株式会社 天童木工
「木材薬液処理方法 -圧密浸漬処理-」
特許を取得
山形県天童市に本社を構え、家庭や企業、官公庁向けの高級木製家具を製造、販売するプライウッド(成形合板)を主力とする日本を代表する家具メーカー「天童木工」は、「木材薬液処理方法 -圧密浸漬処理(あつみつしんせきしょり)-」の特許を取得しました
株式会社天童木工は、木材に難燃性能や防腐・防蟻性能等の機能を付加する新技術「木材薬液処理方法 -圧密浸漬処理(あつみつしんせきしょり)-」の特許を取得しました。軟質の針葉樹から高い強度を持つ美しいデザインの家具づくりを実現する技術「Roll Press Wood」を応用したもので、国産スギ材やその他の木材の可能性を大きく広げる技術であることから「Roll Press Wood + (RPW Plus)」と呼称しています。
軟質ゆえに家具には不向きとされてきたスギなどの軟質針葉樹。天童木工は 2013年に、軟らかい針葉樹から高い強度と美しさを備えた家具を実現する「Roll Press Wood(RPW)」の開発に成功しました。
今回、特許を取得した「圧密浸漬処理」は、RPWの工程に組み込むことで、家具にさまざまな機能を付加することができる技術です。難燃性の高い木材や、屋外用途を実現する防腐・防蟻の性能を持った木材など、軟質針葉樹の新たな可能性をつくり出します。また、この技術は針葉樹だけにとどまらず、その他の広葉樹等にも応用が可能です。
| Roll Press Wood + 「圧密浸漬処理」
登録番号 : 特許第 6494419号
発明の名称 : 木材薬液処理方法
《 木材薬液処理方法「圧密浸漬処理」の工程 》
《 圧密浸漬処理材の特徴 》
一般的に採用されている薬液処理法は、大きな窯に木材を入れ減圧加圧処理を行うことで薬剤を注入する「加圧注入処理」です。天童木工の「圧密浸漬処理」は、薄い単板を処理するため、部材の内部まで均一に薬液処理することができます。
| 「圧密浸漬処理」でできることの例
《 難燃性 》不特定多数の人が集まる場所の家具や建具
公共建築や地下街や駅など、消防法によって防炎性能を有するカーテンやじゅうたんの使用が義務づけられているのに対し、家具はその対象となっていません。実際の火災では、家具や書架などから燃え始めると言われています。難燃性能を有する家具や建具などは、悲惨な事故を未然に防ぎ、安全な空間の提供につながると考えています。「国立研究開発法人 建築研究所」にて実施した自社規格による燃焼試験では、バーナーによる激しい炎にさらされても燃え上がらず、高い性能が確認されています。
《防腐・防蟻性》ベンチや手すりなど屋外で使用する木製品
屋外で使用されるベンチや手すりは、プラスチック製や金属製が一般的です。木製では満足のいく耐久性が得られないこともその理由のひとつとなっています。「圧密浸漬処理」によって、木材本来の美しさを活かしながら、軽やかでデザイン性の高い木材製品を提供することが可能となります。山形県内のとある老健施設の屋外用ベンチ(山形県産材を使用 )や、都内の中目黒にオープンした「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」のテラス席(東京都多摩産材を使用 )などで採用されています。
(文:制作 PR-B_PR制作部-3 / 更新日:2019.04.22)