【PHOTO・REPORT】
気鋭のデザイナー・佐藤オオキと京都作り手たちがコラボ!
nendo×京都の匠の展覧会
「nendo ×京都の匠展- nendo sees kyoto -」のフォトレポート
2022年1月13日(木)~ 2月13日(日)
京都清水寺と二条城で日本が誇るデザイン事務所nendoと京都の匠がコラボした展覧会が開催中です。
※清水寺は2022年2月6日(日)までですでに終了、二条城は2月13日(日)まで開催中。
【開催概要】
会 期:2022年1月13日(木)~ 2月13日(日) ※清水寺経堂は終了しました
会 場:二条城 台所・御清所
時 間:二条城 9:00-16:00(受付終了)
清水寺 西門 6:00-18:00、経堂 9:00-18:00
入場料:二条城 500円(高校生以下 無料)※別途二条城への入城料がかかります
清水寺 無料 ※本堂参拝は別途拝観料がかかります
展覧会の一部を展示を紹介していきます。
浮かび上がる、西の空!
清水寺の展示は西門の階段を鏡面プレートで覆い、普段は見えない西の空の景色を浮かび上がらせようとするもの。
閲覧した日は早朝の曇り空で、所々で青空が広がり映し出された景色はそれはそれできれいな様相でした。ですが、説明文にもあった夕暮れ時の洛中の眺めは、理想郷「極楽浄土」の美しさだったのでしょう。それが見れなかったのが残念です。
目に見えないが、存在するとは!?
清水寺 経堂に展示された観音菩薩の33種の変身に対応した33種の照明は、空中に電気を飛ばす技術を使った照明器具で離れた場所から充電をすることが可能な非接触充電技術に注目した照明器具です。京都大学発ベンチャーのSpace Power Technologies社の協力により、電気をマイクロ波に変換して数メートル先まで飛ばせる次世代送電技術「WPT」を採用。
照明内部にはLEDが取り付けられ、別の場所から飛ばしている電気によって発光するため、配線類は存在しない。
もうすぐ配線のいらない世界がやって来る未来的な製品です。
音羽山清水寺での展示は2月6日(日)まででしたが、元離宮二条城での「nendo ×京都の匠展- nendo sees kyoto -」は、2月13日まで開催します。
そこに確かに風神が!雷神が!!
京指物と彫刻の技術で制作された、木格子の「風神雷神図屏風」は金物の釘や接合道具を使わず、組手だけで木と木を組み合わせる日本の伝統工芸。使用した素材はヒノキでねじれた形状の部材同士を組み上げる作業は難易度が高く、また歪みや反りへの対策も困難を極めています。最後にガラス塗装を施すことで、木目を生かしたマットな仕上げとなっています。
燃やさず、みていたいお香?
まるで水引や帯締めにしか見えないお香。お香が2つ結び合っている箇所では、2つの香りが混ざり合うのが特徴。つなぐ長さや結び目の数により、最初に、Aの香りが5分。次に、AとBが混ざった香りが5分。最後に、Bのみの香りが5分といった具合に、時間の経過と共に香りが連続的に変化していくようになっています。
ひっくり返って、あら不思議!
竹割から紙貼りまで一貫して手作業で行われる伝統的な京提灯の特長は、その強度の高さと丈夫さにあります。竹ひごを間接のように使うことで「裏返し」ができる提灯。
自身の一部を飲み込んでいるようなものや、3重に入れ子状になっているもの、さらには内部を通過して反対側から顔を覗かせているものなど、10 種類の提灯を作成。屋外で使われることの多い京提灯は、本来は厚めの和紙を使用しますが、このデザインの特徴を活かすために、透過性の高い絹を表面に貼って仕上っています。
お茶碗が飲むってどういうこと!?
「潤碗(じゅんわん)」は、色素を含んだ飲み物を茶碗伊吸い込ませ、本来は「器で飲む」はずが、「器が飲む」ことで自ら模様を描きだす器です。
軟質かつ多孔質に仕上がり、細かいヒビ割れや亀裂などが独特な風合いを生み出す柔らかな土質を生かした素地は、
器の内と外でも染み方に違いが見られます。
さらに、ひとつの器に対して2箇所から同時に異なる飲料を吸わせると器を一度切断し、再び接着し直して「防水壁」を作ることで左右の染まり方が変化しています。
水引のように見えてお香だったyuikou、竹ひごを関節のように使って裏返しができる提灯、お茶碗にお茶やジュース、コーヒーを飲ませて模様を描き出す焼き物などnendo ワールドが炸裂した作品ばかりで、nendoの展覧会閲覧は久々でしたが、やはり期待を裏切らない楽しい展覧会でした。
このような古典的な文化と最新技術をコラボさせるものは日本しか出来ないのでは?そう思わせる展示ばかりです。清水寺の展示は残念ながら2月6日日曜日まででしたが、二条城の展示は2月13日まで開催します。
お近くに滞在の方は是非足をお運びください。
nendo 京都 清水寺・二条城にて、展覧会「NENDO SEES KYOTO」を開催 >>>>
展覧会、および各作品の詳細は こちら
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佐藤オオキ
1977年カナダ生まれ。2015年、ミラノ万博「日本館」内ギャラリーの空間プロデュース及び日本各地の伝統工芸品とのコラボレーション作品をデザイン。2021年、東京オリンピック・パラリンピックの聖火台をデザイン。大阪・関西万博ウ日本政府感総合プロデューサーに就任。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部_3 / 更新日:2022.02.08)