お店や住空間、ホテル、公共の施設など、インテリアのプロフェッショナルが作り上げる空間は、華やかさや安らぎ、そして居心地の良さを感じることができ、心を豊かにしてくれます。ここではそのインテリアのプロフェッショナルを目指す人のための『インテリアの基礎知識』をご紹介します。
第7回は、前回に引き続き「ランプ」から、HIDランプについてです。
HIDランプ
HIDランプ(High Intensity Discharge Lamps = H.I.D.)とは、金属原子高圧蒸気中のアーク放電によって発光する光源で、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、水銀ランプの総称で、高輝度放電ランプとも呼ばれています。蛍光ランプと同様、電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱ランプと比べて長寿命・高効率です。
光束が多きく、大規模空間の照明にてきしているため、公共施設や産業施設、商業施設のほか、スポーツ施設、オフィス、ライトアップ、自動車や鉄道車両の前照灯などの幅広い用途に対応します。
水銀ランプ
水銀蒸気中のアーク放電による発光を利用したランプです。12,000時間の寿命を持つ反面、演色性はRa40程度と低いため、道路・工場・防犯灯などに使われてきました。省エネを強く望まれるところでは高圧ナトリウムランプに、省エネと演色性を望まれるところではメタルハライドランプに切り替わってきています。
高圧ナトリウムランプ
ナトリウム蒸気中のアーク放電による発光を利用したランプで、色温度2,200K前後のオレンジ色の暖かみのある光のランプです。寿命は24,000時間と水銀ランプの約2倍のランプ効率を誇り、道路・工場・商業施設などに省エネを推進する光源として広く普及しています。
メタルハライドランプ
ハロゲン化金属(メタルハイド)蒸気中のアーク放電による発光を利用した白色光のランプです。寿命は、9,000~12,000時間程度ですが、演色性が優れ、封入するハロゲン化合物の種類・比率により色温度を調整することもできるため、スポーツ施設・商業施設など、屋内外の様々な施設に広く普及しています。
近年ではメタルハライドランプと、セラミックを使用した高圧ナトリウムランプの技術を融合させたセラミックメタルハライドランプが登場し、高効率・高演色なランプとして普及しています。
次回は、次世代の照明を見ていきます。
(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2013.03.16)