島崎信+織田憲嗣が選ぶハンス・ウェグナーの椅子展
北欧デザインの巨匠 ハンス・ウェグナーの椅子に見る 「美しい暮らのかたち」。
スパイラルガーデンで、 9月27日(金)~10月14日(月・祝)にかけて、「島崎信+織田憲嗣が選ぶハンス・ウェグナーの椅子展」が開催されます。
■2014年に生誕100周年を迎えるハンス・ウェグナー
時を超えて愛され続ける名作を数多く生んだ北欧デザインの巨匠、そのものづくりを紐解く大規模展
デンマークを代表する家具ザイナの一人、ハンス・ウェグナー。
生涯に500脚以上の椅子をデザインしたと言われ、世界で50万脚以上が販売されている「Yチェア」や、「椅子の中の椅子」という異名を持つ 「ラウンドチェア(通称ザ・チェア)」をはじめ、時代を超えて愛され続ける数々の名作を生み出してきました。
今回の展示会では、 生前のウェグナーと深い親交をもち、北欧デザイン研究の第一人者としても知られる島崎信氏と、椅子研究家である織田憲嗣氏(旭川東海大学芸術工部くらしデザイン科特任教授)を監修に迎え、両氏が選んだ60脚以上の椅子を中心に、「使う」「見る」「買う」という3つの側面から、そのもづくりを紐解きます。
現在も生産が続けられている 定番品に加え、今日では生産されていない椅子、試作のみで生産されなかった椅子など歴史的価値が高い作品が登場するほか、木材パーツやミニチュア自邸の模型など、貴重な資料も展示されます。
見、触れ、実際に座ってその変遷を追うことで、ウェグナーデザインのルーツや変化する技術・社会的な状況に対する柔軟な姿勢、また、「暮らす」ことそのものへ注がれる丁寧なまなざしを感じることができるでしょう。
■ウェグナーの足跡から、これからのものづくりの在り方を考える
スパイラルでは、2012年9月~2013年9月にわたり、日用品に焦点を当て、背景とストーリーから「美しい暮らし」を考えるレクチャーシリーズ『美しい暮らの学校』(監修:島崎信氏)を開催し、これからのものづくりの在り方を探ってきました。
ものが生産される背景には、産業の発展や行動様式の変化といった時代要請があり、その意匠は社会環境や生活のあり方と分かちがたく結びついてます。
例えば、椅子一つをとってもその「もの」自体に膨大な情報が詰まっています。軽やかさと強度の共存を可能にした技術革新。住空間の多様化に伴って変わっていくサイズ。公共空間から家庭まで、使用されるシーンによって異なる機能。
歴代の優れたデザイナー達は、表面的造形だけでなく、また、機能優先でもなく、美意識と技術、機能との協奏によって数々の美しいものを生み出してきました。
本展は、ウェグナーを例として一つひの椅子に込められた美と技の足跡を紐解き、私たちと共にこれからを生きていく美しい日用品のあり方をあらためて考えるきっかけとなることを目指した展示会となっています。
■展示のみどころ
①「見る」→ウェグナーの研究家であり、北欧インテリアデザインの専門家である島崎信氏+織田憲嗣氏により60脚以上をセレクトして展示。
②ウェグナーの定番品に加え、現在では生産されていない椅子、また試作のみで販売されなかった椅子など、歴史的価値の高い椅子も展示。椅子の木材パーツ、カットモデル、ミニチュア、ウェグナー邸の模型や、ウェグナーのデザインのルーツともいうべき中国明代の椅子など他では見ることのできない貴重な資料も登場。
③「使う」→現在も生産されている定番品、現行品を中心に、実際に触って、座って、体験。
④「買う」→現在販売されているウェグナーの椅子をはじめ、展覧会カタログやオリジナルグッズを販売。
■ハンス・ウェグナー(1914~2007)
1914年、南ユトランド半島トゥナー生まれ。14歳で家具職人の下で修業を始め、17歳で指物師のマイスターの資格を取得。1936年より美術工芸学校でデザインを学ぶ。
卒業後、アルネ・ヤコブセンの事務所に勤務し、オーフス市庁舎の家具デザインの設計に携わる。
その後独立し、コペンハ―ゲン美術工芸学校で教鞭を執りながら、デンマーク協同組合連合会家具部門のために家具デザインを行った。
1984年にデンマーク女王よりナイトの称号を得る。
1995年には生まれ故郷のトゥナーにウェグナー美術館が開館。
生涯で500脚以上の椅子をデザインしたと言われる。
2007年1月26日に92歳で逝去。2014年に生誕100周年を迎える。
■監修者 プロフィール
島崎信
東京都出身。東京芸術大学卒。デンマーク王立芸術大学建築科修了。
武蔵野美術大学工芸業デザイン科 名誉教授。
1956年東横百貨店(現東急百貨店)家具装飾課入社。
1958年JETRO海外デザイン研究員として日本人として初めてデンマーク王立芸術大学に所属。帰国後、国内外でインテリアやプロダクトのデザイン、東急ハンズ、アイデック等の企画立ち上げに関わる傍ら、武蔵野美術大学工芸工業デザイン科で教鞭をとる。
「生活デザイン」の提唱者でもあり、家具や生活用品に関するデザイン展覧会やセミナーを多数企画。北欧やデザイン関連の著作も多数に及ぶ。
日本フィンランドデザイン協会 理事長、北欧建築デザイン協会 副会長
鼓童文化財団 理事長、有限会社島崎信事務所代表
NPO法人東京・生活デザインミュージアム理事長
織田憲嗣
1946年生まれ。大阪芸術大学卒業後、高島屋宣伝部を経て
フリーのイラストレーターに。
その頃から名作椅子の収集を始め、現在椅子研究家として世界的に知られる。
東海大学芸術工業部教授。
著書に「日本の家」(福音館書店)、「ハンス・ウェグナーの椅子100」(平凡社)「名作椅子大全」(新潮社)など。
【開催概要】
会期 : 2013年9月27日(金)~10月14日(月・祝)
会場 : スパイラルガーデン(スパイラル1F)
主催 :「島崎信+織田憲嗣が選ぶハンス・ウェグナーの椅子」展実行委員会
(株式会社ワコールアートセンター、NPO法人東京・生活デザインミュージアム、北欧家具talo)
監修 : 島崎信+織田憲嗣
企画制作:スパイラル/株式会社ワコールアートセンター
協力:武蔵野美術大学 美術館・図書館
協賛:REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STORE AOYAMA、スカンジナビアン リビング
カール・ハンセン&サン ジャパン株式会社、デニッシュインテリアス株式会社
スパイラル http://www.spiral.co.jp/
(文:制作 PR-N_PR制作部-3 / 更新日:2013.09.03)