ミラノサローネ2011 出展企業特集3

 

「モノ」のはじまりから終わりまで見据えたデザインを
〜Leif.designpark(リーフデザインパーク)〜


世界的女性ファッション誌「ELLE(エル)」が出版するインテリア雑誌「ELLE DECOR(エル・デコ)」は、日本はもちろん、海外でもインテリア・建築・アートなどのハイエンドな情報が掲載されている雑誌。
現在刊行されている世界24ヶ国の各編集長が選出した若手デザイナー・建築家を集めた「young talents on show 2011」がトルトーナ地区で開催。日本からは「Leif.designpark(リーフデザインパーク)」が選出されました。

推薦された直後のタイミングで、東日本大震災の発生。リーフデザインパークは、ELLE DECOR の協力を得、会場内で義援金の募集を呼びかけました。その際に配布したチャリティバッジのデザインは、同社が担当。訪れる人々の高い関心を集めていました。

海外の家具ブランドにデザイン提供もしているリーフデザインパーク。今回の「young talents on show 2011」では、俳優の伊勢谷友介氏が代表を務める「リバースプロジェクト」の一環として制作したフラワーベース「リバース・ポット」を展示。木質系チップや畳の端材など、有機系の原料を使用した土に還るエコプラスチックでできています。ナチュラル系のアースカラーですが、十角形のシャープなスタイル。デザインは、“今らしい”モダンな形を追求したといいます。一輪挿しとしても、小さなプランターとしても使えるフレキシブルな用途。環境へ配慮しつつ、デザイン性や使い勝手も重視、様々な要素を持った“エシカル(道徳的にかなった)”な同商品は、欧州でも関心が高く、パリのメルシーからの発注も。イギリスの家具メーカー「DE LA ESPADA(デ・ラ・エスパーダ)」から発表している同社ブランドのダイニングテーブルの上に、シンプルに飾られていました。

 

 

どのアイテムにおいても「人の温かみ」を大切にするリーフデザインパークは、人の行為をプロダクトに落とし込むことを大切にしているといいます。今後、作り手・受け手どちらもが変わらざるを得ない社会状況になっていくとの考えから、「デザイナーは、デザインだけすればいいのではなく、企画から最後までを考えてものづくりをしていかなければ」と、同社のディレクター内藤衛氏。

少しの劣化で簡単にモノを捨てていた時代を経て、次のステージへ。「日本でも、意識の高いデザイナーが増えている」という状況に、受け手の消費者もこれまでのモノの選び方を見直す時が来ているのかもしれません。

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2011.05.20)

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