ホテルロビー「パブリックスクエア」 Photo:Taran Wilkhu
NYを拠点とするデザインスタジオ CRÈME 相崎準による最新デザイン
ローカルの伝統、工芸、文化を融合した地域初の国際的なホテル
シェラトン鹿児島 誕生
ニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動するデザインスタジオ CRÈME(クレム)の建築家 相崎準は、鹿児島県内で初の高級外資系ホテル、シェラトン鹿児島[2023年5月16日開業]のパブリックスペースのデザインを手がけました。
シェラトン鹿児島は、日本においてシェラトンのグローバルでモダンなデザインコンセプトとブランドビジョンを初めて体現した、記念すべきホテルです。
城山公園展望台、鹿児島湾、桜島行きのフェリーターミナルなどの観光地から車で10分ほどの場所に位置するこのホテルには、活気あるロビー、オールデイダイニングや居酒屋を含む複数のダイニング、最上階のシグネチャーレストラン&バー、フィットネス&スパ、クラブラウンジ、カフェ、ブライダルサロンやイベントスペースがあり、CRÈMEはこれらパブリックスペースのデザインを手がけました。鹿児島湾と桜島を望むホテルの立地にインスパイアされたデザインを各所に散りばめています。
ロビーエリアーー現代の “パブリックスクエア”
シェラトン鹿児島の中央に位置するロビーは、街に開かれた空間です。CRÈMEはホテルの「パブリックスクエア」として構想されたロビーエリアを、リビングルームと捉えデザインを施しました。階段状のホリスティックでオープンなこの空間は、4段階の高さレベルに設けられた6つのゾーンに快適なシーティングを配し、活気と一体感のある空間をつくりました。2層吹き抜けのアトリウムには、屋外にいるかのような緑に覆われたグリーンウォールを配し、暖かな自然光と共にドラマティックにゲストを迎えます。レセプションカウンターは、鹿児島の地層や多様な地形からインスピレーションを得たデザインで、版築 (はんちく)仕上で造られています。
レセプションカウンター Photo:Taran Wilkhu
デザインには、鹿児島を中心とした日本の慣習や伝統と現代的な西洋スタイルの融合というコンセプトが反映されています。また、CRÈMEは、宿泊するお客様だけでなくホテルを訪れる地元の人々の記憶にも残るようなデザインを施すために、地域の文化や郷土の歴史からインスピレーションを得た伝統的な要素を取り入れ、工芸、自然、コミュニティを体験できる空間をつくりあげました。
「ローカルカルチャーを反映したユニークな空間に浸ることのできる体験を創出したいという思いのもと、デザインを⼿掛けました。日本の文化や慣習に、インターナショナルでモダンな美意識を溶け込ませ、思い出に残る体験を⽣み出すホスピタリティ空間を作り上げることができたと実感しています」 相崎準/CRÈME代表
Fanny Allié によるアート作品 Photo:Taran Wilkhu
また、フロアをまたぐ大きな壁画は、ニューヨークを拠点に活動する注目の若手アーティスト、FannyAllié (ファニー・アリエ)とYael Caffrey(ヤエル・キャフリー) によるもので、この作品の存在が、1階と2階の雰囲気を控えめながら自然に変化させてます。このエリアには、カフェ&ワークエリアが設けられています。随所に日本の伝統的なアートワークや工芸品が飾られています。異なるスケールのアートワーク、ナチュラルな色合いと豊かな質感の素材が、街の延長線上に魅力的なコミュニティスペースを作り上げ、訪れる人がリラックスでき、出会いを楽しみ、さらに仕事もできる場を提供します。
進化した新たなフード&ビバレッジ体験
ホテル内には、鹿児島の食の魅力を存分に楽しめる3つのレストランと2つのバーが用意されています。
▼ &More by Sheraton
ラウンジエリア/パブリックスクエア Photo:Taran Wilkhu
カフェ&ワークエリア Photo:Taran Wilkhu
