盆栽
TIME & STYLE × 加藤 蔓青園
日本の美意識を追求するという理念において、日本的室礼(しつらえ)の探求という必然的な課題に直面しました。
これを実現するにあたり、現代の住空間に床の間を再現することは、しかしながら現実的な方法であるとは言い難いものがあります。
日常生活と日本的室礼の共存。この2つの異なる空間性をつなぐ方法はいかなるものであるか。それこそが日本が世界に誇る伝統文化、つまり盆栽であり、二者の架け橋に成り得る盆栽。現代生活様式にも再定義可能なインテリアの要素に違いないと考えました。
盆栽は永い時を経たかけがえの無い命であり、樹齢にして数十年、数百年、長くは千年以上となるものまで存在します。数多くの手による愛情を受け、人の一生を遥かに凌ぐ年月を生き長らえた生命は今日美しい姿で私たちを魅了します。心に残る自然の原風景を想起させる、まさに自然の縮図としての悠久の生命。
加えて、盆栽は鉢と植物の絶妙なバランスが織り成す立体芸術としての顔を持ち、一鉢一鉢が唯一無二の存在感を放ちます。日本画に通ずる鑑賞芸術であり、観る者の審美眼が大いに試されます。
本来盆栽には晴と褻(ハレとケ)の概念により定義される床の間飾り(晴れの日)を構成する要素としての意義があり、盆栽・水石・掛軸から成る床の間飾りは其々の要素を私たちの心に焼き付いた原風景に見立てることで住空間に再現する場、盆栽にとってまさに晴れ舞台と言えます。水遣り、剪定、手間を惜しまぬ手入れの日々(褻の日)ゆえの表舞台。物同士の間に生まれる余白、そこに、心の景色、目に見えぬ景色を見出だし慈しむ。
これまで脈々と培われてきた伝統に対する畏敬の念を抱き、「蔓青園」五代目園主加藤氏と共に、伝統的床の間飾りとタイム アンド スタイルの空間が作り出す空気感、行く先の日本的室礼を提案します。 又、毎日を瑞々しく彩るインテリアエレメントとして盆栽を据え、床の間飾りのエッセンス、その再解釈による現代版設えの提案を試みます。
現代のライフスタイルに調和するタイム アンド スタイルらしい日本的室礼の探求、その先にある景色。インテリアと盆栽、双方の分野にとって未知の領域であり、大きな可能性を秘めた今までに無い取り組みとなります。
夕食を楽しみ、リビングでドラマを観る。そこに一つ、日々大切に手を入れた盆栽を設え愛でる、という選択肢。そんな日本的ライフスタイルが私たちの心の豊かさにつながる一助とならんことを願います。
[開催概要]
期間:2013年10月18日(金)~11月10日(日)
レセプションパーティー:10月18日(金)18:00~20:00
蔓青園 加藤 崇寿 [晴彦]
さいたま市北区盆栽町285
1968年生まれ
現在、蔓青園五代目園主。日本盆栽協同組合副理事長
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Phone:03-5413-3501
(文:制作 TIME & STYLE_PR制作部-1 / 更新日:2013.10.16)