【レポート】中川政七商店初の複合商業施設・まちづくりの拠点「鹿猿狐ビルヂング」


 

奈良を元気にする!日本の工芸を元気にする!
中川政七商店初の複合商業施設・まちづくりの拠点
中川政七商店奈良本店、猿田彦珈琲、㐂つね、JIRINが入店する
「鹿猿狐ビルヂング」4月14日グランドオープン

 

 

1716年創業の奈良の老舗・株式会社中川政七商店は、2021年4月14日(水)、同社初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」を、奈良市元林院町(ならまちエリア)に開業します。

2021年2月12日(金)に記者発表がありましたので紹介します。


左から
・sio株式会社 代表取締役 鳥羽周作氏
・猿田彦珈琲 代表取締役 大塚朝之氏
・内藤廣建築設計事務所 内藤廣氏
・代表取締役社長 千石あや氏
・中川政七商店 代表取締役会長 中川政七氏


 

奈良を元気にする!日本の工芸を元気にする!

中川政七商店は、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、3つの事業を展開しています。一つは工芸業界初のSPA(製造小売り)業態を確立し全国に約60の直営店を展開するSPA事業。二つ目が業界特化型の経営コンサルティングや教育講座、合同展示会「大日本市」などを行う産地支援事業。そして創業の地である奈良のまちづくりに取り組む事業として「N.PARK PROJECT」を開始しました。


・奈良で「産業観光」のモデルケースをつくる
現在の工芸品産地出荷額は900億円と、1980年代の5,500億円をピークに6分の1程度まで低迷しています。工芸の復活には、ものづくりだけでなく、それを生み出す産地自体が活性化することが必要と考えている中川政七商店は、産地へ人を呼び込む「産業観光」を奈良で実現し、モデルケースとなることを目指しています。産業観光では、ものづくりの現場に触れられるワークショップや工房見学をはじめ、わざわざ足を運びたくなるような飲食店や心地よい宿など、複数の魅力あるコンテンツが必要です。複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」は、こうしたスモールビジネスを加速させる拠点として、奈良の地にオープンします。
 

・中川政七商店初の複合商業施設 「鹿猿狐ビルヂング」4月14日グランドオープン >>>>



それでは、4月14日グランドオープンする「鹿猿狐ビルヂング」を紹介していきます。

・路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良。
中川政七商店の鹿、猿田彦珈琲の猿、㐂つねの狐で3匹が集うこの建物は「鹿猿狐ビルヂング(しかさるきつねびるぢんぐ)」と名付けられました。この複合商業施設がオープンするエリアは、猿沢の池越しに興福寺の五重塔を望み、少し坂を登れば春日大社、鹿がのんびり草を食むその奥には大仏様のいらっしゃる東大寺という、古き良き古都奈良の風景が広がり、近くには1909年(明治42年)に開業した老舗の「奈良ホテル」や、奈良国立博物館なか仏像館などがありJR奈良駅から約7分という奈良の観光名所が集まったところです。

細い路地が入り組んだ迷路のようなならまち元林院町に300有余年商いを続けてきた中川政七商店は、その創業の地に2021年春、新しい集いの場を誕生させます。


工事途中の鹿猿狐ビルヂング


 

・建築設計は建築家・内藤廣氏

約126坪の敷地面積に3階建ての同施設の設計は日本を代表する建築家の一人、東京大学名誉教授でもある内藤廣氏。

・内藤廣設計図面集 初期の代表作「海の博物館」(1992)から近作「日向市庁舎」(2019)まで>>>

建築について内藤廣氏は、「まず考えたのは、街並・伝統・現代・近未来を建築として表現する、ということです。屋根を瓦葺きにし、通りに面した軒庇を細かく分節化して、ファサードを街並みと違和感がないように作り込んでいます。」

続いて「建物は3階建てなので鉄骨造ですが、この架構には高度な現代技術を駆使しています。柱間の寸法を伝統的な建物で使われる3.6m(二間)にして柱を細くすることができたので、内部の空間も周りの木造の建物の空間に調子を合わせた雰囲気になるはずです。」

「街並みに合わせた瓦屋根と現代技術を駆使した繊細な鉄骨造、これがわたしたちが目指したこの建物の特徴です。でも街それ自体がそうであるように、建物はここでの飲食やお店などのさまざまな活動が営まれる背景でしかありません。歴史を紡いできたこの街の一角から、近未来を感じ取れるような「今」という背景を生み出すことができたら、と思っています。」

開放的なガラス窓と周囲の街並みを活かした瓦屋根が特徴の建物の中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古きよき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間が生まれます。




中川政七商店がつくる、新しい奈良の拠点

江戸時代中期、中川政七商店は麻織物「奈良晒」の問屋として奈良に創業し、日本の工芸をベースにした生活雑貨をつくり続けてきました。その中で、近年進めてきた産業観光の取り組みを、創業の地である奈良で実現すべく、まちづくりの拠点となる複合商業施設をオープンします。

