会場内の写真とウォークスルー映像で紹介
「鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に」
2021年3回目の東京都緊急事態宣言発令によって中止となった4月25日から東京ドーム「Gallery AaMo」で開催予定だった鈴木マサルの過去最大規模の展示「鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に」。会場様子の画像と映像が届きましたのでご紹介します。
・テキスタイルデザイナー「鈴木マサルの展覧会2021」東京、富山で開催 >>>
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かねてよりご案内させていただいております、4月25日〜5月9日の日程でGallery AaMoで開催予定だった鈴木マサルの過去最大規模の展示「鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に」が東京都の緊急事態宣言発令によって中止となりました。
設営が終了すると同時の宣言発令だったこともあり、会場は出来上がっているにもかかわらず公開する事が出来ないという大変残念な結果ではありますが、少しでも多くの方にご覧いただきたく、オフィシャルで撮影した写真とウォークスルー動画を公開させていただきます。ぜひ、お楽しみいただけましたら幸いです。
また、5月8日(土)の午後に、会場より、ダンスパフォーマンスのライブ配信を予定しております。
日時:2021年5月8日(土)15:00〜
配信URL
YouTube:https://www.youtube.com/user/OTTAIPNU
Instagram:https://www.instagram.com/masaru_suzuki_textile/
【撮影】
会場写真:三嶋義秀 (Styrism Inc.)
ウォークスルー映像:大木大輔
Gallery AaMo で展覧会を開催する話が来て初めてこの会場へ視察に来た時、スペースの大きさに驚き「果たしてこのスペースを埋められるのか?」と腰が引けましたが「テキスタイルならきっと出来る」と思い直し、開催を決めました。
テキスタイルデザイナーと名乗っている私ですが、実際テキスタイル関連の仕事は全体の半分くらいです。特に最近はデジタル出力の技術が飛躍的に進歩したおかげで色や柄が展開する領域は無限に広がり、その気になればビル一棟をデジタル出力シートで丸ごと装飾する事だって可能な時代です。私のデザインも素材をテキスタイルに限定される事がなくなり、仕事のフィールドが大きく拡張されて来ています。
そんな状況でも私がテキスタイルから離れられないのは、色や柄をテキスタイルという素材にのせた時の圧倒的な魅力ということに尽きます。
空間に1枚テキスタイルを吊るすだけでその場所は劇的に変化します。さらにその生地にきれいな色や柄がついていたら効果は絶大。閑散とした空間もまるでハレの場になったかの如く、華やかな空気に包まれます。
この会場には今まで私が作って来た様々な色柄のテキスタイル、傘や鞄などのプロダクト、そしてこの展示のために制作した巨大なタペストリー生地などが一同に並べられ、色彩に埋め尽くされ、高揚感あふれる空間となっています。自身が色彩の世界に入り込んでいくような体験をお楽しみください。
きれいな色や柄は別に無くても成立するものだけど人の心に浸透するビタミンのようなものだと思います。そして人の気持ちを前に向かせてくれるものだと、私は信じています。様々なことが制限されて気分が沈みがちなこの時期に、気持ちが晴れ晴れするような色と柄のテキスタイルを、すべての人に。
鈴木マサル
手で描くことが好きです。絵具を筆にたっぷりと含ませて、ポタポタと垂れないように気をつけながら紙に筆を置くあの瞬間、たまらなくテンションが上がります。ペンタブレットも進化して概ね思った形が描ける時代ですが、自分では制御しきれないような絵具の気まぐれさが良いのです。もちろん私も普段は液晶タブレットを駆使して仕事をしています。でもそれはほとんどエスキース止まりで、そこから先は紙に描きます。タブレットでの作業は構図やバランスの確認が主で、どちらかと言えば事務的な感じ。アナログで描いている時は紙にペンが擦れる音、振動、絵具の匂いや染み込んでいく感覚など、体全体で色々なことを感じながらの作業で理屈抜きに楽しいのです。でも、生まれた時からタブレットで絵本を見て育った赤ちゃんが大人になる時代には「手で描いた線なんて気持ち悪い」とか言われてしまうのかもね。
雨降りの出かけるのが憂鬱な日でも外に出る事がポジティブになれる、気分が上がる色柄のきれいな傘を、というコンセプトで2011年からスタートしたOTTAIPNU の傘シリーズです。10 年も続けていると雨の日に時々、街でこの傘を見かける事があります。自分で言うのも何なのですが、その風景がとても良いのです。デザインが良いとか商品が良いとかそう言う事ではなく、雨降りのどんよりとした風景の中に目が覚めるような色や柄が、まるで花が咲いたようにそこにある事に「良いなあ」と思うのです。使っている人も心なしか嬉しそうに見えます。気のせいかな。でも自分自身が花になった気持ちになってくれていたらとても嬉しい。
フリーランスになったばかりの頃、仕事は一般的なカーテン生地のデザインが主で無地調のベージュやグレーの織物をたくさん作っていました。それはそれでとても楽しかったのですが、元々影響を受けた北欧のカラフルなプリントテキスタイルへの想いを抑えられず、オリジナルブランドとしてOTTAIPNU(オッタイピイヌ)をスタートさせて生地を作り始めました。2004 年のことです。当時はコンセプトなどを深く詰めて考えてはおらず、ほとんど衝動と勢いでスタートしたようなものでしたが「会社で何か嫌なことがあった時、帰り道に衝動買いしてしまうようなものを作ろう」とぼんやり考えていました。それは今も変わっていません。理屈抜きに色が綺麗で、柄が魅力的で、目に入った瞬間に心を奪われるようなテキスタイルを。そんなことを呪文のように呟きながら私は今も綺麗な色柄の生地を作り続けています。
鈴木マサル / テキスタイルデザイナー
多摩美術大学染織デザイン科卒業後、粟辻博デザイン室に勤務。1995年に独立し、2002年有限会社ウンピアット設立。 2005年からファブリックブランドOTTAIPNUを主催。色鮮やかなハンドプリントによるファブリックを中心に、タオルやバスマット、ハンカチ、傘など、生地本来が持つ魅力にあふれたコレクションを展開しています。自身のブランド以外にも、マリメッコ、カンペール、ユニクロなど、国内外の様々なブランドからテキスタイルプロダクトを発表。また、テキスタイル以外にも、様々なプロジェクトに参画し、ファニチャーや建築空間など様々なシーンに向け、パターンデザインや自身のテキスタイルを軸にしたデザインを提供しています。 2014年からスタートした富山の魅力をテキスタイルデザインで表現した「富山もようプロジェクト」が第35回新聞広告賞を受賞。2016年4月にイタリア・ミラノで開催された展覧会「Imagine New Days」(主催 アイシン精機株式会社)に参画、Milano Design Award 2016 “BEST ENGAGEMENT by IED”を受賞。2016年8月には初めての書籍「鈴木マサルのテキスタイル」(誠文堂新光社刊)を上梓した。東京造形大学造形学部デザイン学科 教授。 masarusuzuki.com
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日:2021.04.29)