各国の建築・インテリアデザイン・プロダクトデザイン・グラフィックデザイン・インダストリアルデザイン業界の有名デザイナーを紹介していく、「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ。
第57弾は、デンマークのデザイナー、ハンス・J・ウェグナー(Hans J Wegner)です。
<経歴>
1914年 デンマーク、トゥナー生まれ
1931年 家具職人プロライセンス取得
1931-36年 国立産業研究所に通い木材について専門的に研究を重ねる
1938年 コペンハーゲン美術工芸学校卒業
1940年-43年 アルネ・ヤコブセンの事務所に勤務
1940年 独立
1943年-1946年 コペンハーゲン美術工芸学校で教鞭をとる
1953年 ローニング奨学金を受け1年間アメリカ、メキシコに滞在
1984年 デンマークの女王よりナイトの称号を受ける
1995年 ウェグナー美術館がトゥナーにオープンする
2007年1月26日 逝去
ウェグナーは「椅子製造者の中の椅子製造者」という異名を取り、継続的に高質なデザインを創造し続けた。
自ら優れた家具職人でもあったウェグナーは「座りやすさ」、「クラフトマンシップ」、「デザインの美しさ」を設計する際のポリシーに掲げ、これまでに500種類以上の椅子をデザインしている。その多くが世界中の美術館でパーマネントコレクションとして収められている。
◆ FH-4283 China Chair / チャイニーズチェア 1943年
ウェグナーの最初の転機となった作品
中国明代の椅子「圏椅」からインスピレーションを得て作られた「チャイニーズチェア」
3つのパーツをフィンガージョイントにより継ぎ、削りだされた美しいフォルムの笠木が特徴的
◆ PP-550 Peacock Chair / ピーコック・チェア 1947年
人芸工学的要素を兼ね備えた華やかなチェア
シートハイが低く座るのがとても楽なチェア。
孔雀が羽を広げた姿から「ピーコックチェア」と呼ばれている。
ちなみに「ピーコックチェア」の名付け親は友人でもあり、ライバルでもあったフィン・ユール。
◆ PP-501 The Chair / ザ・チェア 1949年
アメリカ大統領選のテレビ討論の際にケネディ大統領が使用して有名になったチェア
最初に作られた物は籐の座面のもので、その翌年革の座面でデザインされた。
チャイニーズチェアと同様、笠木の美しい曲線は曲げ木ではなく、削り出しで作られ、背と肘掛をフィンガージョイントで接合してある。
◆ CH-24 Y Chair / Yチェア 1950年
世界で最も売れたイスのひとつ
18世紀の中国の僧侶が用いた椅子をモチーフにデザインされ、チャイニーズチェアとザ・チェアのデザインの延長線上でこのチェアは生まれたといわれている。
名前の由来となるのは背部の「Y字」形状とフレームのバランスがとても美しい。
◆ PP-505 Cow Horn Chair / カウホーンチェア 1952年
牛の角のようなデザインの肘をもつ、その名も「カウホーンチェア」
ダイニングチェアとして丁度よい長さに計算された短めの肘と、その見事なまでの曲線美が非常に特徴的である。
◆ PP-250 Valet Chair / ヴァレット・チェア 1953年
とても美しいオブジェのようなチェア
座るだけでなくパンツやジャケットなどの洋服を掛けたり、オブジェとして飾ることもできる。
◆ CH-07 Three-legged Shell Chair / スリーレッグド・シェルチェア 1963年
成型合板の美しい曲線美のデザイン
1963年にキャビネットメーカーズギルドで発表されたスリーレッグドシェルチェア。
この時点では商品化されず、1989年ウェグナー77歳を記念した彼の展覧会に際し、26年ぶりに12脚のみ試作された。
その後、デンマークのメーカーから1998年に商品化されている。
◆ PP-130 Circle Chair / サークルチェア 1986年
ウェグナーが工房の為にデザインしたオブジェのようなチェア
フラッグハリヤード1本を切らずに編み込んである。
このロープと木地がマッチングして、夢のある椅子に仕上げっている。
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2012.05.19)