nendo ミラノデザインウィーク2021 にて
ディオールのアイコンを再解釈し
「柔らかな」ガラスの椅子をデザインを発表
デザインオフィスnendoから、ミラノデザインウィーク2021 Dior展「THE DIOR MEDALLION CHAIR」でメダリオン・チェアからインスピレーションを得た新作デザインを手掛けたニュースレターが届きましたのでご紹介します。
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ディオールのアイコンを再解釈し、「柔らかな」ガラスの椅子をデザインしました。
ファッションメゾン「ディオール」が1946年にパリのモンテーニュ通り30番地に初の店舗を構えた際、シンプルでモダンな内装でありながらも、クラシカルな要素を添えたことが特徴でした。創業者のクリスチャン・ディオールは、ヴェルサイユ宮殿にこそフランスの本質的な美意識が宿っていると考え、中でもルイ16世が使ったと伝わる楕円形の背もたれをもつ「メダリオン・チェア」を愛し、ブティックやファッションショーなどで頻繁に使用したといいます。
ミラノデザインウィーク2021では、18組のクリエイターが招待され、このメダリオン・チェアからインスピレーションを得た新作を展示しています。
ミラノデザインウィーク2021 Dior展「THE DIOR MEDALLION CHAIR」
会期:9月5日~9月10日
時間:11:00~19:00
場所:At Palazzo Citterio Via Brera 12, Milano ⇒ map
・ミラノデザインウィーク2021において、ディオールは17名のアーティストを招聘しメゾンを象徴するエンブレムの一つである「メダリオンチェア」の再解釈を依頼しました。 >>>>
「柔らかな」ガラスの椅子
Dior 創業時の「モダンと伝統の優美な融合」という精神を継承し、このクラシカルなチェアを先端技術を用いて再解釈することにしました。
使用するガラス板は1800×1100 mmの一枚板で、厚みはわずか3.0mm。通常はU字型にしか曲げられないところ、C字型まで深く曲げられる手法を新たに開発しました。
曲げ加工したガラス板を脚兼背もたれにし、またこれとは別にドーム状に成型した3.0mmの厚さのガラス板を座面として使用。
ふたつの部材は成型後、450℃の硝酸カリ溶融塩に浸漬し、冷却することで化学強化加工を施しています。
その結果、ナトリウムイオンからカリウムイオンへのイオン交換を経て表面が硬くなるだけなく、曲げ強度が増し、
引っ掻き傷もつきにくくなりました。
背もたれと座面は、透明度の高いUV接着剤とシリコンコーキング材を使って接着。
これにより、高い透明度がありつつ、ガラスとは思えない独特のしなりや柔らかさのある座り心地が実現しています。
いずれも背もたれが楕円形に切り抜かれていることで、メダリオン・チェアの特徴が軽やかに空中に浮遊しているかのような表情が生まれました。
完全に透明な椅子だけでなく、フロスト塗装を施した椅子、そしてディオールのブランドを想起させるブラックやグラデーション状のピンクの椅子も製作しました。
Photographer: Hiroshi Iwasaki
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部_2 / 更新日:2021.09.09)