蒲牟田さんのデザインへのこだわりを聞いた。「遊び心は失わないが、狙った感じにはしたくない。“このデザインは(蒲牟田さん自身が)やりたくてそうしたのでしょう”とは、決して言われたくない」。
デザイナー自身は、“消えたい・色をつけたくない”という彼の作品は、一貫してシンプル。しかし地方の住宅としては逆にそれが目立つことに。
また、ローコストが売りでもあり、コストコントロールできるデザインの提案は徹底していている。時には、それが奇抜なデザインとして捉えられることもあるが。
現在では、地元宮崎だけではなく、東京、神奈川からも依頼がある。話はまとまらなかったが、メキシコからも依頼が来たという。COGITE(コギト)の成功の秘密は?との問いに「2000年くらいから、カーサブルータスなど建築・インテリア雑誌が世の中に多く出現し、人々が家の建築・設計に関心を持つようになったことで、建築家への依頼の敷居が低くなったのでは」と。また「今は若い人たちが、自分たちの住みたい家を自由にデザインしてくれる人を選ぶことができる良い時代。インターネットの力も大きい」とも。
(文:KEIKO YANO (矢野 恵子) / 更新日:2011.05.17)