資生堂、約100年受け継がれる資生堂書体を立体化
新たな可能性に挑むウインドーディスプレーを展示
資生堂が、本社所在地である資生堂銀座ビルの1階ウィンドーディスプレー及び2階展示スペース(ディスプレーシェルフ)にて独自の書体を立体化したウィンドーディスプレー作品を展示しています。
エグゼクティブクリエイティブディレクター澁谷克彦の書体デザインをもとに、資生堂書体の新たな可能性に挑んだ作品です。
《今回の展示について》
資生堂では、1916年の意匠部(現宣伝・デザイン部)設立以来、独自の書体が伝承されてきました。この資生堂書体は、美学と精神性を表現するために開発され、現在でも新人デザイナーが1年かけて手書きで体得するとともに、その通底する美意識を受け継いでいます。その精神を表現したエグゼクティブクリエイティブディレクター澁谷克彦の書体デザインが今回の展示で用いられています。
1階のウィンドーディスプレーでは、新たなクリエーションに向かう気持ちが込められた、「超越」という文字が立体的に構築されています。静的な文字を3D化することで、正面からみると文字として、その他の角度から見ると動的なオブジェとしても見られます。その素材には金属等を用い、光の反射で様々な輝きを放つように仕上げられています。
2階の展示スペース(ディスプレーシェルフ)では、企業文化誌「花椿」に掲載された言葉が31点展示されています。
高さ2メートルを超える和紙の重ね合わせ、それらが織り成す影も含め展示空間全体がデザインされています。
約100年続く資生堂書体の伝統とその精神を継承しながら革新しようとする、デザイナーの新たな挑戦をご覧ください。
なお、同作品の展示概要は、企業公式サイト「こちら、銀座 資生堂 センデン部」にも掲載されています。
http://www.shiseidogroup.jp/advertising/work/detail/syotai-choetsu.html
■ エグゼクティブクリエイティブディレクター 澁谷克彦 Katsuhiko Shibuya
[今回の書体デザイン]
表意文字である漢字、表音文字のアルファベット。
この二つを組み合わせた文字のデザイン。漢字で意味を表しローマ字で発音させる。
140年以上前から資生堂がデザインとして使ってきた唐草は、当時の西洋のリッチさを伝えると同時に、薬学に通じたこの会社にふさわしく生命をも可視化してきたと思う。資生堂書体と呼ばれる手書きのレタリングもそこの精神は同じであろう。
この文字のデザインは、その言葉の意味をこえて見る人に生命力を与えるためのものである。
[経歴]
1957年東京生まれ。1981年東京藝術大学デザイン科卒業、同年資生堂宣伝部入社。
「PERKY JEAN」「男のギア」「RECIENTE」「エリクシール」「ピエヌ」「ZEN」など化粧品広告をはじめ、「AYURA」「ISSEY MIYAKE」「TSUMORI CHISATO」「旧軽井沢写真美術館」などのアートディレクション&CIデザインを手がける。2002年より「INOUI ID」「クレ・ド・ポー ボーテ」2007年より「SHISEIDO」とグローバル展開するブランドのパッケージ+スペース+グラフィックのデザインをトータルにディレクションするクリエイティブディレクターとして現在に至る。
2012年より「花椿」誌のアートディレクター。
主な受賞に、1990年JAGDA新人賞、1992年東京TDC一般金賞、2001、2002年NY ADC特別賞、2003、2005年東京ADC賞、2012東京ADC会員賞、2012年亀倉雄策賞など。
■ 展示概要
会 期:2015年1月5日 ~ 3月20日(予定) 9:00 ~ 20:00 ※土曜・日曜は休館
会 場:資生堂銀座ビル(中央区銀座7-5-5)
http://www.shiseidogroup.jp/company/office/
(文:インテリア情報サイト編集部-6 / 更新日:2015.02.18)