現代のプロダクトデザイン-Made in Japanを生む

現代のプロダクトデザイン-Made in Japanを生む現代のプロダクトデザイン-Made in Japanを生む
PRODUCT DESIGN TODAY: Creating "Made in Japan"

 

日本には、多様な自然風土があり、生活文化が育まれているのと同様に、陶磁器や染織品、漆木工品、金工品など、さまざまな伝統の工芸や地域に根づいた手工業が息づき発達してきました。ものづくり文化の基盤を支えるそれらの特有の技術に着目したプロダクトデザイナーは、現代の生活に提案し得る新たな道具を企画し、デザイン開発から生産、さらには自ら製品発表や普及・流通に携わっています。そこでは、デザイナーと地場の製造技術者らが親密に協同した新たな開発があり、使い手との関係も深めつつ、生活を潤す道具が生産されています。
本展覧会では、日本の優れたものづくりを担う気鋭のプロダクトデザイナーに注目し、いわゆる今日のMade in Japanを生みだすさまざまな道具が展示されます。

現代のプロダクトデザインを代表する小泉誠は、生活の道具から家具・インテリアまで多種な活動を展開し、東京の技術者らと協同した特有の温もりのあるホーローの鍋やケトルのシリーズをはじめ、磁器や鋳物製品、漆器、木工品等で、現代の生活感覚に見合う清新なデザインを発表しています。城谷耕生は、ミラノでフリーランスデザイナーとして活動を開始して後に長崎に拠点を移し、別府の竹製品や波佐見の磁器、小石原の陶器など、主に九州の手工業からのデザインにより広く国内外で活躍してきました。大治将典は、有田の磁器や高岡の真鍮鋳物、輪島の漆木工品、旭川の薄手のロクロ挽き木工品など、精力的に地場の工芸家や技術者らと協同開発に努め、使い手への働き掛けも積極的に行っています。テキスタイルデザイナーの須藤玲子は、糸、布素材、織の構造と加工法に基調をおいて、オリジナルのほか、桐生、福井、京都等各地の技術者らと協同した多種多彩な布や織を生み出し、衣類・雑貨に製品化して生産と発表活動を繰り広げています。あわせて、新進の若手デザイナーを取り上げ、身近な製品デザインで集ったセンヌキやテーブルウェアなどを紹介、これからのプロダクトデザインの将来とその可能性を検証します。

 

デザイナー紹介

 

| 小泉 誠 1960- |

東京都生まれ。原貼英、原成光両氏に師事。コイズミスタジオ設立。
2003 年にデザインを伝える場として、こいずみ道具店開設。著書に『デザインの素』(ラトルズ)『と/to』(TOTO 出版)。

左)《kaico ケトル》2005年・個人蔵
右)《makiji お弁当箱》2008年・個人蔵

 

《Aptenia》2006年・個人蔵《makiji お弁当箱》2008年・個人蔵


 

| 城谷 耕生 1968- |

長崎県生まれ。ICS カレッジオブアート インテリアデザイン科卒業。フリーランスデザイナーとしてミラノを拠点にアートディレクターを歴任後、帰国。STUDIO SHIROTANI 設立。

左)《Aptenia》2006年・個人蔵 ©久高良治
右)《Carrara フリースタンド》2008年・個人蔵 ©久高良治

《Aptenia》2006年・個人蔵 ©久高良治 《Carrara フリースタンド》2008年・個人蔵 ©久高良治


 

| 須藤 玲子 1953- |

茨城県生まれ。武蔵野美術短期大学専攻科修了。武蔵野美術大学テキスタイル研究室助手を経て、株式会社布(NUNO)設立に参加。
2005 年英国UCA 芸術大学名誉博士。

《和紙垣》2013年・個人蔵 ©Sue McNab

《和紙垣》2013年・個人蔵 ©Sue McNab


 

| 大治 将典 1974- |

広島県生まれ。広島工業大学環境学部環境デザイン学科卒業。Mng(現在はOji & Design に社名変更)設立。
2002 年有志と、作り手・伝え手・使い手を繋ぐ、ててて協働組合発足。

左)《鍋敷き 月、太陽、銀河、星》2009年・個人蔵
右)《Kakudo ボード、Kami プレート》2008年・個人蔵

《鍋敷き月、太陽、銀河、星》2009年・個人蔵《Kakudo ボード、Kami プレート》2008年・個人蔵


 

| センヌキデザインプロジェクト |

6 名のデザイナーが様々な素材でつくるセンヌキ。2009年から、センヌキとビール、グラス、料理の相性を試せるイベント等を主催。

大治将典(同上)
小野里奈 1975-/rinao design
増田尚紀 1949-/鋳心ノ工房
山崎宏 1970-/ヤマザキデザインワークス
山田佳一朗 1973-/KAICHIDESIGN
吉田守孝 1965-/ヨシタ工業デザイン室

 

《センヌキ各種》2009年・個人蔵

《センヌキ各種》2009 年・個人蔵


 

開催概要

会場:東京国立近代美術館 ギャラリー4
会期:2013年11月1日(金)~2014年1月13日(月)
開館時間:10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(12月23日、2014年1月13日は開館)、12月24日(火)、年末年始(12月28日(土)―1月1日(水・祝))
観覧料:一般420円(210円)/大学生130円(70円)
*( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
*高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。
*それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
*お得な観覧券「MOMATパスポート」でご観覧いただけます。
*キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。
*入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます。
無料観覧日:2014年1月2日(木)、1月5日(日)
主催:東京国立近代美術館

http://www.momat.go.jp/

 

(文:制作 PR-N_PR制作部-3  /  更新日:2013.12.24)

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