Courtesy Salone del Mobile.Milano 2024
Salone del Mobile.Milano 2024
第62回 ミラノサローネ国際家具見本市
来場者数17.1%増 、業界関係者数26.8%増、記録を更新し閉幕
来場者数 361,417人*、うち海外から54.3%。
2024年4月16日(火)~21日(日)まで開催の第62回ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)事務局から、閉幕状況のメールが届きましたのでご紹介します。
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ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)は、経済、持続可能なイノベーション、私たちの暮らしの未来にとって重要な分野における国際的なリファレンス・ポイントであることが確認されました。35カ国から1,950の出展(サローネサテリテ参加デザイナー含む)とともに、質の高い文化プログラム、そして「進化」と呼ばれる挑戦、デザイン、プロジェクト・コミュニティ、経験によって成功裏に閉幕しました。
Courtesy Salone del Mobile.Milano 2024
2023年比17.1%増で、Salone del Mobile.Milano 2024 / 第62回ミラノサローネは総来場者数361,417人(キッチン、バスルームの展示があった2022年比100,000人増)という、記録的な数字を達成しまた。
【業界関係者来場者数】
26.8%増、65.8%が国外からの来場者。この数字は、業界の国際化における見本市の重要な役割、ネットワークの価値を改めて確認するものであると同時に、展示レイアウトと来場者回路の再設計を経て、見本市の枠を超えたイベントの触媒的な力にもなっています。 特に、隔年開催のエウロクチーナ/FTK テクノロジー・フォー・ザ・キッチンと、サローネ国際バスルーム見本市は、ハイテク・プロジェクトにおける新しい美学と機能の実験に強くコミットしており、持続可能なアプローチがますます強まりました。
上位15カ国では、中国が大きな成功を収め、ドイツ、スペイン、ブラジル、フランス、アメリカ、ポーランド、ロシア、スイス、トルコ、インド、イギリス、韓国、日本、オーストリアがそれに続きました。また、アメリカ、インド、アラブ首長国連邦、イギリス、フランス、サウジアラビアから多数の代表団が参加したおかげで、新たなビジネスチャンスが生まれました。
【メディア・学生・一般 来場者数】
メディア来場者数
昨年に比べ増加し、5,552人のジャーナリストや通信事業者、合計6,778件(50.4%が国外から)が来場。週末(一般開放)には、32,567人の来場者があり、世界最高峰の出展と国際的な文化プログラムが、業界関係者にとってこの上ない魅力であると同時に、来場するデザイン愛好家にとって、新たな提案や考察の刺激となる見逃せない機会であることが裏付けられました。
学生来場者数
イタリア人および外国人学生の数も増加し、13,556人、うちイタリア人は8,368人(25.5%増)、全体の平均成長率は18.8%。まさに新しい才能の「工場」であるサローネサテリテ25周年でもある今年、その意味と美を生み出す業界の可能性を発見するために来場した若者たちです。
【デジタルプラットフォーム】
ミラノサローネのデジタルコミュニティの閲覧数も予想を上回り、100万以上のインタラクション(2023年比50%増)、60%のエンゲージメント率、9000万インプレッション(2023年比15%増)を記録、アプリは、39%以上の伸びを記録したマッチメイキングや、45万件以上の検索を記録したインタラクティブな地図ナビゲーションなど、サービスの利用において素晴らしい結果となりました。
【デジタルプラットフォームとインフルエンサー】
