家具メーカー。ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られています。また、オーレ・ヴァンシャー、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、モーエンス・コッホ、フリッツ・へニングセン、安藤忠雄、EOOSなど世界的に知られたデザイナーの家具の製作にも着手、すべての製品をデンマーク国内で製作しています。カール・ハンセン&サンのコレクションは、直営店のフラッグシップ・ストアおよび一流ディーラーを通して世界各国で販売されています。
https://www.carlhansen.jp/
(文:制作 PR-K_PR制作部-1 / 更新日:2018.07.03)