【コラム・レポート】
良品計画とAirbnbの共同プロデュースからみる
今後の本格的なインバウンド旅行客の観光需要回復
株式会社良品計画と世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームAirbnb 日本法人は、今後の本格的なインバウンド旅行客の観光需要回復に備え、全国の空き家や遊休不動産、自治体所有の施設等を共同プロデュースの包括連携協定を締結包括連携協定を締結しました。
全国の空き家や遊休不動産、自治体所有の施設等を共同プロデュースで地域の活性化につながるこの取り組みは、インバウンド需要だけでなく、日本国民の需要を高めることで、地方経済から日本経済の本格的な回復につながると思わせるものです。
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無印良品を展開する株式会社良品計画と世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームのAirbnb 日本法人は、2022年9月1日(木)、全国の遊休不動産の共同プロデュースを行い、日本の宿泊施設の多様化と地域のにぎわいづくりに寄与することを目的に包括連携協定を締結しました。
両社は、全国各地の空き家や商店街の空き店舗、日本の伝統古民家や、地方自治体が所有・管理する住宅等の共同プロデュースを行い、双方の強みを生かしながら新たな価値を吹き込むことで、多様性に富んだ宿泊施設をAirbnbのプラットフォーム上で国内外の旅行者が予約できるようにしていきます。
第一弾として、Airbnb が6月に連携協定を結んだ北海道清水町
第一弾として北海道清水町の移住体験住宅(旧教員住宅)を、現地に暮らすような宿泊体験ができる空間としてインテリアコーディネートおよびリノベーションを実施。今後、日本全国の古民家などの地域資源を観光コンテンツ化し、地域の活性化に繋がる取り組みを実施します。
(https://news.airbnb.com/ja/shimizutown_hokkaido_partnership/)が管理する移住体験住宅(旧教員住宅)3軒について、良品計画がインテリアコーディネートおよびリノベーションを実施。移住体験住宅施設として使われている施設に、家具に加えて食器、調理器具、家電など無印良品の日用品をセットします。
限られた荷物で訪問することができ、地元に暮らすような宿泊体験、移住の検討時間が充実する施設として改修します。また、多様化する働き方に対し、移住検討のポイントにもなる快適な広いワークスペースも確保します。
北海道清水町により運営される良品計画とAirbnb の共同プロデュースした宿泊施設
(9月13日より予約開始)
● 移住体験住宅清水2号/1DKの貸切一軒家/ 北海道十勝清水町/ MUJI のインテリア
https://www.airbnb.jp/rooms/696655454504902803
● 移住体験住宅清水3号/2DKの貸切一軒家/ 北海道十勝清水町/ MUJI のインテリア
https://www.airbnb.jp/rooms/696730123506975965
清水町の魅力を発信する拠点として、9月13日からまずは良品計画がインテリアコーディネートした2軒をAirbnbに掲載、同日から予約開始とし、国内外の旅行客による利用を促進していきます。さらに来冬には、良品計画がリノベーションした施設をAirbnbに掲載予定です。この宿泊施設は、「日常の家」をコンセプトに、地元の食と団らんを楽しむキッチンとテーブルを中心に配置し、睡眠、くつろぐ、働くなどの日常生活を快適に過ごせるようプランニング。また、造作家具には北海道産の木材を使用する予定です。
連携事項:
1.全国の遊休不動産を共同プロデュースし、不動産のアップサイクルを行う
全国各地で社会問題化している空き家やシャッター商店街の空き店舗、日本の伝統住文化である古民家、地方自治体が所有する行政財産等の共同プロデュースを行い、不動産の価値を高め、再活性化を図ります。
2.全国各地で多様性に富む宿泊施設の開発を行う
双方のアセットやノウハウを活かし、全国各地で多様性に富む宿泊施設の開発を行い、地域のにぎわいづくりに貢献します。
3.観光コンテンツとしてオンライン化し、国内外への情報発信を行う
アップサイクルした不動産を多様性に富む宿泊施設として観光コンテンツ化。上記2.の取り組みで共同開発した宿泊施設と共にオンライン化し、双方のネットワークを活用し、国内外のユーザーへの情報発信を実施します。
