日本の伝統産業と、アートや先端テクノロジーが出合う4日間。
富山県高岡市にて「工芸の未来」を提案するハッカソンを開催
伝統産業の職人、クリエーター、研究者、エンジニア 参加者 募集!!
伝統産業の職人や工芸作家と、エンジニアや研究者、アーティストなど、これまで工芸があまり出合ったことのない多様なジャンルの専門家がチームを組んで工芸の未来を提示する「工芸ハッカソン」を開催します。
「工芸ハッカソン」は、DAY1・DAY2〔2017年9月23日(土)・24日(日)〕とDAY3・DAY4〔2017年11月18日(土)・19日(日)〕の4日間に渡って行います。高岡市の伝統産業ツアーに始まり、ディスカッションから実際のプロトタイプ制作、最後に公開プレゼンテーションを行い、最優秀賞などを決定します。伝統産業の職人と研究者、エンジニアなどが出会い、対話し、共に具体的なアウトプットを模索する一連のプロセス、異分野のクリエーターやを通じて、工芸の価値や課題をあらためて探るとともに、日本のクリエイティブにとっても、未来の革新につながるコラボレーションの創出を目指します。
7月21日(金)よりホームページを公開し、参加者の募集を開始しています。
「工芸ハッカソン」特設ページ → → ☆ ☆ ☆
応募締切:2017年8月27日(日)
| テーマ“工芸を未来につなげられるか?” ~金工と漆芸編~
ライフスタイルの変化、後継者不足、さまざまな困難に直面する日本の工芸。グローバル資本主義社会に生きる私たちにとって、非効率的な手仕事はもはや失ってもよい不要なものでしょうか?工芸の「保存」ではなく、活きた産業になり得るのでしょうか?富山県高岡市には、金属工芸や漆芸の技と心意気を400年以上受け継ぎ、今も奮闘している多くの職人・作家がいます。今回は、この高岡の地で、工芸がこれまで出会ったことのない異分野の方たちとの対話を通じて、その価値や課題をあらためて探ります。
異分野の方たちにとっては、古くて新しい価値観や技術に出合う機会。広く日本のクリエイティブにとっても未来の革新につながるコラボレーションの創出を目指します。
高岡銅器:千数百度の高温で溶かした金属を型に流し込む鋳造法
国の伝統工芸品に指定さる高岡銅器
高岡銅器について
利長公が高岡に城下町をつくる際に、腕利きの鋳物師を呼び寄せたのが始まりです。当初は、鉄鋳物が中心でしたが、江戸時代中頃から銅鋳物も盛んになり、明治期になると高度な技巧を凝らした美術銅器が数多くつくられ、パリ万博で
好評を博し、海外にも輸出され大人気となりました。国の伝統工芸品に指定さる高岡銅器は、現在も全国1位の生産額を誇っています。高岡には鋳造・磨き・彫金などの各工程に、高度な技を持った熟練の職人がおり、近年は現代のライフスタイルに合った新商品の開発も盛んで、その技術が現代のものづくりにも生かされています。
高岡漆器:彫刻や螺鈿細工を施した高度な加飾技術
国の伝統的工芸品に認定されている「高岡漆器」
高岡漆器について
国の伝統的工芸品に認定されている「高岡漆器」の歴史は、利長公の開町に始まり、次々と新しい技法に挑戦し、発展を遂げていきます。彫刻木地に色漆で彩色を施す技法(彫刻塗)や、アワビなどの貝で山水や花鳥などの模様を表現する技法(青貝塗)など、いくつもの工程を重ね、塗りだけにとどまらず、加飾で華やかさを演出するのが高岡漆器の魅力です。
| プログラム
DAY1: 9/23(土) 10:00~22:00
高岡&伝統産業ツアー・チームビルディング
高岡の伝統産業の工房・工場視察や古い町なみ訪問を通じ、工芸の魅力と技術、その背景となった文化、課題を学びます。また、地元の職人や工芸やまちづくりに携わる方の話を聞き、参加者同士のディスカッションを経て、チーム作りを行います。参加者間、そして地元の方たちとの交流を目的としたレセプションパーティーも開催。
DAY2: 9/24(日) 9:00~19:00
アイデアソン
チーム毎にアイデアを深めます。伝統産業のことを熟知した地元のメンターもサポートします。
準備期間:9/25(月)~11/17(金)
技術検証と部品調達(自主活動期間)
DAY3までの約1ヶ月半の間、チーム毎に必要に応じた打ち合わせやSNS上などでのコミュケー
ションを図りながら、具体的な作品制作準備を行います。
DAY3:11/18(土) 10:00~19:00
ハッカソン
再び高岡に集合し、DAY2で出てきたアイデアや準備期間で技術検証されたことや調達された部品をもとに、チーム毎に作品の制作を行います。
DAY4:11/19(日) 9:00~19:00
プレゼンテーション・公開審査会
