20世紀のデザイン史は、伝統の再生や新しい発見を繰り返し、文化と日常生活の中で多様化して来た。常に変化する消費者の好み、商業的優先順位、生産技術の発展などに対応しながら空間提案・デザインを形作られた。
現代の生活に適応する多くの「20世紀の名作椅子」の代表作を年代順に辿ってみよう。
メーカーはデザイナーとタッグを組んで、新素材や技術を駆使して商品開発を行い、数々の名作を発表した。そして、経営的にも利益をもたらしてデザイナーの生活を支え、デザインは社会変化の問題解決を行っていった。
Yチェアが世界で最も愛され続けているのは、カール・ハンセン&サン社の高い技術力があり、ヤコブセンのデザインはフリッツ・ハンセン社が、世界中へ供給を可能にしている。
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名匠ニールス・ボッター製作による、後姿まで美しいといわれるフィン・ユールのイージーチェア。そのシリーズの中で、後ろ脚と背もたれを両側から支えるフレームが、エジプトの壁画に残された女王の椅子に似ていることから、別名「エジプシャンチェア」と呼ばれる。チーフティンとは酋長という意味。現在はデンマークのワン・コレクション社で生産されている。
「家具の彫刻家」といわれる北欧4大名匠のひとり。
他作品:「ペリカンチェア」(1940年)/ 「イージーチェア No.45 」 1945/ ダイニングチェア/ ソファ
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数多くあるウェグナーの椅子の中でも最も売れている不朽の名作。日本人に好まれる暖かみのあるディティールで、座のペーパーコード張りは座り心地も良く、機械生産がしやすい形状で、大量生産ができる美しい高品質なフォルム。背板のY字型から、Yチェアと呼ばれる。全世界で70万脚が販売される、不朽の名作。主要材料は、 オーク・ビーチ・アッシュ・チークなどで作られ、塗装されたカラフルなYチェアもある。
他作品:「ヴァレットチェア」/「チャイニーズチェア」/「ザ チェア」/「ピーコックチェア」/「スリーレッグド・シェルチェア」/「サークルチェア」
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3本脚がオリジナルで、製薬会社の社員食堂に使うためにデザインされた、世界初の背と座が一体化した三次元成型合板の椅子である。当時の技術で一体成型に問題がでた箇所をデザインで補い、「アリ」の愛称をもつ。スタッキング可能で、伝統を重んじていたデンマークにモダニズム建築を推進した。
ヤコブセンは、1925年のパリ「国際装飾美術博覧会」に出品した椅子でシルバーメダルを受賞、デンマーク王立芸術アカデミーを卒業後、建築における空間をトータルデザインとして活動した、デンマークを代表するデザイナー・建築家。
他作品:「アントチェア」/「セブンチェア」/「グランプリチェア」/「エイトチェア」/「エッグチェア」/「スワンチェア」
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戦後の物資が不足している中で、手に入る材料で有効利用したローコストで作れる椅子。デザインされた椅子は、夏は涼しく、冬は座布団を乗せて使える。
1952年に発表された「ヒモイス」は代表作で、1957年の「トリイスツール」「円形センターテーブル」はミラノで金賞を受賞。同年、日本インダストリアルデザイナー協会設立。日比谷第一生命ビルのポールの時計は今でも広く親しまれている。
他作品: 「トリイスツール」 / 「ソリッドスツール」
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世界一の軽量を誇る。指1本で持ち上がる細く美しい線になるように、19世紀から伝わる椅子をリ・デザインした。脚の形状断面が面取した三角形で、鋭敏さと繊細さを追求した無駄のないプロポーションで、座は、籐張りと布張りがある。
ジオ・ポンティはミラノ工科大学の教授も務め「イタリアモダンデザインの父」といわれる巨匠。
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背は服をかけられるハンガーとなり、座を前に倒すとズボン掛け、座の中には小物を入れて置くことができる多機能を備えていることから、従者、召使いの椅子、別名をバチェラーズチェア(独身者の椅子)と呼ばれる。
多目的でありながら安定性のある3本足構造や形態に工夫とユーモアがある。
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(文:制作 クリエイティブ事業部_PR / 広告-1 / 更新日:2016.06.15)