ING_EST_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Alessandro Russotti (Porro)
新フォーマットが業界関係者、バイヤー、一般来場者を魅了
Salone del Mobile.Milano 2023
第61回ミラノサローネ国際家具見本市15%増を記録し閉幕
2023年4月18日(火)~23日(日)まで開催の第61回ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)事務局から、閉幕状況のメールが届きましたのでご紹介します。
・【ミラノサローネ速報】Salone del Mobile.Milano 2023 開幕 会場様子を紹介!!>>>>
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4年ぶりに4月開催となったミラノサローネ国際家具見本市は閉幕しました。Salone del Mobile.Milano 2023|第61回 ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)は307,418人が来場、2022年比で15%増を記録し、見本市の新形態の成功と、イベントの触媒的な力を確認し閉幕しました。
合計2000を超える展示は34%が37カ国から参加、そのうちサローネサテリテ参加若手デザイナー550人は31カ国から、デザイン学校・大学28校は18カ国から参加しました。
来場者数では、6日間で181カ国から307,418人(2022年比15%増)の来場者を記録しました。バイヤーや業界関係者のうち国外からは65%を記録。中国がイタリアに次いでトップの座を奪還し、ドイツ、フランス、米国、スペインと続き、ブラジルとインドが同数を記録しました。
ジャーナリストは5,400人以上が参加し、うち47%が国外からでした。
マリア・ポッロ氏
INA18_Conferenza stampaCourtesy Salone del Mobile.Milano - Francesco Rucci
ミラノサローネ代表、マリア・ポッロ氏のコメント:
「第61回ミラノサローネは、国際的な成功を収め、期待以上の結果を出すことができ大変嬉しく思っています。来場者の方々に新しい感覚と価値を与え、新しい体験を提供するために懸命に、深く、根本的に取り組みました。
サローネのような巨大イベントを未来へ向けて再設計することは可能であること、システム全体が結束していれば持続可能性というゲームに勝つことができること、新しいコンテンツを想像して知識、成長、価値を生み出すために利用できることを学んだのです。来場者を中心に据えたことで、容易に道順を把握し、目的の企業に出会うことができました。出展者は、ターゲットとする来場者だけでなく、新しいレイアウトによって新たに出会えた業界関係者にも、プレゼンし、ストーリーを伝える機会を提供できたこと、そして、エウロルーチェの多くの講演やラウンドテーブル、展示によって、来場者すべてに学びと成長の機会を与えられたことに満足しています。私たちは品質に投資し、イノベーションを生み出し続け、企業や製品の 『ストーリーを伝える』ことを続けていきたいという想いを示しました。私たちは再び、街を再点火させるエンジンとなったのです。
イタリア貿易促進機構(ITA/ICE)の貢献は、インドなどの新市場や米国などの成長市場への開拓をサポートする貴重で不可欠なものでした。また、デジタルの役割は極めて重要で、前月に引き続き今週も、新しい国々とのコンタクトを可能にすると共に、参加できなかった国国々との強い関係を維持することができました。
サローネの新しい提案に賭けてくれた企業の方たち、このイベントを信じて参加くださったオーガナイザーや施工関係、キュレーターの方たちの労力に感謝します。アイデアと文化交流が重要であり、サローネサテリテと共に未来や次世代のことを考えることが、時間をかけて価値を築く方法である、と意識しながら、新しくグローバルな、気づきのある体験を提供したいという熱意と想いを、誰もが感じられたと信じています」
クラウディオ・フェルトリン会長
INA18_Conferenza stampa_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Francesco Rucci
FederlegnoArredo(イタリア家具工業連盟)クラウディオ・フェルトリン会長のコメント:
「出展者は資源を、来場者は時間を有効に活用した『数字』がそれらを物語っています。この1週間で感じられた熱意、そしてプレスや業界関係者が大勢来場し、トレーニング、国際化、持続可能性、イタリア産木材による短いサプライチェーンといった木材家具産業にとっての基本テーマを共有しました。またサローネは、イタリア人出展者の数が最も多く、海外からの来場者を惹きつけることができる唯一のデザインフェアであることを改めて証明することができました。それは、エウロルーチェが革新的で非常に民主的な見本市モデルであり、出展者と来場者に評価され、2024年4月のサローネだけでなく、世界レベルのすべての見本市にインスピレーションを与えると確信していることです。しかし、世界レベルでは、サローネだけが 『サローネ』 なのです」
・サローネが優れたデザインを世界に発信し、国際的な才能を引きつけるモデルであることを証明
ジョルジア・メローニ首相をはじめとする政府・機関関係者の来場は、サローネの質の高さと存在価値、そしてこの分野全体の重要性を証明しており、また、サローネがイタリア経済の主要な推進力のひとつで、優れたデザインを世界に発信し、国際的な才能を引きつけるモデルであることを証明しています。
PRESS CONFERENCEの会場様子
