【REPORT】IFFT/インテリアライフスタイル リビング2019

 

 

【Photos Report】
『IFFT/インテリア ライフスタイル リビング 2019』
フォトレポート

 

 

2019年11月20日(水)-22日(金)の3日間、東京ビッグサイトの南ホールにて『IFFT/インテリアライフスタイル リビング』が開催されました。今年は世界16カ国・地域、347社から、日本各地の家具産地を筆頭に、テーブルウェア、デザイン日用品、生活用品の商材が一堂に会し、多くの来場者を集めました。

 

7月(例年は6月)に開催の「インテリア ライフスタイル」では、テーブルウェア、デザイン日用品、生活用品、アクセサリーなど小物中心の展示会です。反対に11月開催の「IFFT/インテリアライフスタイル リビング」では、家具類が中心の展示会となります。

『IFFT/インテリアライフスタイル リビング2019』に出展した家具メーカーの中からピックアップでご紹介します。

 

 



今年(2019)7月にオープンした東京ビックサイトの南ホールで開催した『IFFT/インテリアライフスタイル リビング』は、いつもとちょっと雰囲気が違いました。
 

新ディレクターとして谷尻誠氏と吉田愛氏(SUPPOSE DESIGN OFFICE Co., Ltd.)を迎え、オフィスをテーマにした特別企画「 Office-Up」では、国内外家具ブランドと共に、これからの新しいオフィスを提案していました。

今、国内外で注目されている新しい働き方のためのオフィス家具。スタイリッシュにまとめられて展示はとても良かったのですが、新作家具も少なかったためが、大胆な提案がなかったのが残念でした。

 

 

 

■ HIDA - 飛騨産業

飛騨産業の今年秋発表した建築家 隈研吾氏デザインの「クマヒダ」は、大きな会場でもひときわ存在感を放つ美しいチェアでした。

 

クリナップと飛騨産業が協働で開発したキッチン。食卓の近くに小さなキッチンをというアイデアで生まれたコンパクトキッチンですが、幕板部分が幅広い黒になっているためにコンパクトからかけ離れた重たいイメージのデザインになっているような気がします。ですが、改良を重ね、使用時のシチエーションをうまく伝えられれば、新たな家具の登場を予感させてくれるコラボレーションです。

 

 

■ CANDE HOUSE(カンディハウス)



カンディハウスは秋に発売となった新作4シリーズ「EIGHT(エイト)」「ONE(ワン)」「ヌプリ」「クラスト」を展示

デザイナー倉本仁氏とともに開発した、新ハイグレードダイニングシリーズ「ONE」と「EIGHT」は、海道産ナラ材の天板を特長的な中央脚で支える丸テーブルと、工芸的な木部と包容力のあるシェルとのバランスが美しい椅子です。2年に渡りアイディアを出し合い試作を繰り返して完成しました。

 

 

■ KNS (Karimoku New Standard) カリモクニュースタンダード

2009年より家具デザインの新たなスタンダードとなるべく取り組んできたKNS(カリモクニュースタンダード)。渋谷などのスタートアップwo企業オフィスラウンジなどでも使用されて、ミレニアル世代に認知された次世代向けの家具です。
 

本来の価値に比べて有効利用がされていなかった日本の広葉樹のサスティナブルな活用を、ブランドの大きなコンセプトの一つに掲げ積極的に進めています。小径木活用のノウハウの蓄積を活かし、現在ではパブリックスペースなど様々な空間で使用される大型の家具も手掛けています。

 

 

 

■ タイム アンド スタイル


タイムアンドスタイルでは、7月の展示会に引き続き新作のソファを発表。

7月の「インテリア ライフスタイル」展では小倉織(福岡)の生地を使用しての展示でしたが、今回使用した生地は通常の生地(オランダ産)です。新作ソファはデザインを少し見直し、来春発売に向けて修正中です。


 

今回は照明も発表されました。


石州和紙(島根県)を使った新作の照明器具

和紙の原料である楮の甘皮を使用しているので、とても丈夫で、黄色味がかった色味が特徴です。石見地方の神事で使われる岩見神楽(いわみかぐら)は石州和紙で作られていて、この照明も岩見神楽を作る職人さんに作っていただいたそうです。今回はプロトタイプだったため、ざっくりとした仕上り感ですが、今後は貼り方や形状をもう少し繊細にしたいとのことです。
 


一番の注目は大判の無垢天板を支えるブロンズを鋳造した鋳物脚のφ2000の大きなテーブル
 



真っ赤に溶けた金属を杓子で砂型に流しいれ、数時間後に型から取り出し、手作業で丹念に磨き上げて完成させる、職人の熟練した技と根気強さによって作られる、日本の鋳物づくりは弥生時代に始まった最も古いものづくりの技法です。
 


真鍮脚のロングテーブル

ここ数年、世界のインテリア業界は写真のようなロングテーブルを発表するのが支流でした。技術的にも難度を極めるロングテーブルですが、それ以上に大型の丸テーブル製作は苦難の技です。そのため、大型の丸テーブルを発表するのは海外ブランドでも稀です。来年開催される海外展示会に出展予定のタイムアンドスタイルに対して、海外バイヤーの反応が楽しみな新作家具です。

 

<会場全体の様子>

毎回大盛況の各セミナー

 

全体的に新作の少ない「インテリアライフスタイル リビング2019」でした。その中で国内、国外とはっきりしたターゲットを定めて、明確なマーケティング戦略を打ち出してインパクトのある新作を発表するなど未来志向的な出展企業もありました。

東京オリンピック・パラリンピック後に開催される2020年の「インテリアライフスタイル リビング」は、いろいろな意味で節目となる展示会です。世界が日本に注目している年に、より明確に5年先、10年先を考えたものづくりが必要ではないでしょうか。

 

 

 

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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-1  /  更新日:2019.11.26)

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