インテリアの知識 家具Vol.3 ~椅子の構造と加工~

インテリアの知識 家具 Vol.3 ~椅子の構造と加工~

お店や住空間、ホテル、公共の施設など、インテリアのプロフェッショナルが作り上げる空間は、華やかさや安らぎ、そして居心地の良さを感じることができ、心を豊かにしてくれます。ここではそのインテリアのプロフェッショナルを目指す人のための『インテリアの基礎知識』をご紹介します。

生活の中でかかすことのできない家具の数々、なかでも椅子は人間の体を支え、まず安全性が問われる重要な家具です。作り手により細かい部分は異なりますが、ここでは基本的な椅子の構造をご紹介します。また、様々なデザインを可能にしてきた、椅子の加工技術についても見て行きます。

 

◆ 椅子の基本構造

椅子各部の名称椅子の各部名称

椅子の張り

椅子の張り椅子張りの構造を分けると3つになります。

 ① スプリング等の下地
 ② クッション部分
 ③ 上張り

スプリング材には、ゴム編みベルト、金属S字バネ、コイルスプリングなどが使用されます。クッションにはウレタンフォームが一般的です。その上の張り地は布地、革、ビニールレザーなど様々なものがあります。
 

継手

継手木製の椅子では各パーツが継ぎ合わさり1体の椅子を作り上げます。継手の完成度によって製品の強度や耐久性を左右します。

左の図は代表的な継手です。
 


◆ 椅子の加工技術

曲げ木曲げ木

ミヒャエル・トーネットによって編み出された木の加工技術で、それまでは直線状でフレームの形状を作ってきた椅子に曲線が取り入れられるようになりました。
 

成型合板成形合板

薄く切った板を接着剤で貼り重ね合わせ、熱圧接着させることで1体の合板を作る加工技術です。圧着させる際に型を使用し様々な形状の曲面を作り上げることが可能となりました。

一枚板と違い品質が均一で強度が高く、歪みや反りが出にくくなります。また、合板の表面・裏面のみを高価な仕上げ用の素材を使うことでコスト面的にも一枚板と比べて安価になります。
 

スチールスチール

金属の剛性と粘性を生かして昔からフレームや脚部に用いられてきました。

また、全体をスチール素材でつくり金属そのものの美しさに焦点をおいたものもあります。
 

プラスチックプラスチック

熱を加えると固まる熱硬化性樹脂と、冷やすと固まる熱可塑性樹脂の2種類があります。熱硬化樹脂の素材としてポリエステルではFRP(強化プラスチック)、ポリウレタンでは発砲ウレタンや塗料、メラミンなどがあります。熱可塑性樹脂では射出成形されるポリプロピレンが代表例です。

大戦中に開発され強度が高く軽量なFRPはかつては様々な椅子で使われていましたが、リサイクル・廃棄の難しさから現在ではポリプロピレンが用いられるようになってきています。

プラスチック一体成形で有名なパントンチェアもかつてはFRPでしたが、現在ではポリプロピレンの射出成形によって作られています。
 

次回は、ソファの構造について見て行きます。

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2013.07.06)

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