午前中は審査員へのプレゼンテーションに向けての準備・最終調整をおこない、午後からは公開で各チームからのプレゼンテーションと審査会を行い、最優秀賞などを決定。審査員からの講評もいただきます。
作品展示
2018年1月から開催される「国際北陸工芸サミット巡回展」の中で各チームの作品を展示します。
| 特徴と参加者メリット
「ハッカソン(hackathon)」とは、一般的に、ソフトウエア開発者が短期間にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を集中的に行い、その技能やアイデアを競う催しで、「ハッキング(既成概念を壊す)」と「マラソン」を組み合わせた造語。フェイスブックの「いいね!」やSNSにおける「チャット」「タイムライン」などの機能は、ハッカソンからアイデアが生まれたものとして知られていて、予測を超えた成果を生み出す手法のひとつとなっています。
◎国際北陸工芸サミットを機に、新たな作品制作と展示、情報発信の機会に
◎伝統的な鋳物場や漆器工房に加え、最新鋭の各種マシン・設備が利用可能
◎県外参加者:400年以上続く伝統の技と地域の歴史や文化に触れる
◎地元参加者:最新技術・知見に触れることができる貴重な機会
◎会社や業種を超えた多様な参加者・協力者との出会い
| 審査員
公開審査会では、国内外で活躍する著名クリエーターのほか、高岡市長や、伝統産業に詳しい地元の方々が審査員を務めます。
石橋 素(エンジニア/アーティスト ライゾマティクス 取締役)
1975年静岡県生まれ。東京工業大学制御システム工学科、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業。2015年より真鍋大度とライゾマティクスのR&D・アート部門「ライゾマティクスリサーチ」を共同主宰。デバイス、ハードウェア制作を主軸にアートパフォーマンス、ミュージックビデオ、インスタレーションなど、多領域にわたり活動をしている。アルス・エレクトロニカ、カンヌライオンズ、文化庁メディア芸術祭など受賞多数。
林 千晶(ロフトワーク共同創業者、代表取締役)
早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒。2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間200件を超える。書籍『シェアをデザインする』『Webプロジェクトマネジメント標準』などを執筆。グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材に向き合うコワーキング施設「MTRL」などを運営。MITメディアラボ 所長補佐、グッドデザイン審査委員も務める。2014年に、森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す官民共同事業体「株式会社飛騨の森でクマは踊る」を岐阜県飛騨市に設立し代表取締役に就任。
菱川 勢一(映像作家 / 写真家 / 演出家 武蔵野美術大学教授)
1969年東京生まれ。渡米を経て1997年DRAWING AND MANUALの設立に参加。短編および長編映画の監督・脚本、写真、TVCMのディレクション、TVドラマや番組のアートディレクションを手がけている。主ション、MVでは dj honda、藤巻亮太、K、HYなど。企業広告・TVCMとしてソニー、ホンダ、Panasonic、NTTドコモ、P&G、ティファニー、POLAなど。監督をつとめたNTTドコモ TVCM「森の木琴」がカンヌライオンズをはじめとした20を超える国際的な賞を受賞した。
高川 昭良(高岡市デザイン・工芸センター所長)
1953年生まれ、富山県高岡市出身。1975年、高岡の伝統工芸を支援する公設機関である高岡市商工奨励館に勤務。金属工芸の作品を制作し、グループ展や各種展示会に多数出品。1980年に県デザイン大賞、1981年に県デザイン優秀賞を受賞。1983年「クラフト新人展」(松屋銀座)、1985年「クラフトイン高岡」(松屋銀座)・「とやまのクラフト」(大丸東京)、1995年「富山のデザイン展」(フィンランド・ラハティ)に出品。2013・14年「越中アートフェスタ 立体部門」審査員、2016年「工芸都市高岡クラフトコンペ」審査員。日本クラフトデザイン協会会員、2007年より高岡市デザイン・工芸センター所長を務める。
高橋 正樹 (高岡市長)
