【フォト・レポート】竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵

 

 

【フォト・レポート】
竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
―メトロポリタン美術館所蔵

 


日本の竹工芸の評価が近年、海外で高まっています。国内外の美術館で展覧会が開催されるたびに人気を博しています。なかでもニューヨークのアビー夫妻が収集した「アビー・コレクション」が、メトロポリタン美術館に収蔵されるのを機に2017年から開催された展覧会「Japanese Bamboo Art:The Abbey Collection(日本の竹工芸:アビー・コレクション)」は、47万人以上を動員し大きな話題を呼びました。

その「アビー・コレクション」が里帰り展として企画されました。同展は2019年5月18日(土)~6月30日(日)までは大分県立美術館で開催。大分は別府竹細工で知られ、この分野で初めて人間国宝の作家を輩出した竹工芸が盛んな地域です。


2019年9月13日(金)-12月8日(日)の期間、東京国立近代美術館工芸館で開催される会場の様子と、同展に連動した「東京竹芸術祭 2019」の東京とその近郊の22箇所のギャラリーで開催され、そのひとつ、目黒のMin jcwelry & craftsで開催の「籠と花展」での実際の竹工芸の活用などを紹介します。

同展はこのあと大阪でも開催されます。
 

【関連記事】
・竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」を東京国立近代美術館工芸館にて開催します。

 

 

 

| 東京国立近代美術館工芸館での日本の竹工芸:アビー・コレクション





東京会場ではメトロポリタン美術館に収蔵されることになった世界有数の竹工芸コレクション『アビー・コレクション』の中から厳選した、竹工芸作品75件を紹介。アビー・コレクションと工芸館の選りすぐりの名品によるコラボレーションで会場を飾ります。さらに、重要無形文化財保持者(人間国宝)による文化庁制作の「工芸技術記録映画」から、これまでに制作された竹工芸の映像3本すべてを展示室でご覧いただけます。


<展覧会オープニングの様子>


右から文化庁長官 宮田亮平氏 ダイアン&アーサー・アビー夫妻 展覧会を監修したモニカ・ビンチク氏


日本の近現代の竹工芸作品は世界では「アビー・コレクション」として知られています。鑑賞の対象となる竹工芸作家が出てきたのは明治に入ってからです。「竹工芸は海外では芸術品として扱われています。日本では民芸品の一つとみられがちですが、肩書がなくても良いものは良いと評価してくれます。そこに未来の可能性を感じます」。とおっしゃるのは展覧会を監修したメトロポリタン美術館アジア美術部学芸員のモニカ・ビンチク氏。
 


オープング前に開かれた記者会見にて
 

 

会場には人間国宝級の作家の作品が並び、目を引くのは、竹のしなやかさを生かし斬新な表現を見せる芸術作品の数々。ダイナミックで竹の自由な造形美に魅せられます。そうかと思うと編み目がすがすがしい花籠や精緻を極めた細工の茶道具入れなどが並び、会場を廻るだけでその人気の理由がわかります。

竹は力強さと軽やかさが同居する不思議な素材です。気候が温暖で湿潤な地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多く成長の早い植物です。日本でも古くから日用品を作ったり建築資材としても活用したりして、生活に必要な実用品づくりにはかかせない素材でした。このどこにでもある素材を日本の名もない職人たちは巧みにあやつり芸術品へと昇華させてきました。

21世紀においては、日本の工芸の定義や機能が再考、再構築されてきています。若い方々がこの展覧会を訪れることで大いに刺激され、たくさんの未来の竹工芸アーティストが誕生することを期待したいものです。

 

工芸館は2020年、石川県金沢市へ移転します。この工芸館で開催される東京での企画展はこれが最後です。この美しい森の中の美術館と一緒に是非,竹の美術品をご覧ください。
 

【開催概要】
竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵
会期:2019年9月13日[金]-12月8日[日]<
会場:東京国立近代美術館工芸館(千代田区北の丸公園・竹橋)

■東京国立近代美術館工芸館について
工芸館は、日本で最初の国立美術館である東京国立近代美術館の分館として、建築家・谷口吉郎が改修を手がけ、昭和52(1977)年に開館しました。総数約3,860点(平成31年3月31日現在)を収蔵し、近現代の工芸およびデザイン作品を全般にわたって幅広く収集をおこなっています。工芸館の赤レンガの建物は、明治43(1910)年に建てられた旧近衛師団司令部庁舎を保存活用したもので、現在、重要文化財に指定されています。
 

 

 

「籠と花 展」
2019/9/12(木)〜15(日) & 9/19(木)〜22(日) 13:00-19:00
@MIN jewelry & crafts (学芸大学)

2019年9月13日より国立近代美術館で開催されるこの展覧会に連動した「東京竹芸術祭 2019」は、東京とその近郊の22箇所のギャラリーで開催され、MIN jewelry & craftsでは「籠と花展」と題した展覧会が企画されました。

今回、展示の花籠にフラワースタイリストの平井かずみ氏が季節の花を添えます。竹工芸収集家・斎藤正光さんのコレクション、また、竹工芸家・初田徹氏が手がけた日用の道具もご覧いただけます。

竹工芸の現代的な日常での使い方の参考になりますので東京国立近代美術館工芸館と併せてご覧ください。
 


 





 

「籠と花展」
開催日:2019年9月19日(木)~22日(日)
時間:13:00-19:00
場所:MIN jewelry & crafts
東京都目黒区鷹番3-5-6 2F
東急東横線 学芸大学駅西口より徒歩3分
tel:03-6412-8905
(企画展中は、毎週 木・金・土・日 が営業日)
min-gallery.jp

 

 

 

 

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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-2  /  更新日:2019.09.16)

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