各国のインテリアデザイン・プロダクトデザイン・グラフィックデザイン・インダストリアルデザイン業界の有名デザイナーを紹介していく、「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ。
第8弾は、スウェーデン女性のデザインユニット、FRONTです。
<経歴>
スウェーデン人、Sofia Lagerkvist, Katja Savstrom, Charlotte von der Lancken, Anna Lindgrenの女性4人組みのデザイングループ。現在は、3人組になっています。
学生時代は、4人とも別々のデザインを学び、その後コンストファック国立芸術デザイン大学インダストリアルデザイン科在学中に初めて出会い意気投合し、フロントとして活動を始める。
大学院でインダストリアルデザインをその後、2003年に、ストックホルムでfront を結成。彼女達は、全てのプロジェクトやデザインにおいて、アイデアを出す、そこに至るまでの様々なトッピクスを探るところなどから、形にするところまで、一貫して全員で創っています。
2010年のミラノサローネでは、カルテルより「Front Page」とモローゾより、「Wood chair」を発表。
「Front Page」は、風でめくられている雑誌のページを表現したマガジンラック。「動き」を表現するためにパラパラとめくられている本の形にした、自分自身の本を作ってほしいと思って作製した。
ビーチウッド材のビーズがたっぷりと座面を覆う「Wood chair」。まるで石けんが泡だち、椅子からこぼれそうな様子を表現したといいます。
座るとビーズがごりごり当たって、血行がよくなりそうですね。それもそのはず。タクシードライバーのシートから着想したといいます。「健やかであること」をこの意表をつくデザインのテーマに選んでいます。
FRONTは、今まで、動物の行動や、その結果により生じた出来事などをアイデアに家具やプロダクトをデザインしたり 外的要因から決定されてしまったモノやコトの一部を、また変わりゆくプロダクトの動き、プロダクトのもう一つの機能、また コンピューターゲームの中に存在しているだけの、そんなものたちを彼女達はデザインにより表現してきました。
その作品で話題を呼んだのは、こちらの「Sketch Furniture」。
空中にフリーハンドで描いたスケッチがラピッドプロトタイピングでモデリングによって、そのまま椅子やテーブルになる、という画期的なアイディアを実現したものです。
実際に「Sketch Furniture」を作製しているところが、こちらからご覧になれます。
>>http://www.youtube.com/watch?v=d3Z1m-G-Tbo
Frontの作品には、このほかにも、「あれ?デザインって何だっけ?」と問いかける、ユニークな作品が多い。例えば「Design by Animals」シリーズ。これは、動物達を「デザイナー」として起用して完成した作品。
こちらは、ヘビには粘土にとぐろを巻いてハンガー棒をデザインしてもらったもの。
動物モチーフのこちらのランプも魅力的です。
実物大の馬や、トレイを頭に載せたブタなどがシリーズにある、Animal Thing シリーズより。馬やウサギがお部屋を照らしてくれたり、ブタがお客様にお茶を出してくれるそんな、童話のようなシリーズです。
また視覚と触覚の違いにおける差を表現した「Soft Wood Sofa(ソフトウッドソファ)」
堅い木のベンチのように見えて、実は木目プリントのテキスタイルで覆われた柔らかなソファ。
最後にご紹介するのが、2007年に21_21DESIGN SIGHTで行われた「チョコレート展」のために製作された『changing vase(チェンジングベース)』。
異なる柄をプリントした何層ものアルミホイルで包まれたガラスの花びん。
ホイルを1枚めくると隠れていた柄が現れます。クリスマスのサンタチョコやイースターのウサギチョコなど、「そのまま飾っておきたいけれど、チョコは食べたい。
食べるためにはラッピングをむかないと......」というチョコレートを巡る幼い頃のジレンマを表した秀作です。
これからも目が離せないFRONT。女性ユニットならではの、発想とデザインにこれからも注目したいです。
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2011.01.16)