【フォト・レポート】
カラーハンティング展 色からはじめるデザイン
6月21日から、21_21 DESIGN SIGHTで開催されている展覧会「カラーハンティング展 色からはじめるデザイン」をご紹介します。
カラーハンティングとは、展覧会ディレクターである藤原大さんが生み出したデザイン手法で、カラーチャートに頼らずに、自然や都市に存在する現実の色を、自ら水彩絵具を調合してその場で紙片に写し取っていく行為です。
本展では、このカラーハンティングによってデザインされた作品、そして色からはじまるデザインの数々を展示しています。
ライオン・シューズ
藤原さんが、2012年11月にアフリカのセレンゲティ国立公園でライオンの色をカラーハンティングしました。車をチャーターし、ドライバーにライオンに近づいてもらいながら、絵の具を調合します。この行為を何度も繰り返し、採取したライオンの色を靴にしました。この時、同様にカラーハンティングで採取したマサイ族の大地の色の上に、ライオン・シューズを展示しています。
マサイの大地を駆け巡るライオンがここにいます。
霧ヶ峰で採取した色からできたひな人形
藤原さんが、2013年3月3日に霧ヶ峰に存在していた色をカラーハンティングし、その色を用いて雛人形を作成しました。
「雪」「空」「白樺の幹」「カラマツ」「森」「針葉樹の林」「笹」「岩」の色から成り立っています。
次世代に残したい色
佐渡朱鷺保護センターに本物の朱鷺の羽根の色を見せてもらい、2013年3月、佐渡新穂小学校の5,6年生41人に、朱鷺の色を写し取ってもらいました。同じ羽根を見ているはずなのに、一羽一羽、色が異なります。
365日の空の色
2011年3月、東日本大震災以来、藤原さんが、3年間に渡って365日の朝の空の色をカラーハンティングし続けました。その記録をもとに、藤原さんが、空の色に近い色の紙を選び、オランダ・アムステルダムをベースに世界で活躍するグラフィックデザイナーのイルマ・ブームさんが、それらの紙を束ねた本をデザイン、太田佳代子さんが編集を行い、日記「空のいろ」が出来上がりました。
(文:制作_インテリア情報サイト編集部-1 / 更新日:2013.07.12)