SMM_PRESS_CONFERENCE_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Andrea Mariani
SMM_PRESS_CONFERENCE_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Andrea Mariani
イタリア貿易促進機構(ITA/ICE)とSIMEST (イタリア企業の海外進出支援協会)の決定的なサポートは、見本市の国際的な価値を確認するだけでなく、64カ国から220人以上のバイヤーと240人以上のジャーナリストを招待し、出展企業に会う機会を提供しました。また、このイベントの実現に貢献した会場主、Fiera Milano (フィエラミラノ) との緊密な連携も重要でした。
・持続可能なイベントマネジメントのためのISO20121認証を取得した業界初の見本市
持続可能なイベントマネジメントのためのISO20121認証を取得した業界初の見本市であり、その企画面でも運営面でも、持続可能性に大きな関心を寄せているエウロルーチェやサローネサテリテの展示や、多くの出展社により、国連が掲げる『持続可能な目標』に沿って、人々の幸福、環境保護、家庭、資源の有効活用に貢献できる新しいビジネスアイデアや技術ソリューションの国際的な舞台となりました。
「The City of Lights」展 会場
TCL_Nannucci_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
Beppe Finessiのキュレーションによる「The City of Lights」展は、エウロルーチェを、光に関連する様々な分野の創造活動からなる時空の連続体へと変貌させ、発見の機会、過去と未来への考察、テクノロジーと詩、建築とデザインとの対話の場として、成功をおさめました。エレーヌ・ビネ、マッシモ・クルツィ、マッテオ・ピローラ、From outer Space、マルティーナ・サンツァレッロ、ミケーレ・カルツァヴァーラ、ベルフ・ベンギス・ゴーレンといった作家たちが、そのデザイン、言語、美学の多様性によって、来場者に「光り輝く」、時には矛盾する体験に多くの賞賛の声が寄せられました。
TCL_FiatBulb_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Andrea Mariani
TCL_Albe_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
TCL_Nannucci portrait_ Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
それらは、オブジェ、写真、ドローイング、彫刻、ビデオ、そして巨匠マウリツィオ・ナンヌッチの強烈なサインによるサイトスペシフィック・インスタレーションと6つの特別展示が主役となり、更にはフォルマファンタズマがデザインした7つの「コステレーション」と名付けられた建築物と展示が開催されました。
・アンナリーザ・ロッソがキュレーションしたトークイベント
坂茂氏
TCL_Talk19_ShigeruBan Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
TCL_Talk19_Shigeru Ban Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
田村奈穂氏
TCL_Talk20_NaoTamura_ ourtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
TCL_Talk20_NaoTamura_ Courtesy Salone del Mobile.Milano - Diego Ravier
アリーナ「AURORE」(フォルマファンタズマ設計)では、アンナリーザ・ロッソがキュレーションしたトークイベントが開催され、坂茂氏、田村奈穂氏、スノヘッタのシェティル・トレーダル・トールセン氏とマリウス・マイキング氏、 MAD Architectsのアンドレア・ダントラッシ氏が登壇。
・サローネサテリテ・アリーナでの巨匠ガエタノ・ペッシェ の講演
SAT_GAETANOPESCE_ ourtesy Salone del Mobile.Milano - Ludovica Manghi
そしてサローネサテリテ・アリーナでの巨匠ガエタノ・ペッシェ の講演も大勢が参加し高い評価を得ました。これはデザインの基本テーマとその社会・環境価値について論じる意欲がこれまで以上に生きているという証しです。コライーニ・モバイル・ブックショップではデザイン、アート、建築に関する最高の出版物を販売、何千人もの来場者の関心を引きました。
・600万以上のビデオビューと約8,000万インプレッションを記録
ミラノサローネ2023の開催期間中、デジタルプラットフォームが記録したデータもまた、期待をはるかに上回りました。ウェブサイト、ニュースレター、アプリ、プッシュ、ソーシャルネットワークでは、見本市の展開、一般ユーザーやブランド向けの活動、イベント、製品、ワークショップ、インスタレーションなど、各社が発表した新商品について毎日報告されました。前週から開始された活性化プランに沿ったライブアカウントと、関係者全員の舞台裏の活動も紹介するマルチチャンネル企画。ソーシャルでは、3,000万アカウントにリーチ、コンテンツは600万以上のビデオビューと約8,000万インプレッションを記録しました。
MP_ ourtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