1954年生まれ。東京大学法学部卒業。1977年自治省(現総務省)入省。行政改革や選挙制度改革などに携わる。2002年には、新潟県副知事として中越地震の復旧・復興に従事。その後、総務省統計局統計調査部長、大臣官房審議官(税務担当)を歴任し、「ふるさと納税」制度の実現などに携わる。2009年7月高岡市長に就任(現在3期目)。文化・芸術を通じた創造性豊かな地域づくりである「文化創造都市」を推進。2013年富山県市長会会長、2014年全国市長会副会長。
武山 良三(富山大学芸術文化学部 学部長)
富山大学芸術文化学部教授・学部長。1956年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒業後、デザイン事務所経営等を経て1997年より高岡へ、2005年より富山大学芸術文化学部教授、2013年より学部長を務める。「サインデザイン」を専門分野とし、商品開発からブランディング、景観計画まで、トータルな情報デザインを得意とする。地域イベント「金屋町楽市inさまのこ」では、工芸×空間×地域文化を相乗させ、さらに学生の実践教育の場としての「しくみづくり」を行っている。日本サイン学会会長、日本サインデザイン協会副会長、サインデザイン専門誌『signs』編集長、文化・創造都市高岡推進懇話会委員委員長等を務める。
能作 克治(能作 代表取締役社長)
1958年福井県出身。大阪芸術大学芸術学部写真学科を卒業後、新聞社勤務を経て1984年に株式会社能作に入社。2002年に代表取締役社長に就任。2003年より自社オリジナル商品の開発に着手、現在国内に12店舗の直営店があり、アジアや欧米など海外にも積極的に展開している。現在は錫の抗菌性による医療器具の製造にも着手している。本年4月には新社屋が完成し、産業観光に特化した経営を行う。2013年「第5回ものづくり日本大賞 経済産業大臣賞」受賞。2016年「第一回三井ゴールデン匠賞 グランプリ」受賞。2016年革新的な経営により「藍綬褒章」受章。
【開催概要】
「工芸ハッカソン」
開催日:DAY1・DAY2:2017年9月23日(土)・24日(日)
DAY3・DAY4:2017年11月18日(土)・19日(日)
開催地:富山県高岡市
定 員:30名程度
対象者:富山県内の職人や工芸作家および国内のアーティスト(美術・音楽・写真・映像・ダンス等)、
エンジニア、プログラマー、科学者・研究者(人工知能・情報技術・ロボット・新素材等) など
参加費:無料(開催地までの旅費および宿泊費は主催者が負担)
賞・特典:①最優秀賞[1組]30万円、特別賞[1組]10 万円
②巡回展示:高岡市・富山市・魚津市(2018年1月~2月)
主催:富山県/共催:高岡市/企画・運営:(有)エピファニーワークス/アドバイザー:ヴォロシティ(株)代表取締役社長 青木竜太/協力:富山県総合デザインセンター、高岡市デザイン・工芸センター、高岡クラフト市場街実行委員会、高岡銅器団地協同組合
応募締切:2017年8月27日(日)
応募方法:専用応募フォームから必要事項を記載
https://kogeisummit.jp/hackathon/
問合せ先・事務局:(有)エピファニーワークス info@epiphanyworks.net
※参加対象者について;年齢・国籍・プロ・アマは問いません。ただし、基本言語は日本語です。チーム単位での参加も歓迎します。応募多数の場合は、事務局によって職種・専門分野・年齢等のバランスを考慮して参加者を決定となります。
国際北陸工芸サミットについて
文化庁と北陸三県が連携し、北陸の工芸の魅力を世界に発信していく広域的な催しとして、平成29年(2017)年度は富山県で開催します。コア開催期間を2017年11月16日(木)~23日(木・祝)とし、「THIS IS 工芸 ―伝える。創る。―」をテーマに、アワード、シンポジウム、展覧会など、多彩なプログラムで構成されています。
https://kogeisummit.jp
富山県高岡市について
人口約17万人の富山県西部の中心都市。約400年前に加賀藩二代当主・前田利長公によって開かれました。高岡銅器、高岡漆器などの伝統産業と、アルミ・化学・パルプなどの近代産業がともに盛んな、日本海沿岸を代表するものづくりのまちとして発展してきました。高岡城跡、国宝・瑞龍寺、ユネスコ無形文化遺産に選ばれた「高岡御車山祭」、伝統的な町並みなど、歴史的・文化的資産も数多く残され、昔も今も変わらぬ人々の心意気が受け継がれています。
文化創造都市高岡 http://bunkasouzou-takaoka.jp
(文:制作 PR-C_PR制作部-5 / 更新日:2017.07.24)