TIME & STYLEミッドタウンからのお知らせです。
鏧子 KEISU
一般的に仏具として知られている鏧子(けいす)。
この代々継承されてきた伝統ある鏧子の存在感と、五感に響く音の心地よさを私たちの暮らしの中で表現します。
会期 : 2014年2月28日 (金) ~ 3月9日 (日)
会場 : TIME & STYLE MIDTOWN
<鏧子づくりの実演>
四代目「昇龍」 島谷好徳氏(伝統工芸士)による、類い稀な手打ちの技をご堪能ください。
日時 : 3/1(土)、3/2(日) 14:00~ 16:00~
入場無料
「訪れ(おとずれ)」は音が連れてくるという「音連れ(おとづれ)」が語源とも言われています。
音がもたらす出来事や気配を人々は古来より知っていたのかもしれません。今ここにある鏧子の音色は、多くの音に溢れているこの世界の中で、きっと人々の心へ穏やかに、それでいて力強く、まっすぐに届くことでしょう。
日本人にとって、鏧子とはまさに「仏具」そのものでした。そして、日本固有のものでした。
タイム アンド スタイルは、形や技法はそのままに、置かれる空間を変え、鏧子を日常の暮らしの中に存在する実用の工芸品「用の美」と捉えました。その物が持つ本当の価値を再認識し、本来の用途とは大きく異なっていたとしても、物や物づくりへの畏敬の念と共に、新たな息吹を吹き込むことが私たちの果たすべき役割であると考えます。
鏧子作りの現場は、当て金や金床という道具の周りに、作業用の椅子が不規則に置かれ、壁面には使い込まれたあらゆる種類の金槌、木槌が整然と並び、職人によってリズミカルに打ち鳴らされる小気味よい金属音が響いています。
永い年月に渡り大切に受け継がれてきた時間によって、仏具という神聖なものを作り続けながらも穏やかな空気に満ちています。
「鳴り出し」という音をつくる調音作業は、一般的に楽器などで行われる音階を変える調律ではなく、鏧子特有のうねりの波長を整える、世界的にも稀有な作業です。この調音によって、柔らかく、心落ちつく音色となります。習得には、師匠が行う調音作業にじっと耳を傾け体得する、とても永い年月のたゆまない修練と繊細な感性が必要とされます。この調音は限られた者にのみ培われた類い稀な技術なのです。
鏧子の音色は使い続けることによって少しずつ変化し、熟成され、そして30 ~ 50 年経った頃に最も美しい音色を奏でると言われています。
真鍮と漆によって仕上げられた重厚なフォルムが醸し出す静かな存在感、心の奥底に響く音色がもたらす厳粛な空気、そしていつまでも続く音の余韻が人々の心を鎮める。そう感じるのは、きっと日本人だけに備わっているものではなく、世界中の人々の五感に響く音色だと信じています。
昇龍 syouryu
「昇龍」は、「高岡鋳物」の名で知られる富山県・高岡にて100 余年、四代に渡り、一子相伝による本手打ち鏧子の伝統技法を今に伝えています。
鍛金技法の手打ちにこだわり、音色にこだわった、日本に残る数少ない工房です。
昇龍の鏧子は、永平寺(福井)、総持寺(神奈川)、総持寺祖院(石川)、南禅寺(京都)など、全国各地の名高い寺院で愛用され、伝統工芸士による類い稀な手仕事を、ここに見ることができます。
TIME & STYLE MIDTOWN
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(文:制作 TIME & STYLE_PR制作部-1 / 更新日:2014.02.27)