見本市のプロモーション戦略の物理的およびデジタル的な側面は、進化するプロセスと一致し、360度すべてのコミュニケーション資産に関与しました。Salone del Mobile.Milanoマルチチャンネルプラットフォームから始まり、継続的なナレーションのおかげで、国際的なデザインコミュニティとの絶え間ない接点となり、見本市開催前および会期中にかけて、出展社、提案、インスタレーション、イベント情報を強化し、来場者の体験を最適化するために、関与、情報、サービスの組み合わせに取り組みました。フランチェスカ・クレチェンティーニ/ Francesca Crescentini、マイケル・ガーデニア/ Michael Gardenia、ニコラ・ランベルティ/ Nicola Lamberti、そして150万人以上のフォロワーを持つソーシャル・ワールドのライフスタイル・リファレンス・ポイントであるスペインのマルタ・シエラ/ Marta Sierraなど、イタリア国内外のクリエイターとのコラボレーションにより、会期中のナレーションはより充実したものとなりました。
ミラノサローネ、マリア・ポッロ代表のコメント
「第62回ミラノサローネは、予想を上回る記録的な開催となりました。見本市の国際的なリーダーシップが再び認められたエコシステムの信頼のおかげで、私たちは例外的な結果を記録することができました。361,417人の来場者数を記録し、世界でも唯一無二なイベントであり、市場の新しい地域との対話に不可欠な架け橋であることを再確認しました。イノベーションに開かれた大陸間都市は、競争によって、国内外経済の主要部門の競争力を加速させます。まさに意味と永続的な価値、製品と雇用、物質と非物質の文化の偉大な「工場」なのです。
展示レイアウトと体験の再設計においてサローネは、産業界と来場者の双方を常に中心に据え、デザイン文化の根幹と未来の新たなビジョンの定義との間に新しい結びつきを生み出すことのできる先進的な文化プログラムによって、双方に刺激を与えようとしてきました。
25年にわたり若い才能の発掘と育成を続けてきたサローネサテリテの祝典は、このことを裏付けています。
今回の成功は、キッチンとバスルームに特化したビエンナーレ(隔年開催見本市)の成功でもあり、研究開発はイノベーションの道筋の統合であると同時に、日常生活の習慣やニーズを取り入れる2つのセクターの能力の表現でもあります。
2025年に向けて、私たちはすでに計画を始めています。サローネは、木製家具のサプライチェーン、ミラノ、そしてメイド・イン・イタリーのシステム全体にとって、誰にとってもチャンスであることを意識しています。重要なことは、62回にわたって私たちを導いてきた「コミュニティを作り、コミュニティであり続ける」という直観を忘れず、大小の企業や団体と協力し続けることです。この挑戦を可能にしてくれただけでなく、具体的で、包括的で、輝きに満ちたものにしてくれたすべての人々に感謝します。世界を動かす生成的な思考への賛辞、デヴィッド・リンチの『Thinking Room(考える部屋)』の青いベルベットのように」
ミラノ市とミラノサローネを、第一回メイドインイタリー・デーに選んだアドルフォ・ウルソ イタリア企業・メイドインイタリー大臣をはじめとする政府高官や機関関係者の出席も、サローネとこの業界全体の国際的なリーダーシップの重要性を示しました。また、イタリア大使館貿易促進部 (ICE) の支援により、64カ国から220人以上のバイヤーと240人以上のジャーナリストが招待されました。更には、イベントの実現に貢献した会場主、フィエラミラノとの密接な協力関係も重要でした。
イタリア家具工業連盟 クラウディオ・フェルトリン会長のコメント
「この1年間、出展社たちが積み重ねてきた並々ならぬ努力が報われる、本当に特別な開催となりました。62年の歴史を経て、私たちは誰もが認めるリーダーであり、世界中のデザインをロー・フェイラミラノのパビリオンに誘致することができ、ミラノサローネ国際家具見本市が国際レベルで最も重要な見本市であることを確信しました。その秘訣は? 天才的な才能、ビジョン、決断力、そして私たちの製品だけが表現できる独特の『工業的職人技』です。そして、イタリアンデザインという偉大なシステムを表現するものとして、それをさらに高めていくことが私たちの義務なのです。ミラノサローネは、小規模な企業であっても、個人では到底到達できないような膨大かつ専門的な聴衆の前で自らをアピールすることができるビジネス見本市であることを第一に考えて、私たちはそうしてきましたし、これからもそうしていくつもりです」
