今回から、「世界に挑戦し続ける日本企業」と題し、これを実行されている日本のインテリア業界メーカーのトップの方々に、世界に挑戦することの難しさ、それでも挑戦し続ける原動力とは何なのかを、シリーズでお伝えしていきます。
2013年6月5日(水)~7日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された「インテリアライフスタイル」展でリアルな日本の生活様式や美意識に基づくモノづくりを世界へ発信するプロジェクト「JAPAN STYLE」が、アトリウム特別企画でありました。会場を作り上げたのはインテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏です。
そして、「JAPAN STYLE」のコンセプトディレクターの一人が、六本木や青山、二子玉川に、独自のスタイルがあるインテリアショップTIME & STYLE運営の株式会社プレステージジャパンの代表取締役吉田龍太郎さんです。
「JAPAN STYLE」のブースは、2009年からフランクフルト「アンビエンテ」で展開してきましたが、2014年にフランクフルト「アンビエンテ」のパートナーカントリーに日本が決定しました。パートナーカントリーに選ばれた国は、デンマーク、フランスに続き3番目です。3番目に選ばれると言うことはたいへん名誉なことで、それだけ、今、日本の消費財文化が注目されている証拠です。
今回はそのリハーサルもかねて会場構成をしました。僕たちが何年もかけて世界の展示会に挑戦してきたことがようやく形になりました。来年は世界にリベンジできる年にしたい。今は僕がビジネスを始めたドイツで認められるのがひとつの目標です。
僕は落ちこぼれの代表
そのころの僕は落ちこぼれの代表でした。とにかく外国に行きたかったので、あらゆる手段で海外にいく方法を模索していました。みつけたのが独日協会一年限定文化研修の交換留学生の募集です。これだと思い、すぐさまドイツに渡り南ドイツのシュヴァルツヴァルトで一年間の研修期間を過ごしました。
と、こんなおしゃべりから始まったのは、今回のインタビュー特集記事「世界に挑戦し続ける日本企業」の一回目のゲストの吉田さん。
留学期間が終わりそのまま日本に帰る気ならず、そのあとフランクフルトでいろいろな仕事を重ねながら悶々と過ごしていました。そのころは考える時間もたくさんあり、将来何をやろうか真剣に考えて、インテリアの仕事にたどりつきました。
90年に今の株式会社プレステージジャパンの前進である Prestige Style GmbH をドイツで設立。ある程度ビジネスの手ごたえを感じて、1992年に帰国。日本はすでにバブル経済崩壊。日本のバブル経済をドイツでも感じることができました。狂乱したバブルで確かに経済は冷え切っていましたが、それでも一度豊かさを経験した日本人のライフスタイルは、その前とは何かが違うはずと考えた吉田さんは、ドイツから Stange Design OHG“Carton Furniture” のライセンス権を持ち帰り、事業を開始しました。
これはダンボールの家具ですが、とても優れものでとんとん拍子に売れて、銀座、青山と営業を展開します。
そして、1997年に東京都目黒区八雲(自由が丘)に直営店 TIME & STYLE HOME をオープンさせます。吉田さんが33歳のときです。
TIME & STYLE のHP
http://www.timeandstyle.com
(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2013.06.23)