建具とは閉てる具の意味で、建築の開口部を開閉するものの総称です。
工業製品の建具は、サッシもドアも戸と枠が対で生産されますが、従来建具は建具職人が制作し、枠は建築本体の造作材としてつくりこまれてきました。
一方、伝統的な日本の建具の最大の特徴としては、柱と柱の間に建て入れて、鴨居と敷居に彫った溝の中を滑って動く、スライド式の引き戸であることでした。ドアのように建具を前後に動かす開き戸方式では開放スペースが必要ですが、引き戸は場所をとらず、スライドさせるだけで、簡単に部屋をつないだり、区切ったりすることが出来ます。こうした機構によって、引き戸は日本の室内空間に見合う建具として、開き戸よりも普及していきました。
<樹脂の面材>
樹脂とは、天然樹脂と合成樹脂の総称です。天然樹脂は木の幹から分泌された粘度の高い液体が空気に触れ、揮発性成分を失って固化したものを指します。合成樹脂は建築用材・各種部品・食器などに用いられる合成高分子化合物の総称で、代表的なものはポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどが上げられます。
住宅の間取りに開放的なプランが増え、互いのプライバシーは守りつつ、気配は感じ取れるような装置が求められるようになってきたことから、適度な透過性のある間仕切りがよく見られるようになってきました。これらにしばしば利用される樹脂の面材は、板ガラスの割れやすい、重い、接着できない、複雑な加工がしにくいといった点をクリアするうえ、さまざまな機能を付加した製品が開発されています。
定番素材となりつつあるポリカーボネートは、耐衝撃性が高いのが最大の特徴です。
ガラスと同程度の透明性をもち、紫外線による黄変や、表面の擦り傷を防ぐコーティングが施されたものもあります。中空構造の製品では、同じ厚さの板ガラスの約10分の1と軽量で、中空の空気層により、断熱性能、保温性能も備えています。
また、代表的な樹脂として知られる塩化ビニルは、強度ではポリカーボネートに劣るものの、色彩や模様のバリエーションの豊富さが魅力といえるでしょう。硬質と軟質という二つの性質を利用した、プレートタイプ、シートタイプがあります。
一方、塩化ビニルは耐候性には優れるが熱には弱いので注意が必要です。この他に各種樹脂の面材が流通しており、見た目には違いがわかりにくいですが、それぞれの性質はかなり異なることは意識しておきましょう。
●2つの樹脂素材の長所と短所の比較
図1.ツインカーボ(タフネス)・・・ポリカーボネートを中空構造に一体成形した素材。(画像:旭硝子)
図2.ワーロンシート・・・和紙を塩ビ樹脂でラミネートした素材。水や衝撃にも強い。(画像:株式会社ワーロン)
図3.ポリカーボネートプレートタイプ・・・画像は霞型模様のプレート。(画像:旭硝子)
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(文:インテリア情報サイト編集部-2 / 更新日:2015.10.20)