一方、ウェブサイトでは、約100万人の訪問者と700万回以上のページビューを記録しました。アップデートされたSalone del Mobile.Milanoアプリは、新しいインタラクティブマップサービスを搭載、年初からダウンロード数が3倍に増加しました。このアプリは、フェア期間中に35万回以上のセッションを記録し、マッチングサービスでは75万回以上のスキャンを記録、来場者の体験をサポートするとともに、出展者との効率的なやり取りを促進します。また、中国版WeChatチャンネルでの専用コンテンツの体系的な公開、フェアで開催された講演のストリーミング配信、今回の主人公の声を収録したポッドキャストの毎日の配信など、世界規模でのストーリーテリングに貢献しました。また、TikTokチャンネルを開設し、コンテンツ制作者のナレーションによるストーリーテリングを行い、400万回の動画再生と300万人以上の視聴者を記録しました。また、Piquadroのバックパックが当たるコンテストなど、いくつかのAR(拡張現実)活動も展開され、10,000以上のセッションが登録されました。見本市期間中、デジタルメディアHighsnobietyとのコラボレーションも正式に決定し、新しいターゲットである、文化や市場の革新に敏感な新しい国際的な世代に向けて、コンテンツを毎日更新しています。編集作業と並行して、限定商品(Tシャツ、スウェット、キャップ)のコレクションを制作し、「Salone del Mobile」の絶対的なアイコン性を強調しました。
意識的な革新の道を進むため、今回の開催では、企業、デザイナー、デザイン愛好家、サローネを訪れる国内外の文化シーンの主要人物に対して、1,200件のインタビューが行われました。
出展者、来場者、関係者がどのように見本市を体験し、どのように受け止めているのか、彼らの期待、目的、要望は何か、彼らの参加への動機づけ、興味、影響は何かを知ることは、サローネが時代を先取りし、その内容や提案をより良く進化させていくための基本です。また、キッチン・バスルームに特化したワーキングテーブルから得られた結論と合わせて、次回の開催に向けた作業やシナリオを設定することが可能になります。
・デザイン学校コラボレーションによる「ウェルカムプロジェクト」
ミラノサローネの国際的な役割と、ミラノという都市の包容力とホスピタリティを強調するために、ミラノ市、フィエラ財団、ミラノの主要なデザイン学校(Nuova Accademia, IED Istituto Europeo di Design, Scuola del Design/Politecnico di Milano)とのコラボレーションによる「ウェルカムプロジェクト」が行われました。
OUT_Malpensa_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Accoglienza_Staz-CADORNA_ ourtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Staz-CENTRALE_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Staz-CENTRALE_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Accoglienza_Staz-CENTRALECourtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Staz-CENTRALE_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Luca Fiammenghi
OUT_Aulenti_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Alessandro Russotti (Porro)
OUT_Castiglioni_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Alessandro Russotti (Porro)
out_tram_Courtesy Salone del Mobile.Milano - Alessandro Russotti (Porro)
ミラノ市内の要所に配置された100名の学生たちは、世界中から集まった数千人の来場者に、モビリティ、見本市、ミラノサローネの出展に関する情報を提供しました。彼らの調査によると、来場者は電車や地下鉄など、環境に配慮した方法で見本市を訪れていることがわかりました。
次回のミラノサローネ国際家具見本市の開催は2024年4月16日〜21日予定です。
画像提供:Salone del Mobile Milano
> サローネ・デル・モービレ(ミラノサローネ国際家具見本市)公式ホームページ
About Milano Design Week
毎年4月にイタリア・ミラノで行われる世界最大規模のデザインイベント。会場の中心は、ロー市にある東京ドーム11個分の広さをもつと言われる巨大展示場「フィエラミラノ」で開催の、略称でミラノサローネとも呼ばれているサローネ・デル・モービレ・ミラノ(ミラノサローネ国際家具見本市)。毎年1400を超える企業と500名を超える若手デザイナーが出展し、国内外から約40万前後の来場者がある。最先端のデザイン、インテリアが集まる国際的なイベントとして世界の注目を集めている。それに対して、ミラノ市内各所で行われるデザインイベントがフォーリサローネで、ミラノサローネとフオーリサローネを総称して「ミラノ・デザイン・ウィーク」と呼ばれている。現在活躍している多くのデザイナーやメーカーは、このイベントの出展から世界へと羽ばたいている。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3 / 更新日:2023.04.26)