【キーワード:進化】
2024年の記録的な数字は、サローネが2023年のエウロルーチェ成功の後、ロンバルディーニ22とのコラボレーションによる神経科学の支援も受けながら、新たな展示エリアと休憩エリアを導入して設計された、展示レイアウトと来場者回路の再設計に再び取り組んだ1年間の集大成です。そのキーワードは「進化」であり、イベントの国際ロードショーに続く革新的なコミュニケーション・キャンペーンのボディ・コピーとなり、 極東からインド、南アフリカ、ヨーロッパ、北米まで、16の首都を巡りました。このプロモーションツアーは、サローネのデジタル・プラットフォームによって新たな関係性のネットワークを構築し、コンテンツやヴィジョンを拡大されたコミュニティに伝達。このツアーに特化した数多くの詳細な特集や、サローネに同行して世界各地でデザイン実践の変革力について共に考えた特別ゲスト(パトリック・ジュアン/ Patrick Jouin,、コンスタンチン・グルチッチ/Konstantin Grcic、ルカ・ニケット/Luca Nichetto、パトリシア・アルヴィッド/ Patricia Arvid、バーバー・オズガービー/Barber Osgerby、アダム・D・ティハニー/ Adam D. Tihany、スティーブン・バークス/Stephen Burks、ミケーレ・デ・ルッキ/ Michele De Lucchi、ロンバルディーニ22/Lombardini22、スキッドモア・オーウィングズ&メリル SOM/ Skidmore, Owings & MerrillSOMなど)のおかげで、その関係性はさらに拡大されました。
【デザイン・キオスク】
また、出版社コライーニ/Corrainiがキュレーションし、DWAデザインスタジオがデザインした、インターブランドとのコラボレーションによる「デザイン・キオスク」では、ミラノ・トリエンナーレ館長ステファノ・ボエリ/ Stefano Boeriをはじめ、チーノ・ズッキ/ Cino Zucchi、ルカ・ニケット/ Luca Nichetto、パラサイト2.0/ Parasite 2.0をはじめとする業界トップレベルとのセッションがスカラ座広場で開催されました。
【Comunità Continua (コミュニティの継続)】
また、写真家兼ディレクターのジャンルカ・ヴァッサッロ/ Gianluca Vassalloに任された大規模なリサーチ・プロジェクト「Comunità Continua (コミュニティの継続)」も実施。これは、サローネ・ウィークにミラノを賑わす大規模なデザイン・コミュニティに捧げられた写真による調査で、サローネが国際的な魅力の強力な原動力となっているイベントと地域との強い結びつきを記録した「顔」の地図帳であると同時に、ミラノ・デザインシステムの総合的な表現でもあり、世界でもユニークなイベントの歴史的なルーツを作り出しています。
【文化イベント】
エディトリアル・ディレクター兼文化イベント・アドバイザーのアンナリーザ・ロッソ/Annalisa Rossoがコーディネートした新しいカルチャープログラムは、大好評を博しました。2024年の主役、3つの大きなインスタレーションのひとつは、「Interiors by David Lynch. A Thinking Room(デヴィッド・リンチによるインテリア。考える部屋)。このプロジェクトのキュレーターであるアントニオ・モンダ/ Antonio Mondaによれば、「思考を実現するための場所」であり、ミラノのピッコロ・テアトロのラボラトリーの協力を得てロンバルディーニ22によってデザインされた貴重な「コンテナ」の中で形作られました。アキュラット/ Accurat、デザイン・グループ・イタリア/ Design Group Italia、エミリアーノ・ポンツィ/ Emiliano Ponziによる「Under the Surface (アンダー・ザ・サーフェス)」は、国際バスルーム見本市の中心に海の底の島が設置され、地球上で最も貴重な資源である水を守るための新たな解決策を模索する同分野の取り組みが紹介されました。3つ目は、「All You Have Ever Wanted to Know About Food Design in Six Performances(6つのパフォーマンスでフードデザインの全てを知る)」というタイトルで、6日間にわたるパフォーマンスと6つの独立系国際雑誌によるプレゼンテーションを通して、デザインのテーマとしての食に関する様々な考察を体験的に共有しました。