1階の吹き抜けのアトリウムとその前にあるラウンジに隣接したエリアで、ゲストはシームレスに昼から夜へと時間を過ごすことができます。バー、カフェ、そしてマーケットの機能を有し、地元の食材を使用した新感覚のフード&ビバレッジ体験を、それぞれの嗜好やタイムスケジュールに対応できるようカスタマイズ可能な食材とドリンクを取り揃えています。
CRÈMEは鹿児島の文化をより身近に感じられるよう空間をデザインしました。棚には、シェラトン鹿児島のために作られた香箱や帖佐(ちょうさ)人形など、鹿児島の伝統工芸品も展示し、バンケット席の奥の壁に設けられたタイル張りのニッチには照明を施し、薩摩切子のグラスや地元の陶磁器などが飾られています。
▼ Daily Social
カジュアルなオールデイダイニング。ベーカリー、ホットキッチン、メインダイニングスペース、シーフード&コールドバー、そして日本の居酒屋をコンセプトにしたスピークイージーバー「SATSUMAGMA」からなる4つの連続した空間を設けています。
Daily Social Photo:Taran Wilkhu
Daily Social Photo:Taran Wilkhu
スピークイージーバー「SATSUMAGMA」 Photo:Taran Wilkhu
日本の伝統的な職人技、素材、技術にインスパイアされたデザインにより、それぞれの機能やコンセプトが異なるにもかかわらず、統一感のある空間に仕上げました。居酒屋バーエリアは、外扉から屋外テラスを経由してアクセスすることができ、オークのラティスキャビネットドアの向こうには、ライトアップされたボトルのアートワークが展示されるという隠れ家的な雰囲気で、壁面には、黒染めの鏡、日本製の陶器風タイル、オークの格子細工を使用しています。
▼ FLYING HOG GRILL
FLYING HOG GRILL Photo:Taran Wilkhu
FLYING HOG GRILL Photo:Taran Wilkhu
ホテルのメインダイニング。鹿児島の豊かな食文化を表現したメニュー展開で、ジューシーな黒豚などを味わえます。デザインは、鹿児島の文化、伝統にゆかりの深い黒色を重ね、山のモチーフと合わせることで、鹿児島と火山の密接な関係を表現しました。レセプションの奥にある大島紬をイメージしたアートワークや、屋久杉をイメージした耳付き一枚板のテーブルトップなど、鹿児島の工芸品をモチーフにしたディテールが満載です。
▼ VIVARIUM
VIVARIUM Photo:Taran Wilkhu
ガラス温室をイメージしたバー「VIVARIUM」では、地元の植物をモチーフにした吊り下げ式の植栽が、屋内と屋外の境界線をなくし心地よい空間を生み出しています。また、敷地内の温室ではハーブを栽培し、ドリンクやフードに取り入れています。 また、アンティークミラーを設置し、鏡に映し出された屋外空間から鹿児島の眺望を楽しめるよう空間を演出しています。Erica Shamrock(エリカ・シャムロック)がデザインしたミント色のテキスタイルを張ったCRÈMEのコラボレーターでもあるステラワークスのチェアを空間に配置しました。
最上階にあるシグネチャーレストラン「FLYING HOG GRILL」と洗練された温室バー「VIVARIUM」からは、桜島を一望することができます。
▼ Sheraton Club Lounge
Marriott Bonvoy(マリオットボンヴォイ)のプラチナ以上のエリート会員とクラブルームを予約したゲストのための専用スペース。
シェラトン クラブラウンジ Photo:Taran Wilkhu
地域の伝統的なデザイン要素とモダンな西洋スタイルを融合し、快適な雰囲気で卓越した体験を提供します。CRÈMEは、島津家別邸である仙巌園からインスピレーションを受け、鹿児島の伝統工芸を照明やパーテーション、ウォールパネル、床の意匠、家具などのデザインに反映しました。造作のレセプションデスク後ろの吊り照明の下には、耳付きテーブルを配置しています。特注のレセプションデスクには、地元の「どろ染め」で染められた深い赤と青の特大ファブリックアートが飾られ、桜島を望みながら、リラックスした時間を過ごすことができます。
