中古住宅購入から完成まで
リノベーション体験記vol.15―着々と進行中…のはずが
床が傾いていた!?
【2/10 現地打ち合わせ】
着工から約1ヶ月。わが家のリノベーション計画のメインである、フローリング張り替え、引き戸新設、収納製作などの木工事が、着々と丁寧に進んでいます。
工事の経過を少しご紹介しましょう(特記のない画像は、打ち合わせのあった2/10かその近辺の様子です)。
# 中古住宅購入から完成まで リノベーション体験記 vol.1~17
画像左:和室の天井に貼られていたプリント化粧合板をはがしたところ。これは1/30ごろの様子。これから向かって右側に5枚引き戸のついたクローゼットを作り、天井にはシナベニヤ合板を貼ります。
画像中央:窓のすぐ手前にクローゼットの側壁を立て、5枚引き戸のための鴨居を作ったところ。もともとあった長押は外され、天井の下地は組み直しされています。2/5撮影。
画像右: この後ここに金属製のV型レールを埋め込み、樹脂製の戸車のついた5枚引き戸を取り付けます。これも2/5撮影。
画像ともに:フローリング材をカットしているところ。
画像3枚とも:既存インターホン、電話台付近。インターホンがつく壁のみ残され、他は撤去されています。ここに、あえて壁際に寄せず空間の中央に残した電話カウンターが新たに作られる予定。
画像左:2/10、和室の床の間と押入れを撤去して、廊下に面した壁も抜いたところ。床の間の後ろにあった配管が露出しています。これからこの配管を新しい壁で囲い、その隣に引き戸をつくるところです。
廊下の床が傾いていた!
そういえば、この壁を抜いた時に、ちょっと衝撃的な事実が発覚したのでした。和室の室内の床と廊下の床との間に、本来あるはずのないわずかな「段差」があったのです。
つまり、廊下の床が若干傾いていたのです。
リビング側から奥の個室の方へ進むにつれて、少しずつ低くなっていき、結果的に個室の床はリビングの床より9ミリほど低くなっていました。リビングダイニングの床と、2つの個室の床はそれぞれほぼ水平でした(平面図参照)。
なぜそんなことになっていたのでしょう。
「25年前の新築時の施工精度が悪く、コンクリートスラブとフローリングの間の床下地が傾いていた」というのがその理由です。廊下と和室はもともと壁で仕切られていたので、誰もそのことには気づかなかったのです。
これを直したければ、床の合板を剥がし、下地から全てやり直さなければなりません。大変な時間とお金がかかってしまいます。なので、床の傾きはそのままにしておくことに。
廊下に面している引き戸は当初、クローゼットと同じように床にレールを埋め込みその上を走らせる予定でしたが、床が傾いていたのでは上手く納まりません。そこで、天井にレールを埋め込んだ細長い木の部材をつけて、そこから引き戸を吊る方式に変更になりました。そしてわずかに段差のできた床については、間に木製のスロープを入れることで、つまづきを防ぎます。
このように廊下に面した引き戸は全部吊引き戸に変更しました。特に追加費用は発生しませんでした。
「まさかの欠陥住宅!?」募る不安
引き戸の仕様が変わった、なんていうことは全く問題ないのです。むしろ吊引き戸にして、デザインがすっきりしたのでよかったと言ってもいいくらいです。
けれど、「床が傾いてる」なんて言われたら、充分な知識のない普通の施主ならパニックになりますよね。
心配性な私は、「床下地の施工精度が原因で建物自体に問題はない、とM先生は言うけれど、もしかしてスラブが、あるいは建物自体が傾いているってこともないとは言い切れないでしょ…大丈夫かな…」と、しばらくの間不安が止まらなくなりました。
「何らかの理由で、コンクリートスラブ自体が傾いている、という可能性は0ですか?」と聞いてみたのですが、返ってきたのは「あまりないと思います」という、ものすごくシンプルな答え。
結局は、「もし、例えば不同沈下※1など何らかの原因で建物の完成後にスラブ自体が傾いていたとしても、リビングダイニングは水平、廊下が緩やかに下がっていて、奥の2つの個室はまた水平なんて、そんな規則的な傾き方はしないよね…」と、半ば無理やり自分を落ち着かせたのでした。
※1不同沈下…建物の下の地盤が均一でなかったり、基礎の支持力が足りなかったりということが原因で、建物が傾いて沈むこと。ひどくなると建物に大きなダメージを与え、基礎や壁、梁などのひび、建具が開け閉めしにくい、隙間風が入る、など様々なトラブルを引き起こす。
それにしても、購入前の住宅診断でそのことを教えてもらえなかったことは残念です。「構造に問題がある可能性は低い」ということも含めて、きちんと説明してほしかったな、と思います。こういう不安をきちんと解消しておくための住宅診断だったのに…。
次回へ続きます。
※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-1 / 更新日:2015.07.26)