デザインが歩んだ歴史は、社会、文化、政治などの時代背景により、様々な建築の外観や表現上の共通点から、建築様式として時代の流れをみることができる。近代建築史を通して室内、家具の歴史を紹介していく、今回は1900年代のヨーロッパにて、「建築様式から見る家具の歴史」を辿ってみよう。
〈西洋インテリアの歴史6 ~近代2~〉
産業革命は建築の世界にも大きな影響をもたらした。鉄筋コンクリートの特性を利用した優れた造形的表現が実用的な高層ビルにも現れ、次第に工業主義的近代建築が主流となった。国際建築様式といわれる国家や民族を越えた理念のもとに、建築家で家具デザイナーでもある人々が現代に通用する名作椅子を生み出していった。
■セセッション(分離派)
セセッションは、19世紀末から20世紀初期にかけて、近代芸術思潮を生んだ合理主義的思潮の芸術団体。新時代の造形を志向する総合運動で、建築の合目的性と工学的で経済的な合理性を重んじた。
1897年に画家のダスタフ・クリムトを中心に、ウィーンの芸術家たちが従来のアカデミズムからの分離を唱えた。ヨゼフ・オルブリッヒらが参画し、展示施設としてセセッション館が建てられた。
1903年、ヨゼフ・ホフマンらは、工芸品や家具など生活に関わるものを制作する「ウィーン工房」を設立したが、1932年に経営難のため解散した。
ゼツェッション、ゼツェシオンも同じ意味。
■ドイツ工作連盟
機械と芸術との統一を目指し、1907年にミュンヘンで結成された。「デザインとドイツ商品の質を改善する」国家的使命感もって発足した。ザッハリヒカイト(即物性)を唱え、鉄、ガラス、コンクリートなどの工業製品を用いて、工芸家、建築家やデザイナー、実業家らが参加して、アーツアンドクラフツ運動の影響を受けた作品が作られた。
■バウハウス
1919年ドイツのワイマールに創立された造形学校。学校教育という共同体を介したデザイン運動として、その理念は世界へ波及し、近代デザインの方法論の形成に多大な影響を与えている。
バウハウスの活動期間は、創立者グロピウス、ハンネス・マイヤー、ミース・ファン・デル・ローエの校長時代の三期に分けることができる。ワシリ・カンデンスキー、マルセル・ブロイヤーらの建築家達が集まり、「芸術と技術の統一」を目指して、新しい機械技術時代の造形教育を追求した。
マルセル・ブロイヤーがヴァシリー・カンデンスキーのためにデザインしたワシリーチェアやチェスカチェアなど生産・生活の様式に適応した量産家具のデザインだった。
■アール・デコ
第一次大戦から第二次世界大戦にかけて花開いた華やかな都市文化の象徴で、フランスを中心にヨーロッパやアメリカで流行した家具、工芸の装飾スタイル。この芸術様式は、1925年に開催された「パリ装飾美術博覧会」で結実された。直線や幾何学的形態をモチーフとし、図柄なども単純な形態にしているのが特徴。
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(文:小竹 みちえ / 更新日:2015.11.25)