ミラノサローネ2011 出展企業特集1

 

 

 

日本人作家と日本メーカーが発信するジャポニズムの誇り〜カリモク〜

日本における「西洋家具」の国産メーカーとして、業界を牽引してきた「カリモク家具」。60年代の家具を、現代にも通用する普遍性の提案として復刻させた「カリモク60」が、当時を知らない若者からも人気を集めている同社ですが、今年のミラノサローネでの発表は、JOTARO SAITO氏とのコラボレーションシリーズでした。

着物・テキスタイルデザイナーであるSAITO氏による、京都の西陣織デザインをモダンファニチャーに落とし込んだ今年の作品。SAITO氏監修によるカリモク家具展示スペースも、独特の世界観を反映した空間に作り込まれ、カリモク家具とSAITO氏が提案する「次世代のジャポニズム」を表現していました。日本の織物を代表する西陣織。伝統的な西陣織に新たな可能性を模索し続けているSAITO氏が、「karimoku.JP」や「蓮夕シリーズ」のファブリックを、「座る」ためにアレンジ。柄やデザインにより強度が変わるため、織りの目をつめるなど試行錯誤しながら張り地へと変身させました。

 

ミラノサローネ2011

下写真のソファは、立体的に編まれた機能性の高い素材を座面に使い、クッションはあえて薄いものを使用。細めのマチ部分に“西陣織ファブリック”を入れることで、伝統だけに偏らないモダンな印象を醸し出しています。これまで“繊細”や“優美”といった女性的なイメージを与えていたキモノファブリックを大胆にデザインすることで、今までの「日本的な」印象をガラリと変えた今回の新作。

ミラノサローネ2011

力強く個性的でありながらも、性別国籍を問わず使用できるデザインに仕上げられ、洗練された空間がイメージできるシリーズでした。

ミラノサローネ2011

職人の熟練技術を大切にしながら最新テクノロジーを活用するカリモク家具と、西陣織という伝統世界で新たな表現を提案するJOTARO SAITO氏のコラボレーション。ニッポン発の「次世代のジャポニズム」を印象づけた展示でした。

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(文:KEIKO YANO (矢野 恵子)  /  更新日:2011.05.04)

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