全身をクリームのような泡で包む…新“感触”の入浴をデザイン提案〜INAX〜
今年がミラノサローネ初出展となるINAX。イタリア・ボローニャで開催される、タイル・住宅設備機器の国際展示会「チェルサイエ」ではすでに7年連続の出展、温水洗浄便座でも、すでに世界のマーケットにおいて大きなシェアを占める同社が、今回満を持して起用したデザイナーは、喜多俊之氏です。
喜多氏がデザインしたバスタブは、“バスタブのためのデザイン”というよりも、ヒトを包み込むための形状を創り出したかのような、やわらかくなめらかな曲線を描いています。新開発の泡はごく少量のお湯から生まれ、ナノレベルのきめ細かなクリーム状。バスタブいっぱいの泡で身体と心を優しく包む、というものです。
この泡にアロマオイルを入れるなど、今後のさまざまな活用方法にも期待できます。このバスタブは、展示されていたシャワーブース同様、INAXが今年から発表するコンセプトモデル。「人・技術・自然」をコンセプトにしたプレミアムブランドとして、展開する予定とのことです。
タンクレスシャワートイレ「SATIS(サティス)」など、同社を代表する技術も紹介されていましたが、今回のサローネでは、メーカーとしての位置づけではなく、むしろ水回りを中心としたプロダクトの“ブランド”としての存在感をアピールした展示でした。
日本のテクノロジーメーカーは世界をリードする技術を持ちあわせています。その技術力で“日本的”で繊細な表現をうまく使いながら、各メーカーがすばらしいインスタレーションを行ってました。それはミラノサローネ期間中、多くのヨーロッパ人から高く評価された展示ばかりでした。
(文:宮内 有美 / 更新日:2011.05.09)