金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所
バタフライスツール 60周年記念 企画展
“BUTTERFLY STOOL 60th” 開催
金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所、柳工業デザイン研究会は、2017年6月6日(火)- 7月17日(月・祝)まで、金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所にて「柳宗理 バタフライスツール60周年記念企画展“BUTTERFLY STOOL 60th”」を開催します。
柳宗理デザインの「バタフライスツール」は、2016年に60周年を迎えました。1956年第一回柳工業デザイン研究会展(松屋銀座)で発表されて以来、多くの人々を魅了し続けてきたこの椅子は、世界の家具史においてもアイコン的存在となり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やルーブル美術館など各地の美術館にも収蔵されています。
「バタフライスツール」の印象的で軽やかなフォルムは、手遊びのように紙を折り曲げる中でうまれました。柳はこのかたちを実現させるため、仙台の産業工芸試験所で成形合板の研究をしていた乾三郎氏のもとを訪ねます。乾氏の協力で、当時の企業として日本で初めて成形合板を実用化した天童木工と研究・開発を行うことになり、数年の試行錯誤を経て1956年の発表を迎えました。「デザインはひとりでするものではない」という柳の言葉に現れるように「バタフライスツール」はデザイナーとメーカーの協働によって完成したのです。
本展では、発表当時のオリジナルを含む様々な「バタフライスツール」を展示し、その60 年の歩みを振り返るとともに、成形合板技術についてもご紹介します。
(C)Yanagi Design Office
椅子のスタディモデル (C)Yanagi Design Office
提供:株式会社天童木工
・成形合板と天童木工
「成形合板」とは、丸太をカツラ剥きのように薄くスライスした材料を使い、接着剤を塗布してから重ね合わせて型に入れ、圧力と熱を加えてさまざまな形に成形する技術です。繊細なデザインと十分な強度を併せ持った木製品をつくることができます。日本では、山形県にある天童木工が戦後まもなく実用化し、多くの建築家やデザイナーたちのイメージを具現化してきました。それらの多くは名作として現在でも称えられ、バタフライスツールはその代表として世界中で知られています。
<展示構成>(予定)
1.バタフライスツール製造工程(映像有り)
2.各年代のバタフライスツール
3.バタフライスツール/天童木工/国内外のプライウッド作品等の年表
4.産業工芸試験所と乾三郎について
5.柳宗理のプライウッドチェア、国内外のプライウッドチェアの紹介*
*金沢会場のみでの展示となります。
主な展示品(予定)
1956年発表時のバタフライスツール、アクリル製バタフライスツール
バタフライスツール旧大(1965年)、バタフライスツール新大(1992年)、
Vitra 版バタフライスツール、バタフライスツール(現行)
<関連イベント>
会期中講演会とギャラリートークを予定
講演会講師未定*決定次第公式サイトにて発表
・柳宗理(1915-2011)
インダストリアルデザイナー。戦後間もなくデザインの研究に着手し、1953年財団法人柳工業デザイン研究会を設立。家具やキッチンツールなどの生活用品から大型公共構造物まで手がけ、東京・札幌のオリンピックデザインにも参加した。デザイン活動のかたわら、金沢美術工芸大学など多くの学校で長年にわたり教鞭をとる。1977年より約30年にわたり日本民藝館長も務めた。2002年文化功労者として顕彰される。
【開催概要】
柳宗理 バタフライスツール60周年記念企画展
「BUTTERFLY STOOL 60th」
会期:2017年6月6日(火)-7月17日(月・祝)
休館日:月曜日 7月17日(月・祝)は開館
開館時間:9:30-17:00
入場無料
会場:金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所 展示資料室2
所在地:920-0902 石川県金沢市尾張町2-12-1
TEL:076-201-8003
FAX:076-201-8004
主催:金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所、柳工業デザイン研究会
後援:Casa BRUTUS
協力:栃木県立美術館、Vitra
特別協力:天童木工、ケイズデザインラボ
*本展は東京・大阪等を巡回する予定です(会場未定/決定次第公式サイトにて発表)
公式サイト https://www.butterflystool60th.com/
(文:インテリア情報サイト編集部-1 / 更新日:2017.05.11)