インテリアの知識 建築様式からみる家具の歴史 Vo.4 ~近代0~

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インテリアの知識 家具編Vo.4 建築様式からみる家具の歴史

デザインが歩んだ歴史は、社会、文化、政治などの時代背景により、様々な建築の外観や表現上の共通点から、建築様
式として時代の流れをみることができる。建築様式を通して室内、家具の歴史を紹介していく、今回は近代デザインの
ルーツとなった椅子から「家具の歴史」を辿ってみよう。
 

 

 

〈西洋インテリアの歴史 ~近代0~〉
近代の椅子のルーツを探ると、イギリスのウィンザー地方では農民の家具として18世紀初めにはウィンザーチェアが生まれていた。アメリカに渡り自給生活の中で生まれたシェーカーチェア、ヨーロッパでは、中国風をシノワズリと呼び、明式の椅子や家具がもてはやされた。1840年代ミカエル・トーネットによって開発された曲木の技術は家具産業までも一変した。
これらの椅子は、ハンス・J・ウェグナー、ボーエ・モーエンセンなどを始めとするデザイナー、家具製造業界の多く
の人々に数々の大きな影響を与えている

 

 

■ウィンザーチェアwindsor
イギリスのウィンザー地方で手に入りやすい木をロクロで加工して、背もたれ付きで強度のあるシンプルな椅子が作られた。コムバック(櫛型)ファンバック(扇型)ボウバック(弓型)の椅子の背は、時代と地域によってデザインも多様化しながら愛用され続けている。
アメリカに伝わったウィンザーチェアは、独自のスタイルに生まれ変わり、デザインバランスも実用的になった。

 


 

■シェーカーチェアshaker
シェーカー教団が持つ清貧な思想が、一切の無駄をなくした軽くて機能的なシンプルさを作っている。材は北米で手に入る木を使い、座は紐や手織りのテープなどで編んである。すっきりとした直線、単純化した形態と機能性はモダンデザインに通じる。

 

 

 

 

 

 

■中国明式チェア
南宋の時代、中国では椅子に座る生活が広まり、明(1368~1644)の時代になると、庶民にも椅子生活が定着した。
文人、役人が使った椅子は、良質木材「黒檀、黄花梨、紫檀など」によるもので、木肌を生かした木工技術による組手技術を使い、細く美しい曲線と細工を施した折りたたみ椅子など洗練されたプロポーションが特徴である。多くの家具デザイナーに影響を与えた。

 

 

 

■トーネットチェア
1840年代ミヒャエル・トーネットによって開発された曲げ木の技術は、椅子づくりに革命をもたらした。近代的な生産性を生み出す量産化の組み立てや部品の交換等、生産技術から販売促進に至るまで、商品開発を手がけた。美しいデザイン、求め安い価格、丈夫さ、軽さなど中産階級の人々が求める条件を満たした。

 

名称 (製作年)      トーネットNo.1~ (1850)
デザイナー名(国)  ミヒャエル・トーネット Michael Thonet  (ドイツ、オーストリア)  1796-1871
主要材料              ブナ・カバ材
Photo                   描画
/木材の塑性を応用した成型法で滑らかな曲線状に成型したデザインは、軽量で強度が得られ、適度な弾性がある。1859年、不朽の名作No.14発売。

 

 

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(文:小竹 みちえ  /  更新日:2015.11.05)

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