世界最大規模の家具見本市「ミラノ・サローネ」は、2013年4月09日から14日までの6日間、イタリア・ミラノのローフィエラ(本会場)とフォーリ(市内会場)で開催されました。
ミラノサローネ2013から、イタリアブランドメーカーの新作家具を中心に紹介しながら、これから来るであろう、フォルムやカラ―のトレンドの予測をお伝えしていきます。
引き続きローフィエラ(本会場)からインテリアデザイン業界を牽引するブランドメーカーをお伝えしていきます。
次は、最先端の技術とデザインを日常の製品に取り入れ、インテリアデザインに新しい変化を与える家具・家庭用品ブランドMAGISです。
創業者ユージニオ・ペラッツァによって1976年に設立されたMAGISは、現在では世界的なデザインラボラトリーに成長し、Richard Sapper, Jasper Morrison, Stefano Giovannoni, Marc Newson, James Irvine, Konstantin Grcic, Ron Arad, Bouroullec兄弟など世界を代表するデザイナーたちの創造性をもって、常に時代の変化を掴み、最先端のものづくりに挑戦しています。
世界70ヶ国へ発信されるその斬新な製品は、世界で数々の賞を受賞し、ニューヨーク現代美術館やパリ国立近代美術館など、 世界のミュージアムでパーマネントコレクションに選ばれています。
今年のインスタレーションは Konstantin Grcic(コンスタンチン・グルチッチ)が担当。
Konstantin Grcic(コンスタンチン・グルチッチ)によるMAGISのインスタレーションは初めてです。
会場を紹介するTV局クルー。
競技場のアリーナをイメージして構成された会場で、メインブースや、コンテナ式に積み上げられたユニットブースは床が斜めの展示になっていました。
Konstantin Grcic(コンスタンチン・グルチッチ)の Traffic シリーズ。少しレトロな感じがするデザインで
ワイヤーフレーム構造がシンプルなクッションをサポートしています。
今年のミラノサローネでは、昨年に引き続きワイヤーフレームを使ったデザインが多く見られました。
MAGISの子供向けブランドMe tooからは、Eero Aarnio(エーロ・アールニオ)の子犬シリーズの新作と、奥にあるシェルフはGiulio Iacchetti(ジュリオ・イアケッティ)の新作。
Jaime Hayon(ハイメ・アジョン)の Pina Low Chairは、PinaChairのリビングルーム用の新バーション。
Philippe Starck(フィリップ・スタルク)の Big Will
Ronan & Erwan Bouroullec(ローナン&エルワン・ブルレック)のTheca
Philippe Starck(フィリップ・スタルク)の新作Calippo。浮遊する机
Ron Arad(ロン・アラッド)の Follyは、独自の機能を持った彫刻のオブジェクトのようなベンチ。
ロン·アラッドの仕事は、彫刻とデザインの境界線が非常に薄いです。
このベンチの創造的プロセスは、プラスチックと表現力にあります。
原始的なシンプルなフォームにもかかわらず、動的な方向性を与える柔らかな線の連続性で、機能的または自然の中で純粋に美的かどうかを、単なる機能を超えて、素材の表現力で試しました。
色は(さび茶色)で、屋外や屋内での使用の両方に適しています。
Naoto Fukasawa(深澤直人)の Cosino、Pizza Table、Meteo
今年のMagisはブース面積を昨年の400㎡から500㎡に拡大し、 そのデザインを手がけたコンスタンティン・グルチッチは、Magisらしさがよりユニークに伝わるようなブース構成を目指すとコメントしていたように、展示ブースの床面一つ一つをななめにするダイナミックな会場構成でした。
MAGISの商品は、デザイナーが様々なスタイル、素材・技術で商品化しているため、 ブランドに均一なイメージをもつのが言われています。 しかしグルチッチは、それこそが自由に創造の羽を広げてきたMagisらしさであるといいます。
グルチッチのMAGISで初めてとなるソファのコレクションや、 そのほか、フィリップ・スタルク、ロナン&エルワン・ブルレック、ロン・アラッドなど、 注目のデザイナーたちの新作が一番多かったのがMAGISでした。
(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2013.05.14)