インテリアの知識 建具編 Vol.3 襖の構造

襖の構造

建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。

工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。


一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。

 

<襖の構造>
襖の構造

伝統的な襖の仕上げは、木の骨組みに経師が何層も紙を貼るのが特徴です。

まず骨組の両面に下張りを行います。最初に骨縛りが1回、次に袋張りを1回行います。骨縛りは骨組みのたわみを軽減させるために、骨組みが透けるのを防ぐ濃紫の紙と茶チリ紙を合わせて一枚にしたものを使います。袋張りは茶チリ紙の四周だけに糊をつけて中空に張り合わせるので空気層が増え、やわらかな風合い、丈夫さ、断熱性と調湿性を兼ね備えた襖ができあがります。

襖の制作にあたっては下張り、上張りの張り工程を何回繰り返したかによって、その格付けが行われているところで、その張り方もワラ張り、袋張りの工程で3枚重ねなどの張り技術が襖自体の良し悪しを決定付けています。

現在は襖の下地工程は省略化されることがほとんどで、木の骨組みを使わず大量生産できるチップボール襖、ダンボール襖、板襖も多く使われています。

下張りをよく乾燥させた後は、襖の顔となる上張りを行います。上張りは和紙の見本帳から選ぶ以外にも、しつらいに応じて版木や型紙、梁色、金銀砂子を蒔くなど多様な加飾をあつらえることができます。

上張り後、縁を取り付けてから引き手を打ち込みます。縁は上張りだけを取り換えられるよう、取り外し可能な作りになっています。一枚の襖には、表面、内部ともに工夫と職人の技が込められています。
 

 

 

 

 

 

 

 

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(文:インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2015.08.06)

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