【インタビュー】 世界に挑戦し続ける日本企業「maruni」マルニ

  HIROSHIMA

HIROSHIMA

 

  TRADITIONAL

Traditional


普遍的で飽きのこない、しかも上質な家具のコレクションである。人々の暮らしのなかで長く愛されること間違いなし。主張し過ぎず、しかし、しっかりした個性がある。すっきりとしていて上品、優しさと温かさも漂う家具。すでに定番の風格すら漂う。椅子やソファの座り心地は抜群である。すごくシンプル、しかしよく見ると彫刻的な美しさをもつ椅子。無駄を一切省いたテーブルと椅子シリーズ。脚部のわずかなカーブが繊細な印象を醸し出している。

これは、「HIROSHIMA」「TRADITIONAL」の各シリーズが発表された当初からいままで、いろいろなところで言われ続けている評価コメントです。

「*Yチェアを超える椅子をつくろう」と深澤さんに言われ、それに挑んできましたが、HIROSHIMAはそれをいつか「超える」椅子になると思っています。困難な量産を克服したおかげで、価格もYチェアと勝負できる金額で出荷できるようになりました。

HIROSHIMAのアームチェアは、製造を始めた2008年当初、月に40脚程度しか出来ませんでしたが、数を重ねるうちに職人の手が「線を溶かしていく」ような感覚を身につけていきました。そして、5年後の2013年3月には472脚、4月には721脚も出荷することができました。その後、職人たちは腕を磨き、様々な生産設備の改善を進め、しかも生産性を下げることなく、むしろ逆に生産性を上げて期待に応えてくれています。

 

この生産脚数こそが、2013年5月15日マルニ木工東京ショールームの新作発表会場で来場者からの感嘆の声が上がった理由です。特にこの家具製作が非常に困難を極めることがわかっている業界のプロたちにとって、まさに驚くべき数字だったのです。

 

 

*Yチェアとは・・・・デンマークのデザイナーハンス・J・ウェグナーのベストセラーのチェア。ペーパーコード座面と背を支える支柱がYの字が特徴。
 

 


  マルニ木工 HP
  http://www.maruni.com/jp/

 

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2013.08.12)

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