パナソニック 汐留ミュージアムにて「アール・ヌーヴォーのガラス展」開催

《花器(ブドウとカタツムリ)》 1904年
ドーム兄弟、ナンシー アンリ・ベルジェ(ナンシー)のデザインに基づく
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Walter Klein
《銀飾金具付花器(オダマキ)》1898-1900年頃
ドーム兄弟、ナンシー
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK


 


パナソニック 汐留ミュージアムで、ヨーロッパ随一のガラスコレクションで知られるデュッセルドルフ美術館に寄贈されたゲルダ・ケプフ夫人のガラスコレクションが、ドイツ国外では初めてまとまった形で公開されます。仕事の気晴らしに、単に美しい作品に惹かれてガラス作品を購入し始めた実業家ケプフ夫人は、やがて旺盛な好奇心によってガラスという素材の特質や技法を学び、その可能性を的確に理解して、優れた審美眼と洞察力でアール・ヌーヴォーの本質を体現する第一級のコレクションを築きました。

《花器(カッコウ、マツヨイグサ)》 1899/1900年頃
エミール・ガレ、ナンシー
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK
《台付鉢》 1903年頃
エミール・ガレ、ナンシー
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK


 


アール・ヌーヴォーの源泉として重要な役割を果たしたジャポニスムやシノワズリを色濃く反映したウジェーヌ・ルソー、エルネスト・レヴェイエ、ウジェーヌ・ミシェル、オーギュスト・ジャンなど、パリのガラス工芸家たちの作品群。同様に東洋美術に傾倒しながらやがてそれらを深く吸収し独自の芸術様式を開花させたエミール・ガレ。さらにガレに強い刺激を受けて同時代を並走するドーム兄弟、そして彼らの制作を支えながらも試行錯誤を繰り返して独自の制作にも挑んだデズィレ・クリスチャン、ミュレール兄弟、ポール・ニコラなどのデザイナー、職人たち。ケプフ・コレクションは、アール・ヌーヴォーの二大拠点となったパリとアルザス=ロレーヌ地方を舞台に繰り広げられた、まさに百花繚乱の「新しい芸術=アール・ヌーヴォー」の成果を余すところなく示すものと言えるでしょう。

《象の頭の飾付花器》 1883-1885年頃
デザインおよび制作:不詳 販売:パニエ兄弟商会エスカリエ・ド・クリスタル、パリ
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK
《台付蓋付花器》 1885-1889年頃
デザイン:ウジェーヌ・ルソー、パリ 制作:アペール兄弟、クリシィ台と蓋:パニエ兄弟商会
エスカリエ・ド・クリスタル、パリ
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK


 


折しも19 世紀後半、科学技術の発展によりガラスの素材に対する高度な知識が蓄積され、芸術家たちの飽くなき表現への要求と、多種多様な技を駆使する職人たちの果敢な挑戦によって、かつてないほどのガラスの可能性が引き出された時代でもありました。工芸特有の素材や技術の問題などから、デザインの保護、商標登録、特許など、しのぎを削った工場間の競争なども背景にありました。

ケプフ夫人は学術研究と出版を条件にデュッセルドルフ美術館にその貴重なコレクションを寄贈しました。本展は作品ごとの詳細な調査と研究成果の恩恵を受けて、アール・ヌーヴォーのガラス芸術誕生の背景とともに、約140点の作品の魅力をより深く知るまたとない機会となることでしょう。
 

《筒型花器》 1895年頃
エミール・ガレ、ナンシー 制作:ブルグン、シュヴェーラー商会、マイゼンタール
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK
《花器(クリスマスローズ)》1900-1902年頃
ドーム兄弟、ナンシー アンリ・ベルジェ(ナンシー)のデザインに基づく
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK
《花器(スイセン)》 1897年
ドーム兄弟、ナンシー デザイン:エドモン・ラシュナル、パリ
デュッセルドルフ美術館蔵
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf, Foto:Studio Fuis-ARTOTHEK


 

 

開催概要

開館期間:2015年7月4日(土) ~ 9月6日(日)
開館時間:午前10時 ~ 午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:水曜日、8月10日(月) ~ 14日(金)
入館料:一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料
    *20名以上の団体は100円割引 *障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
主 催:パナソニック 汐留ミュージアム、東京新聞
後 援:ドイツ連邦共和国大使館、港区教育委員会

http://panasonic.co.jp/es/museum/

 

(文:制作 PR-N_PR制作部-3  /  更新日:2015.07.08)

この記事へのメンバーの評価

  
  • まだコメントがありません。

バックナンバー

Knowledge and Skill

Group Site

ページトップへ