【トークイベント】
Drafting Futures. Conversations about Next Perspectives(未来を描く。次なる展望についての対話)では、プリツカー賞受賞者のフランシス・ケレ/ Francis Kéré、ジョン・ポーソン/ John Pawson、デヤン・スディッチ/ Deyan Sudjic、ジャンヌ・ギャング/ Jeanne Gang、ヨハンナ・アガーマン・ロス/ Johanna Agerman Ross、そしてハンス・ウルリッヒ・オブリスト/ Hans Ulrich Obristが、フォルマファンタズマによって再生されたアリーナで開催され、サローネのマリア・ポッロ代表との対話でプログラムを締めくくりました。
【ラウンドテーブル】
ジェノヴァ国際ボートショーとの協力によるボートとデザインの関係、人工知能の可能性とリスク、ホスピタリティ部門の新展開、インテーザ・サンパオロ/ Intesa Sanpaoloとの協力による業界のマクロトレンド、イソップ/ Aesopとの感性の旅など、この部門にとって重要なトピックだけでなく、権威ある人々がオープンなディスカッションを行い、アリーナを活気づけたラウンドテーブルのサイクルも大きな関心を呼びました。
【サローネ・ライブラリー】
2024年のトークイベント参加者が推薦する150以上の書籍は、フォルマファンタズマがデザインしたアリーナで、未来についての学際的な考察を共有することができました。このイニシアチブは、現代思想の優れた共有ライブラリーを構築するために、今後も継続される予定です。これはモバイルブックショップ・コライーニの理念に基づき100を超える国際的な出版社のセレクションがサローネに持ち込まれました。
【サローネサテリテ/ SaloneSatellite 25周年】
今年もサローネサテリテは、600人を超える若手デザイナーの創造性に光を当て、トークセッション、ラウンドテーブル、ピンポンゲーム、そしてミラノ・トリエンナーレでの大規模な展覧会(4月28日まで一般公開)で、25周年を祝いました。ベッペ・フィネッシBeppe Finessiがキュレーションし、リカルド・ベッロ・ディアス/ Ricardo Bello Diasの空間構成によるサローネサテリテの25年。35歳以下の若手デザイナーがサローネサテリテで発表したプロジェクトのセレクションが、マルヴァ・グリフィンの壮大な「発明」の変遷を記録したダイアリーとともに展示。14,000人を超える若い才能が、デザインの歴史を刻んできたブランドとともに出展することを可能にした、思考、人間関係、プロジェクトのトレーニングの場であり、第62回ミラノサローネのキーワード「進化」の価値を改めて確認することができます。
第63回ミラノサローネは2025年4月8日から13日まで開催予定です。
> サローネ・デル・モービレ(ミラノサローネ国際家具見本市)公式ホームページ
About Milano Design Week
毎年4月にイタリア・ミラノで行われる世界最大規模のデザインイベント。会場の中心は、ロー市にある東京ドーム11個分の広さをもつと言われる巨大展示場「フィエラミラノ」で開催の、略称でミラノサローネとも呼ばれているサローネ・デル・モービレ・ミラノ(ミラノサローネ国際家具見本市)。毎年1400を超える企業と500名を超える若手デザイナーが出展し、国内外から約40万前後の来場者がある。最先端のデザイン、インテリアが集まる国際的なイベントとして世界の注目を集めている。それに対して、ミラノ市内各所で行われるデザインイベントがフォーリサローネで、ミラノサローネとフオーリサローネを総称して「ミラノ・デザイン・ウィーク」と呼ばれている。現在活躍している多くのデザイナーやメーカーは、このイベントの出展から世界へと羽ばたいている。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日:2024.04.23)