©WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024
【フォト・レポート】
丸ビル1階 マルキューブにて開催の
「WOOD DESIGN EXPERIENCE~木を使って、暮らしと街と社会を良くする2日間@東京~」
2024年6月14日(金)・15日(土)の2日間に東京・丸の内の丸ビル1階のマルキューブにて、一般社団法人 日本ウッドデザイン協会(以下:JWDA)は、「WOOD DESIGN EXPERIENCE~木を使って、暮らしと街と社会を良くする2日間@東京~」を開催しました。
スギやヒノキ材を中心に木材利用が花粉症対策やカーボンニュートラルへの貢献、SDGsの取り組み、自然災害防止につながることを、多くの方々に「体験」「実感」「共感」を目的とした、JWDA初開催のイベントです。
会場の展示風景やイベントを紹介していきます。
「触れる」「感じる」「体験する」木質空間
スギ材と少花粉スギの苗木に囲まれた展示スペースで、スギの規格材を使用した「都市のビルに里山がやってくる」がテーマの展示空間です。(空間デザイン:株式会社日建設計 Nikken Wood Lab 大庭 拓也氏)
スギの規格材を使用した専用クラップ『つな木』によるジョイントで空間を演出。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
ブースを緑に彩る植栽は今、話題の「少花粉スギ」の苗木です。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
©WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024
会場では生活シーンの中で木を使うことの楽しさや、木のある暮らしの豊かさ、地域の魅力や価値発信と木材の関係などを語る、トークセッションなど様々な体験型プログラムを実施されました。
無垢材のデスクの上には木製品の文具、木製チェアなどをセッティング。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
国産材で作られた楽器を展示。従来はメイプル材などの広葉樹で製作される楽器だが、杉やヒノキで製作された楽器が展示されていました。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
★Ralaのポッケ★(五十嵐公太氏と心奏★Rala(ララ)氏の2023年結成ドラム&バイオリンのユニット)による、国産材楽器でのライブパフォーマンス「GOOD WOOD MUSIC JAPAN」も開催されました。
©WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024
子どもたちの背丈に合せたテーブルと小椅子、スギやヒノキを中心としたおもちゃなどを展示。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
6月15日(土)には木育ワークショップも開催。
©WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024
お子さんが木に触れ、木と遊ぶことができる体験型ワークショップ。スギ材のカスタネットづくりを体験、プロ・ミュージシャンとのセッションも開催されました。
©WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024
木製品のテーブルウエアや冷蔵庫、個室ブースなども展示。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
木製パネルで組まれた冷蔵庫
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
木製個室ブース
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
近年、進化を遂げている中大規模の木造建築物の先進例もパネルにて紹介。 近年では住宅だけでなく、中大規模の建築物にも木材が使われるようになってきました。
Photo:interior-joho WOOD DESIGN EXPERIENCE TOKYO 2024会場風景から
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テーマが「触れる」「感じる」「体験する」ことで、スギやヒノキ材、さらに国産材の魅力を身近に感じてもらうためのイベントでした。
国土面積の約7割が森林である日本は、約4割が戦後、人の手で植林された人工林です。その約7割が針葉樹(スギやヒノキ)の森林で、スギの人工林等が花粉の発生源であると言われ、国民の約4割がスギ花粉症で、日々の暮らしや経済に大きな影響を及ぼしています。
いま、日本の山林は樹齢が高くなり、とくに人工林は本格的な伐採・利用期を迎えています。「伐って・使って・植えて・育てる」という森林循環のサイクルで、健全な森林を維持することが重要になってきています。ですが、森林維持することは、人出不足の問題もあり、打開策として外国人労働者に頼ろうとしている自治体もあります。一定の条件を満たせば長期間働ける「外国人材の確保・育成」の“育成就労”の法案も参院で可決されました。国内の人材を育てようとせず安易に外国人労働者に頼っても良いものなのでしょうか。
また、山林を手入れせず放置された山々が増え、結果、電力供給の不安定要素が高い再生可能エネルギーの太陽光パネルが山々を覆い、現在、太陽光パネルに覆われてきている山々がふえてきています。日本の山林には問題が山積みです。それらは一度整理する必要があるのではないでしょうか。
2024年度からは国税として、国内に住所がある人から1人1000円、住民税に上乗せする形で「森林環境税」が徴収されます。
「森林環境税」は2015年にフランスで開かれたCOP21で採択された「パリ協定」の枠組みのもと、温室効果ガスの排出削減目標の達成、災害の防止などの目的で2019年に法律が成立されたものです。
SDGsの達成に貢献する「脱炭素社会」ではなく、真の森林整備・保全、建築物・製品等への木材利用、教育・健康・観光等と関連した森林の総合利用に向けて、どのように「森林環境税」を活用していくのか具体的な展示も、林野庁補助事業としては必要だと思いました。
近年では住宅だけでなく、中大規模の建築物にも木材が使われるようになってきました。オフィスや店舗、子育ての場面でも、デザインに優れ、機能性の高い木の空間やプロダクトが増えています。
このようなイベントで、多くの方々が木材利用の重要性や活用の可能性、木の魅力の再発見で、木のある豊かな暮らしを実現できることを切に願います。
【開催概要】
イベント名称 : WOOD DESIGN EXPERIENCE ~木を使って、暮らしと街と社会を良くする2日間~@東京
主 催 : 一般社団法人 日本ウッドデザイン協会(林野庁補助事業)
開催日程・場所 :2024年6月14日(金)・15日(土) 丸ビル1階 マルキューブ
7月には名古屋でも同イベントを開催
7月5日(金)・6日(土)には同様のイベントを名古屋会場・KITTE名古屋イベントスペースでも開催いたします。
開催日 :2024年7月5日(金)・6日(土)
名古屋会場:KITTE名古屋 イベントスペース
愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 KITTE名古屋 1F
スギの規格材を使用した「都市のビルに里山がやってくる」がテーマの展示空間と多彩な木製家具や製品、国産材楽器ライブ、セミナー、ワークショップを実施します。詳細は日本ウッドデザイン協会サイトにて追って公表します。
【Webページ】https://www.jwda.or.jp/ (NEWS & REPORTに掲載)
一般社団法人日本ウッドデザイン協会について
木を活用した社会課題の解決をめざす取り組みを「ウッドデザイン」と定義し、「ウッドデザイン」に関わるあらゆる分野において、調査、研究、開発、事業創造、普及及び啓発することを目的として設立された団体(一般社団法人)です。会員相互の連携並びにあらゆるステークホルダーとの対話及び協力によって、木のある豊かな暮らし、木材利用、森林・林業の成長産業化及び地方創生を推進して、カーボンニュートラルやSDGsへの貢献、持続可能な社会の実現を目指しています。
名 称 一般社団法人 日本ウッドデザイン協会
英文名 Japan Wood Design Association(略称:JWDA)
設 立 2021年11月18日
所在地 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 Otemachi Oneタワー6階
会 長 隈 研吾
会 員 167(企業、団体、自治体等、2024年4月末時点)
https://www.jwda.or.jp/
「ウッドデザイン賞」公式ウェブサイト
★ウッドデザイン賞に関する最新情報を随時公開しています★
https://www.wooddesign.jp/
(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日:2024.06.15)