裏参道に完成した公衆トイレ外観(撮影:永禮賢)
【レポート】
「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは裏参道に
マーク・ニューソン氏デザインの公衆トイレが完成
日本財団の誰もが快適に利用できる公共トイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」は、渋谷区17ヶ所目の公衆トイレを明治神宮の北参道近く(裏参道)に設置しました。
マーク・ニューソン デザインの公衆トイレ
住所:渋谷区千駄ヶ谷4-28-1 ⇒ map
THE TOKYO TOILET とは、多くが暗い、汚い、臭い、怖いといった理由で利用者が限られている状態にある公共トイレを、トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴と考え、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に利用できる公共トイレを設置するプロジェクトです。すでに渋谷区内17カ所(裏参道含む)に設置しています。建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏などが参画し、優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信。加えて、訪れた人々に気持ちよく利用できるよう、従来に比べ清掃をはじめとしたトイレの維持管理を強化しています。これにより、利用者自身が次に使う人のためを思う「おもてなし」の心の醸成も目指します。
特設サイト:https://tokyotoilet.jp/
今回裏参道に設置した公衆トイレをデザインしたマーク・ニューソン氏は、1963年オーストラリア生まれのロンドン在住のインダストリアルデザイナーです。日用品からジェット機までジャンルを超えた幅広い分野で活躍するクリエーターで、クライアントにはAppleやエルメス、ナイキなどがあり、作品は世界各国の主要なデザインミュージアムにコレクションされています。2005年タイム誌の「世界で最も重要な100人」に選ばれました。
・「デザイナーをもっと知ろう!!」シリーズ。オーストラリアのプロダクトデザイナー、マーク・ニューソン >>>
内観(撮影:永禮賢)
•クリエイター マーク・ニューソン
■コメント
私にとって、このトイレは内からも外からも信頼でき、誠実さが感じられるデザインであることが重要です。明るい内装は、私の好きな色であるグリーンの単色でシームレスかつ衛生的に仕上げられています。このトイレのデザインでは機能性、シンプルさ、そして心地よく永続的な空間であることに重点を置いています。渋谷にたくさん存在する隠れた名所のように、このトイレが魅力的でとても便利な存在になることを願っています。
■コンセプト
私のデザインは、銅製の「蓑甲(みのこ)屋根」をはじめとする日本の伝統的な建築の引用が中心となっています。トイレが賑やかで超近代的な場所にあっても、神社仏閣や茶室、農村部などによく見られるこの屋根の形が、潜在的に心地よさや安らぎを感じさせるものにしたいと思いました。銅のピラミッド型屋根の緑青は、時とともにこの建築物を街に溶け込ませ、東京を織りなす構造の一部となることでしょう。
撮影︓Prudence Cumming Associates, Gagosian
マーク・ニューソン デザインの公衆トイレ
住所:渋谷区千駄ヶ谷4-28-1 ⇒ map
清掃は1日に3回。清掃員が着用するユニフォームはファッションデザイナーのNIGO®️が監修
THE TOKYO TOILETでは、誰もが気持ちよくトイレを利用できるように、清掃をはじめとしたメンテナンスも重要と考えます。日本財団、渋谷区、一般財団法人渋谷区観光協会の三者で、メンテナンスに取り組みます。さらに、トイレの維持管理のプロフェッショナルである「トイレ診断士」による診断を受けながら、メンテナンスを向上させます。
公共トイレは長く使い続けていくものです。訪れた人々が気持ちよく利用でき、さらに利用者自身が次の人のためを思う「おもてなし」の心の醸成を目指します。
協力
トイレの設計施工には大和ハウス工業株式会社、トイレの現状調査や設置機器・レイアウトの提案にはTOTO株式会社のご協力を頂いています。
THE TOKYO TOILET:https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/thetokyotoilet
•日本財団について
痛みも、希望も、未来も、共に。日本財団は1962年、日本最大規模の財団として創立以来、人種・国境を越えて、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など、幅広い分野の活動をボートレースの売上金からの交付金を財源として推進しています。
https://www.nippon-foundation.or.jp/
2020年~2022年の短期間に17ヶ所の公共トイレを渋谷区に設置。この狭い地域に17ヶ所も必要なのでしょうか。それもすべて著名な建築家、クリエーターやデザイナーによる公共トイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」です。スタートしたときは、日本が世界に誇る「トイレ」で観光名所にもなるのではと好意的に考えましたが、維持費もかかり常に清潔さを保たなければいけないデザイナーズ公共トイレが汚らしいのでは仇となります。誰もが気持ちよく無理なくトイレを利用できるように半分の設置の数でも良かったのではないでしょうか。
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(文:制作_インテリア情報サイト編集部_3 / 更新日:2023.01.22)