▼ Fitness Center、Spa
つなぎ目の無い左官仕上げの壁、一枚板のテーブル、全体が石でできたレセプションデスクなど、素材感を生かした同一素材の仕上げによる意匠を施したエリアです。ミニマルなデザインがモダンな雰囲気を醸し出す、Fitness Center、Spaで構成される5階は、リラクゼーションとリフレッシュのためのサンクチュアリのような空間です。
天然温泉 Photo:Taran Wilkhu
「Fitness Center」に隣接した「Spa」には、天然温泉、サウナ、足湯を備えたラウンジが併設されています。日本家屋に見られる縁側にインスピレーションを受け、インドアアウトドアの境界を無くし、自然と繋がるようにデザインすることで、屋内と屋外をシームレスにつなぎ、自然との強い結びつきを表現しました。御影石などの天然素材や、足湯のあるラウンジまで続く温泉の外側の小さな庭も、一体感のあるデザインになっています。
▼ ボールルーム
ボールルーム Photo:Taran Wilkhu
ホテルには、通常の会議スペースに加え、ボールルーム、ブライダルサロン、ラウンジを備えた合計610平方メートルのイベントスペースが用意されています。CRÈMEは、これらの空間には、日本の地形、伝統工芸、文化などに敬意を表したデザインを施しました。たとえば、火山岩の断面を表現した壁紙は、この美しい島国を讃えたものです。ボールルームのユニークな照明器具のデザインは、日本古来の建築の木製ブラケットシステムから、会議室のカーペットは地元の布からインスピレーションを得ています。
プレファンクションルーム Photo:Taran Wilkhu
CRÈME(クレム)
グローバルで精力的なデザイナーやクリエイティブな専門家集団。2004年、相崎準*により設立されました。デザイン分野の様々な専門分野を背景にもつ建築家 相崎と彼の優秀なデザインチームは、家具デザイン、ブランディング、レストラン、ホテル、商業空間を含む広範囲なプロジェクトを世界的に展開しています。ブルックリンのウィリアムズバーグと東京に拠点を構える同社は、ローカルとグローバル両方の様々な文化的影響とリソースの中に身を置いています。それぞれのクライアントのニーズに応えながら、長く持続することができる上質な空間を創り出すことを目的としています。CRÈMEは、数多くの受賞歴があり、ニューヨークタイムズ、インテリアデザイン、Architect’s Newspaper、メトロポリス、Dwell、BOB、キンフォーク、ニューヨークマガジンなど、数々のメディアで特集されています。 https://cremedesign.com
*相崎準 CRÈME代表 / CRÈME創設者 / デザイナー / 建築家
シェラトン鹿児島
ウェブサイト. https://www.marriott.co.jp/hotels/travel/kojsi-sheraton-kagoshima/
住所. 〒890-0051 鹿児島県鹿児島市高麗町43-15
Sheraton® Hotels & Resorts(シェラトン®ホテル&リゾート)について
シェラトンホテル&リゾートは、世界約75の国と地域にある425以上のホテルとリゾートでお客様が旅を最大限に楽しむお手伝いをしています。Marriott Bonvoyのポートフォリオの中で最もグローバルなブランドとして、世界中の何百ものコミュニティの中心に位置する特別なホテルブランドであり、長きにわたって、世界のどこにいても、お客様に家族のような温かさを感じていただけるおもてなしを提供してきました。シェラトンは現在、世界中のホテルで、次世代の旅行を愛する人々と地元の人々両者へ向けた有意義なコミュニティ体験を創造するべく、大きなブランド転換を図っています。シェラトンの新しいビジョンは、直感的なデザイン、ハイテクを駆使した体験、そして、パブリックスペースや飲食店、フレキシブルなミーティングスペースに至るまでのあらゆるものをアップグレードすることを目指しています。
www.sheraton.com
(文:制作 PR-P_PR制作部-2 / 更新日:2023.07.10)