毎年、単なる製品展示にとどまらない空間作りに定評のあるパナソニック。今年のテーマは、「(STANDARD)3 PIANO-FORTE」(スタンダード3乗 ピアノ・フォルテ)」。2008年から継続して展開するデザインコンセプト「(STANDARD)3」は、同社の多岐にわたるスタンダード製品を空間化(立体=3乗)して提案すること。
そして、今年の展示テーマ「PIANO-FORTE」(イタリア語で「音の強弱」の意)にふさわしい、“光の旋律”を奏で、見る人を楽しませる展示を行っていました。
会場は、インタラクティブゾーンとテクニカルゾーンに分けられ、まず入場者はフロアを駆け抜ける光に導かれます。光の筒の中では、万華鏡のようにキラキラと回る光とともに、ワルツを踊るような体験が。
また子どもの真似遊びのように、人の動きに従って点滅し光を操ることができるセンサー装置は、カチカチとスイッチが音をたて、あえてアナログ感を残した演出に。テクニカルゾーンでも、鏡張りの空間で有機ELパネルを使用した幻想的なシーンを創り出していました。同社の強みでもあるシステム設計や高い技術の総合性が力を発揮した展示内容でした。
(文:宮内 有美 / 更新日:2011.05.09)