コンセプトは、“路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良”。

このコンセプトどおり、この場所でしかできない買い物や飲食、ワークショップなど様々な体験型コンテンツが用意して、奈良に暮らす方および国内外から訪れる方が、より一層奈良の魅力を感じていただける拠点を目指します。
 





・施設内 紹介

施設内には、創業の地に満を持して構える旗艦店「中川政七商店 奈良本店」、関西初出店となるスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、ミシュラン一つ星掲載店による初のすき焼き店「㐂つね(きつね)」、まちづくりの拠点となるコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」を展開します。

▼ 1.2階 旗艦店「中川政七商店 奈良本店」

800を超えるつくり手と生み出す約3000点の商品に出会える「中川政七商店 奈良本店」。300年の歴史が紡いできた、いまの暮らしに寄り添う暮らしの道具を手に取っていただけるとともに、本店でしか購入できない限定品など奈良を訪れる記念となるような商品を用意。施設全体を通して、中川政七商店がつくる暮らしの道具の根底にある、奈良という土地から生まれた価値観や美意識を感じることができます。
 

・【Photos Report】日本最大旗艦店「中川政七商店 渋谷店」紹介 >>>>

 

▼ 1階 スペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」

「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」をモットーに、東京・恵比寿にて創業したスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」は、創業者である大塚朝之氏が自ら厳選した高品質のコーヒー生豆を、独自の知見と技術を生かし、焙煎から抽出までこだわりと誇りをもって提供しています。関西初出店となる同店は、開放的なガラス窓に面した空間が特徴。古きよき趣が残る街並みの中で、究極の一杯を楽しめます。


 

▼ 1階 すき焼き店「㐂つね(きつね)」


東京・代々木上原にあるミシュラン一つ星掲載店「sio」による初の、すき焼きをメインにコースにしたレストランです。これまでのすき焼きをアップデートする温故知新の料理をはじめ、食を通じて奈良で過ごすひとときに感動が味わえます。観光の合間やランチ代わりに気軽に楽しんでいただけるよう、お弁当のテイクアウトも用意してあります。

 

 

▼ 3階 まちづくりの拠点となるコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」

3階の「JIRIN」は、中川政七商店による初のコワーキングスペース。奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARKPROJECT」の拠点として誕生した、共に働き、共に学ぶ場です。興福寺の五重塔を臨む窓が広く心地よい空間には、BACH・幅允孝氏が選書したライブラリも用意。中川政七商店が企画する経営講座やトークイベントなど、奈良での創造的な活動を支援するプログラムを開催予定です。
URL:n-park-project.jp/jirin/

 


 

・近隣施設 紹介

「鹿猿狐ビルヂング」の近隣には歴史を感じさせる建物が点在します。その中で中川政七商店の300年の歴史の建物も公開されます。

▼ 築100余年の町家を活かした「遊 中川 本店」

遊 中川 本店

築100余年の町家を活かした「遊 中川 本店」では日本の染織技術に支えられた服や服飾小物などが四季折々に並びます。中川政七商店初の直営店として1985年にオープンした空間は、「中川政七商店 奈良本店」の一部としてリニューアルしました。

 

▼ 茶論 奈良町店


「茶論 奈良町店」では観光の合間にほっと一息過ごせる喫茶をご用意!茶道の新しい楽しみ方・学び方を提案する「茶論」は、季節の美味しいお菓子・選りすぐりのお茶を提供ししています。

 

 

▼ 築100余年の町家の貯蔵庫を改装した時蔵・布蔵


時蔵

 


布蔵

貯蔵庫を改装した「時蔵」「布蔵」では、中川政七商店の歴史を体験できるコンテンツが用意されます。中川政七商店の300年の歴史がアーカイブされる「時蔵」と、手績み手織り麻の道具に触れられる「布蔵」を公開します。築100余年の町家の貯蔵庫を改装した「時蔵」や「布蔵」とともに、中川政七商店の歴史を辿ります。
 

・工芸が “読める ”初の書店一体型店舗「中川政七商店 奈良 蔦屋書店」2020年4月4日グランドオープン >>>
 

我々が共に志すのは、古きを学び進化し続けること。ふと気がつけばこの奈良という街もそうした進化を繰り返してきた場所です。古の歴史の深さを垣間見せながら、同時におおらかで新しい。奈良に住まう人も訪れる人も、足を踏み入れた路地の先々で、そんな今の奈良に出会っていただけると思います。-中川政七商店
 

 

画像提供:中川政七商店
記者発表会場画像:インテリア情報サイト

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【施設概要】
施設名:鹿猿狐ビルヂング
テナント数:4店舗(中川政七商店 奈良本店、猿田彦珈琲、㐂つね、JIRIN)
※近隣に「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」「時蔵」「布蔵」あり
所在地:奈良県奈良市元林院町22番(近鉄奈良駅より徒歩7分)
設計:内藤廣建築設計事務所
敷地面積:126.98坪(419.06㎡)
延床面積:241.16坪(795.84㎡)
施設U R L: https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune/

 

・中川政七商店初の複合商業施設 「鹿猿狐ビルヂング」4月14日グランドオープン >>>>


 

 

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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-3  /  更新日:2021.02.15)

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