お店や住空間、ホテル、公共の施設など、インテリアのプロフェッショナルが作り上げる空間は、華やかさや安らぎ、そして居心地の良さを感じることができ、心を豊かにしてくれます。ここではそのインテリアのプロフェッショナルを目指す人のための『インテリアの基礎知識』をご紹介します。
第8回は、前回に引き続き「ランプ」から、LEDランプについてです。
LEDランプ
LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)は、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことです。発光原理はエレクトロルミネセンス (EL)効果を利用しています。有機エレクトロルミネッセンス (Organic light-emitting diodes (OLEDs)、有機EL) も分類上、LEDに含まれます。1993年に青色発光ダイオードが開発されて以降は、LEDによる白色光照明の実用が可能となり、現在では市販製品が登場しています。
演色性と色温度
演色性は白色LEDの構造によってことなります。後述する青色発光ダイオード+黄色蛍光体の場合Ra76と低く、高演色タイプだと90以上となります。白色LEDの色温度は配合する蛍光体の分量によって調節が可能なので様々な色温度のランプを作ることができます。
寿命
フィラメントを必要としないため長寿命となり約20000~40000時間の寿命を持ちます。ただし、半導体素子であるLED素子は熱に弱く、放熱が適切にできない環境に使用すると寿命が著しく短くなります。
消費電力
LEDランプは他のランプと比較して低消費電力で、白熱電球40W相当と比較すると約4.1Wの消費電力で同等の明るさを出せるので、約90%の節電となります。
白色LED
1993年の青色発光ダイオードの登場によりLEDによる白色光源を作ることが可能になりました。
その白色LEDを作る方法を紹介します。
・擬似白色発光ダイオード
視感度の高い波長である黄色に蛍光する蛍光体と青色発光ダイオードとを組み合わせることによって、視覚上でとても明るい白色発光ダイオードを実現。擬似白色発光ダイオードの演色性は平均演色評価数 (Ra) で76程度と低め。
・高演色白色発光ダイオード
演色性を改善するために黄色以外(緑や赤)の蛍光体を混ぜて演色性を高めたもの。黄色の蛍光体に比べて、視感度が低く明るさを出すためにランプ効率は低くなり、低寿命となる。現在は近紫外LEDにRGBの蛍光体を混ぜ、高演色・高効率なものも登場しています。
・3色LED方式
光の三原色である赤色・緑色・青色の発光ダイオードのチップを用いて1つの発光源として白色を得る方法。演色性の高い白色を作るには不適で、見る角度に依存します。液晶バックパネル等には適しています。
LEDを使用したデザイン照明の例
光源の種類としては、ほぼ点光源であり発光部が小さく作れるLED。
設置空間を小さくでき、デザイン上も様々な工夫をすることができます。
Dew / Vitro
真鍮とステンレスで作られた照明。
筒の先端にLEDが取り付けられ、先端に下りてきた雫に光が取り込まれ、雫の膨らみとともに光がひろがり、水滴が落ちることで光の輪が広がるようにデザインされた照明です。
Heracleum / Bertjan Pot / Moooi
Heracleum(セリ科の植物)にインスピレーションを受けたオランダ人デザイナーBertjan Pot氏によるLEDランプ。
金属製ワイヤーのフレームが枝のようなデザインを形作り、63個のLEDにポリカーボネート製のレンズをつけ葉として見立てられています。
Raymond / Moooi
三角形のステンレス格子を組み合わせて作られた多面体が球状の形を作り、このステンレス2層構造が電極としても機能しています。
2層の球状の電極の間にLEDが100個配置され、2層間の支柱としての役割も果たしています。
幾何学的に計算された配置により、100個ものLEDを使用しているにもかかわらず、派手になりすぎず均整の取れたスマートな印象を与えます。
次回も引き続き、次世代の照明を取り上げていきます。
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2013.03.30)