お店や住空間、ホテル、公共の施設など、インテリアのプロフェッショナルが作り上げる空間は、華やかさや安らぎ、そして居心地の良さを感じることができ、心を豊かにしてくれます。ここではそのインテリアのプロフェッショナルを目指す人のための『インテリアの基礎知識』をご紹介します。
第6回は、前回に引き続き「ランプ」から、蛍光ランプについてです。
蛍光ランプ
放電で発生する紫外線を蛍光体に当てて可視光線に変換するランプ
電極のフィラメントに余熱電流を流し、高温になったエミッター(電子放出物質)から電子を放出させると共に、電極間に高電圧を掛けます。この高電圧を掛ける方式の違いにより「スターター型」「ラピッドスタート型」「高周波点灯方式(Hf型)」と器具(安定器)とランプの構造が変わってきます。蛍光管の形状から直管形蛍光管、環形蛍光管、コンパクト形蛍光管、電球形蛍光灯と分類されます。
演色性
・三波長発光形蛍光灯
EX 全光束(明るさ)が高く、演色性もRa80 - 90とある程度よいため、一般家庭を中心にオフィスなどでも普及しています。食品展示用に四波長としたものもあります。
・高演色形蛍光灯
AAとAAAがあります。全光束は三波長形の6割程度と低いですが、演色性がRa90 - 99と高いため、美術的にシビアな色彩処理が要求される場所で使用されます。太陽光を再現するために意図的に紫外線も放射する物(蛍光色の物の見え方が違う)や、逆に美術品保護のために紫外線吸収膜をつけたものがあります。
・一般型(普及型)蛍光灯
演色性がRa60 - 75と低く、全光束も三波長形の7.5割~8割程度とあまり高くありませんが、安価です。「一波長形」と呼ばれることもありますが、単色光源ではありません。顔色や木質製品の色が悪く見えるため、三波長形が出回る前は蛍光灯を嫌う人も多かったです。事務所や倉庫など、色の見え方があまり気にならない場所や、学校のように利用時間帯および太陽光の採光条件がよい環境での補助照明として用いるのに適しています。
色温度
蛍光灯の場合、光の色は色温度が高い順に「昼光色」「昼白色」「白色」「温白色」「電球色」と分類されています。
・昼光色 色温度 6700K・・・晴天の正午の日光の色
・昼白色 色温度 5000K・・・晴天の正午を挟んだ時間帯の日光の色
・白色 色温度 4200K・・・日の出2時間後の日光の色
・温白色 色温度 3500K・・・夕方の日光の色
・電球色 色温度 3000K・・・白熱電球の色
寿命
蛍光ランプの寿命は、種類により異なりますが、およそ6000 - 15000時間。
蛍光ランプは始動時にもっとも負荷がかかり、グロースタータ(点灯管方式)の場合、一回の点灯で約1時間寿命が縮むため、頻繁に点滅させる用途には向かず、より長時間点灯する場所に向いています。
消費電力
蛍光ランプの消費電力は、種類により異なりますが、白熱電球と同型の蛍光ランプ(60W相当)で比較すると消費電力11Wと約80%の節電となります。
様々な種類の登場により演色性・色温度・形状とバリエーションに富んだ蛍光ランプ。
寿命や消費電力の面からも経済的で現在は主流となっているランプです。
次回は、HIDランプについて見ていきます。
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2013.03.02)