各国のインテリアデザイン・プロダクトデザイン・グラフィックデザイン・インダストリアルデザイン業界の有名デザイナーを紹介していく、「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ。
第5弾は、今年のミラノサローネでも一際目立っていたパトリシア・ウルキオラ氏です。
<経歴>
1961年スペイン・オビエド生まれ。マドリード工科大学建築科卒業後、ミラノ工科大学にてアキッーレ・カスティリオーニに師事し、1989年卒業。
90年から92年までミラノ工科大学ならびにパリのENSCIでのコースにて、アッキーレ・カスティリオーニとエウジェニオ・ベッティンネッリのアシスタントを務める。
2001年自身の事務所を設立。以来、moroso(モローゾ)、driade(ドリアデ)、B&B Italia(ビーアンドビーイタリア)、Kartell(カルテル)、ALESSI(アレッシィ)、Flos(フロス)などの数々のブランドの商品開発、展示会の構成デザイン、アート・ディレクション、建築を主に活動を展開。
今年のミラノサローネでも新作を多数発表していました。
特に目立っていたのが、パトリシア氏をアートディレクターに迎えてから、アーティスティックな家具が激増したmoroso(モローゾ)。他社がいまひとつ元気のない中で、今年もあでやかな新作で多くの人を魅了していました。
<SILVER LAKE>
moroso
「メモリー(思い出)」をテーマにしたシリーズ。多面的なフォルムで、ソファやアームチェアがあります。
<KALA>
moroso
伝統的なスタイルにウルキオラらしい味付けをしたチェア。
<REDONDO>
moroso
どことなくクラフト的な懐かしさを感じさせるソファ。包み込むような3D的なフォルムを持ちながら、ラフな素材感、鉛筆で書いたようなパターンが親しみを感じさせる。
また昨年3月にドイツ・フランクフルトの見本市会場で発表され、話題を呼んだのがパトリシア・ウルキオラ氏の提案する新しいバスルーム。
浴室は個人のプライベート空間から、カップルで過ごすリビングルームに。
ゆったりと浸かるバスタブがダブルで並び、それぞれの脇には個別に洗面スペースがあり、彼と彼女が使い分ける。そんな新しい生活を提案しています。
そして、パトリシア・ウルキオラ氏の空間デザインに出会えるのが、この『マンダリン オリエンタル ホテル バルセロナ』です。2009年末にオープンしています。
バルセロナのメインストリートであるグラシア通りにあるこのホテルは、20世紀半ばの建物をパトリシア・ウルキオラ氏が、高度に様式化されたモダンな内装で一新したもので、ガウディ建築のバトリョ邸やカサ・ミラが徒歩圏内にあります。
パトリシア・ウルキオラ氏は、ホテル内の家具もすべて手掛け、ホテルで使用されている家具は各メーカーからも販売されています。
<Canasta>
B&B Italia
アウトドアを意識した青空の下で座りたいソファ。
<CHASEN>
FLOS
抹茶をたてる茶筅をモチーフにしたペンダントライト。アルミとガラスで構成されたディフューザーが、木漏れ日を演出。
<Hollow>
B&B Italia
直線と曲線で美しく構成されたソファの3シート
<Canasta_table>
B&B Italia
屋外でも使用できるパトリシアらしいグラフィックが施されたチャーミングなテーブル
<Lazy-Night>
B&B Italia
客室でも使われているベッド。ベッドボードの代わりに着脱可能の背もたれクッションが配されており、クッションを固定するベルトの色も選択可能。
<Crinoline>
B&B Italia
細紐で編み上げられた座面と背もたれは、柔らかく包み込んでくれるような座り心地。
<Crochet>
Arflex Japan
仏語でレース編みやかぎ針を意味するラグクローシェ。ロープ状の素材を手作業で編みこんである。
今後も彼女の女性らしいフェミニンで、細やかな気配りが伺えるデザインから目が離せません。
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2010.12.22)