中古住宅購入から完成まで
リノベーション体験記vol.4―炎上!家族会議
趣味の違い乗り越えられる?
「築25年マンション、95㎡、眺望よし、東南東向きの角部屋」という物件をリノベーション前提で購入したインテリア情報サイト編集部スタッフK一家の、家が完成するまでのリノベーション体験記。
# 中古住宅購入から完成まで リノベーション体験記 vol.1~17
「新しい家、希望があれば聞いておきたいんだけど。自分の部屋は完全に独立させたいんだよね?他にはある?」
はじめて建築事務所に打ち合わせに行く日の前夜、私は夫にこう聞いてみました。昨年(2013年)の、10月中旬のことです。
だって、リノベ関連の本やサイトには必ず書いてありますよね。「どんな住まいで、どんな暮らしがしたいのか、家族で話し合いましょう」と。
ですから、家についての具体的な要望から、今後の暮らしや家族のことまで、ざっくばらんに夫婦で夢を語り合っておこう、と思ったのです。
けれど、彼の反応は予想外なものでした。
「話し合っても憂鬱になるだけ」
「え?別にないよ。まあ、ソファでゆっくり、外の景色も楽しみつつテレビ見れるように。あと自分の部屋は自分の好きにする。それくらい」
「…え…」
「それより君、自分の書斎コーナー作りたいってメモにあるけど、どこに作るつもり?決まってないと明日相談できないよ?」
「いや、そんなことは…」
「君がこうしたいと思ったらそうなる、したくなかったらならない、それだけなんだからさ」
「…なんかすごく他人事だよね。自分の家作るためなのに、それじゃ建設的な話し合いができる気がしないんだけど」
「うん、だってオレの希望なんか通るわけないし。話していてもなんか憂鬱になるだけで、夢なんてふくらまないし」
「…わかった。もうやめよう。おやすみ」
議論は紛糾し、私たちは心に苛立ちを抱えたまま眠りについたのでした。
言うまでもなく、こうなった原因は私の方にあります。
理想のインテリアを実現させるためには、わがままにならないと。
そう思っていた私は、最初に「内装だけは私の好きなようにします。長年の夢だったんだから反対は受け付けません」と宣言しました。
「部屋をあまり片付けない夫にインテリアの趣味なんてないだろうから、まあ大丈夫だろう」とタカをくくっていたのです。今思えば、彼が投げやりになるのも当然のこと。そんな状態で、家に対する夢を楽しく語り合えるはずなどありません。
夫は、壊れたところだけ直せばあとはそのままで十分かっこいい家になるじゃないか、お金なんかかけなくたって…と思っていたようです。けれど、鼻息も荒くリノベへの意欲を燃やす私に、それを言えなかったのです。
私たち夫婦は、趣味も価値観も全く違います。他人同士ですから当然ではあるのですが、それにしても共通点が少ないのです。けれど忙しさにかまけて、その距離を縮めるための努力をしていませんでした。モデルルームやリノベーション会社のセミナーにみんなで行ってみるなど、できることはたくさんあったはずなのですが…。
それでも要望リストを持って建築事務所へ
とにかくケンカの末に、断片的な要望を連ねたリストが一応出来上がりました。
vol.2で紹介したものと一部重複しますが、ここで改めて重要なものを載せておきます。
・床は無垢材にオイル塗装。下に遮音マットを敷く。樹種は肌触りのいい杉に興味がある。
・建具は集成材か突き板+フラッシュ構造。木目は横向き。
・妻の小さな作業コーナーを造る。位置は、2つの洋室の間がよいと思う。子供を寝かせる和室との行き来をスムーズに。そのため和室の押入れを撤去し引き戸にする。
・押入れのかわりに奥行き60センチくらいのクロゼットを壁一面に造り、そこに服や4つ折にした布団を収納。
・予算が許せば、和室の床を少し上げて腰掛けられるようにしたい。
そして翌日、私たちはこのリストを手に、相談のためはじめて建築事務所を訪れたのです。
次回へ続きます。
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※この記事は中古のマンションをリノベーションしたインテリア情報サイト編集部スタッフの執筆によるものです。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部-1 / 更新日:2014.08.24)