「建築・建材 2011」の各展示ブースでは、それぞれに素材や商品などの“モノ”を扱っていましたが、@aromaがメインとするのは、“香る”というサービスです。
同社は「香り」というアプローチで、顧客企業の付加価値を高めるサービスを提供している企業。これまでに、約600社以上の企業・店舗が導入し、成果を上げているということです。
その香りの使い方は、それぞれの業界に合わせ、香りで空間を“デザインする”というもの。たとえばホテルの利用では、おもてなしのコンセプトで。ハイクラスホテル「ザ・リッツ・カールトン 東京」のメインロビーでは、オリジナルの香りを製作し、お客さまをもてなしています。アパレル販売では、ブランディングを。大手セレクトショップのSHIPSに提供するサービスでは、SHIPSの6カテゴリーに合わせたオリジナルの香りを製作。同じ店内でも、カテゴリーごとに違った香りを演出し、その香りのキャンドルも販売するというブランディングを行っています。また、医療機関・介護施設などでは、リラックス効果を求めて導入する例もあるそう。
「香る」という嗅覚への刺激は「見る」「触る」などよりも、ダイレクトに脳に伝わり、残りやすいとか。同社の香りの演出は、BGM感覚で取り入れられ、コミュニケーションツールとしても活用されています。なかでも小売業では、「商品を買って帰り、その後利用する」という消費行動だけに、購買時のコミュニケーションと時間を経ての使用感が重要です。香りの効果で、顧客の滞在時間が長くなるなど、サービスの効果が報告されています。
なにごとも便利で簡単、モノで生活は満たされているのに、「なにか物足りない」。
「真の豊かさを」といわれて久しい現代で、顧客を本当に満足させる商品やサービスを、各業界が模索しています。
「ものづくり」を過信して、メーカーの行き過ぎた新製品競争に、消費者が辟易している中、香りという見えない演出で直感的に訴える同社のサービスがとても新鮮に感じられました。
(文:インテリア情報サイト編集部-1 / 更新日:2011.04.02)