今後の予定(来年以降):
○ 北海道清水町の移住体験住宅(旧教員住宅)を共同プロデュース、宿泊予約開始
○ 全国の自治体向けの説明会、近隣ホストコミュニティ向けセミナーを順次開催予定、今回の取り組みに関する特設サイトの開設
提携期間(1 年)
開始:2022年9月1日
終了:2023年8月31日(以後、自動更新)
<良品計画について>
株式会社良品計画は、「無印良品」の企画、商品開発、流通・販売までを行う製造小売企業です。現在、32の国・地域に1000店舗以上を展開しています。「無印良品」は1980年のスタート時から、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの視点をもとに、十分な品質と低価格の双方を実現する簡素で気持ちいい商品を生み出してきました。良品計画は、日常生活に不可欠な商品・サービスを一層充実させるとともに、全国津々浦々どこでも手軽に商品とサービスが入手できる状態を作ることで、企業理念である「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指しています。
<Airbnb (エアビーアンドビー)について>
Airbnbのコミュニティは、2人のホストがサンフランシスコの自宅に3人のゲストを迎えた2007年に生まれ、以来、ホスト数は400万人に増え、世界中のほぼすべての国と地域にわたる約100,000都市で、10億人を超えるゲストをお迎えしてきました。Airbnbのホストは、今日もまたオリジナリティあふれる滞在とユニークな体験を提供しており、ゲストが心のつながりと居心地の良さとともに世界を体験することを可能にしています。
※「Airbnb」「エアビーアンドビー」「エアビー」の各名称およびロゴはAirbnb Inc.の登録商標です。
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今後の日本への本格的なインバウンド旅行者増加による観光需要回復に備え、両社は包括連携協定を締結しました。
日本全国の地域資源を活用し、利用価値を高めた遊休不動産を観光コンテンツ化、国内外のユーザーへ発信するなど、地域の活性化につながるこの取り組みは、インバウンド需要の回復だけでなく、日本国民の需要を高めることで、地方経済から日本経済の本格的な回復のきっかけになるのではと思わせる内容です。
外国人観光客の受け入れ再開で今後の観光産業復興の期待が高まってきている中、今年5月に世界経済フォーラム(WEF)が発表した2021年の旅行・観光競争力ランキングで日本は初めて首位に立ちました。コロナ禍で外国人観光客の受け入れ停止が続いた中でも、日本ならではの観光資源の豊富さ、交通・宿泊等のインフラや文化面での豊かさが評価されています。
一方世界は、ロシアのウクライナ侵攻の影響でエネルギー不足にあえぐEU欧州、金融引き締めでインフレが収まらない米国、ゼロコロナ政策と不動産価格下落、政治体制の不安定で悪循環の中国経済失速など、日本経済にも大きく影響をしてくる暗いニュースばかりで、明るい話題はまだまだ聞こえてきません。すぐにインバウンド需要をコロナ渦前に戻すのは難しいようです。
すでに個人旅行客が自由に行き来できるようになっている国も多いなか、秋冬の観光シーズン前に1日の入国者数の上限撤廃や個人旅行の解禁、訪日ビザの免除などを検討し、インバウンドの受け入れ拡大を早急に図りたいと政府は発表しました。その考えは経済活性化のために必要なことです。
これからの日本は、味覚や紅葉の秋からパウダースノーが広がる冬へと、インバウンド旅行者にとって魅力満載の季節になります。
ですが、まずはコロナ渦で苦しんでいる国民のために、GO TOトラベルの再開や約30兆円の需給ギャップを埋める政府の景気対策を示してほしいものです。これまで多くの日本国民は我慢を強いられて、自分たちの国である日本の美しい秋を十分に楽しんでいません。内需拡大は経済復活に大きく役立ちます。日本に外貨をもたらすインバウンド需要の回復は確かに必要ですが、ビザなし入国の門戸を開くのは、それからでも遅くないのではないでしょうか。
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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2022.09.14)